井島(いしま)とは、瀬戸内海に浮かぶ島である。岡山県と香川県の県境が存在する。石島とも表記される。
概要
石島港瀬戸内海東部の直島諸島の北端にあり、北部は岡山県玉野市、南部は香川県直島町と分かれている。2通りの表記があるのは、昔から岡山県では「石島」、香川県では「井島」と違っていたからである。
島の人口は126(2006年)で、人口構成としては半分以上が五十歳以上で、高齢化が急速に進んでいる。特に養殖業が盛んで、沖合には養魚場が多く点在し、中でも海苔の生産が多く、港の周辺には海苔の加工場が幾つもある。石島西古墳を始めとする古代遺跡の発見や化石が多く出土されていることでも知られる。
胸上港との連携が強く、井島の石島港と胸上港の間には数少ない船が運航されていおり、約15分で行き来することができる。近辺には大きな商業施設はなく、島の生活圏は宇野にまで及ぶ。
歴史
1702年に直島と胸上村との間で境界論争が発生し、幕府が石島山から東西に境界を引く形で、北部を胸上領、南部を直島領と決めた。その当時は井島には島北部の沿岸部に数人が定住していた程度であった。このあと胸上村から3人の農民が井島に行き、石島山の北の麓を開拓した。その後も胸上村数人が井島に移住し、開拓に関わった。またその間には爆発的な増加率で増え、1702年に数人であった人口が1742年には56人にまで膨れあがっていた。
1907年には大火事があり、文献などはほとんど消失したため、島の歴史や直島と胸上村の境界論争に関する事項ははっきりと分かっていない部分が多い。
地理
井島日本で県境がある島は11箇所しかなく、非常に珍しい。岡山県側には「石島」という町があり、香川県側は直島町の本村の一部である。境界ははっきりと決まっているが、現在にいたって直島町と玉野市の市村および県の境界をめぐる対立が続いている。島の人口のすべてが岡山県の石島にあり、香川県側は工場が一箇所あるが定住している人はおらず、無人地帯となっている。また、この島は2006年放送のTVチャンピオンで県境が存在する島として紹介されたこともある。最高標高は石島山の156.7mである。
人口にはさほど動きが見られないが、少子高齢化が進んでおり、島の唯一の教育施設である玉野市立胸上小学校石島分校の全校児童は11人と少ない。
島の中心市街は北部の港の近辺にあり、そこには小学校や公民館などの公共施設が設けられている。市街ができた土地はやや急な丘となっている上、水源が近くになかったため、島の開拓は困難であったとされる。
困ったときには