米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)の研究者が6日、土星から約600万キロ離れた場所から外側に広がる新たな「輪」を発見したと発表した。詳細は7日付の英科学誌ネイチャーに掲載される。
新たに見つかった「輪」は、土星から600万キロから1200万キロと広大な範囲に微小な氷などの粒子が浮遊したもので、可視光線を反射しないことから見ることはできない。
しかし、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が、これらの粒子が広がる部分の温度と周囲の温度差をとらえた。輪の部分は、絶対温度80K(摂氏マイナス193.15度)だった。
土星の主要な衛星のうち、最も遠くを回る「フェーベ」はこの輪の内側にある。科学者らは、「フェーベ」がすい星と衝突した際に生じた細かな粒子が、新たな輪を構成しているとも見ている。
また、1671年に天文学者カッシーニが発見した別の衛星「イアペトゥス」の表面は、非常に明るい部分と暗い部分に分かれているが、この黒い部分は新たに見つかった輪の粒子が衝突して生じたのではないかと推測している。
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