メアリー・スティーヴンソン・カサット(Mary Stevenson Cassatt, 1844年5月22日 - 1926年6月14日)は、アメリカの画家・版画家。成人してからはフランスで生活することが多かった。そこで最初に友人になったのがエドガー・ドガで、後に印象派の展覧会にも出品した。
カサットは、独特の力強いタッチで、母と子の親密な絆を、さらに、女性の社会的および私的生き方を、何度となく描き続けた。
メアリー・カサットはペンシルベニア州アレゲニー(現在はピッツバーグの一部)に生まれた。父親のロバート・S・カサットは成功した株式仲買人、母親のキャサリン・ケルソー・ジョンストンは銀行家の家の出身という恵まれた環境だった。教育に不可欠だとして、世界中を旅行しながら育てられた。10歳になるまでに、ロンドン、パリ、ベルリンなど、いくつものヨーロッパの首都を回っていた。ちなみにカサットは、ロバート・ヘンリー(en:Robert Henri)のいとこでもあった。
カサットはプロの画家になろうと決めた。もちろん家族は反対したが、カサットは自分の意志を貫いた。フィラデルフィアのペンシルベニア美術アカデミーで絵の勉強をはじめたが(1861年 - 1865年)、いっこうに進まない授業と男子学生の見下した態度に我慢できず、ちゃんとした巨匠の下で勉強しようと、1866年、パリに渡った。