新庄水田トラスト運動とは?
トラストとは、一般的には、市民が自分たちのお金で身近な自然や環境を「買い取り」、経済競争や開発から守ることで、次の世代に残すことです。ピーターラビットで有名なビアトリクス・ポッターが英国湖水地方の自然を守るために始めた「ザ・ナショナル・トラスト」が始まりとされています。
いま、農業はグローバル経済のはげしい価格競争の中にあります。価格優先、効率優先の農業は、農薬・化学肥料に頼り、土地を荒廃させる悪循環につながっています。特に、多国籍企業・モンサント社や日本の農水省は、生命に危険をもたらすと言われている「遺伝子組み換えイネ」を推し進めようとしています。
市民・消費者として、私たちにできることはないのでしょうか。
新庄・水田トラストは、幻の米と言われる「さわのはな」の無農薬・無化学肥料栽培水田をトラスト(相互信託)します。遺伝子組換えイネNO!の市民・消費者は、1口3万円のお金で、「さわのはな」の水田の管理を農家にまかせます。遺伝子組換えイネをつくりたくない農家は、トラスト水田の管理を引き受け、市民・消費者との思いを共有します。
「さわのはな」は、山形県の最北端の新庄で、農家が自分で食べるために長年作っている在来種のお米です。遺伝子組換えされた種子でイネの種子を支配しようとしているモンサント社、農水省に対して、在来種「さわのはな」を育て、広めます。「さわのはな」は、ほかのお米に比べて胚芽の部分が大きいのですが、精米したとき少し乳白色で小粒の為、市場に出回りません。しかし、地元農家の舌で選ばれたNo.1のお米なのです。
秋に収穫されたお米は会員で均等に分配され、平年作では、約40kgのお米が届きます。水田トラストは、水田(土地)をトラスト(相互信託)する運動です。お米をトラストするのではないのです。したがって、お米は収穫の量に応じて、豊作の年はたくさん、不作の年は少なく配分されます。