知られざる列車なのである。乗られざる列車なのである。
新津6時15分発酒田行き普通列車。2両編成。
しかし小生が青春18きっぷ、あるいは北海道&東日本パスを使い、新宿から「ムーンライトえちご」で新潟まで行き、そこから乗り継いで日本海回りで北上、東北や北海道に向かう場合、しばしば愛用している列車なのである。
北に向かう人は「ムーンライトえちご」を新潟で降りた場合、なんのこころの迷いもなく、むかいのホームで待つ快速・村上行きに乗り換える。
それでいい。おおくの青春18きっぷのガイドブックにも、あるいはネットの解説サイトにもそう書いてある。文句はない。行きたい人はお先にどうぞ。
しかしそこで待て。急がばまわれということわざもある。あえてそこで村上行きを見送るのだ。
さっき「ムーンライトえちご」で通ったばかりの新津へと引き返すのだ。
北には行かないのか。
いや、行きたいから引き返すのだ。
新宿から秋田までの二つのルートを掲げておく。
前者が北にゆく、多くのほとんどの人がたどるルート。
後者が新津6時15分発酒田行き普通列車を途中にはさむルートである。
新宿23:10→4:51新潟4:54→5:50村上5:56→8:18酒田9:38→11:31秋田
新宿23:10→4:51新潟5:18→5:36新津6:15→9:30酒田9:38→11:31秋田
要は「新津6時15分発酒田行き普通列車」は村上からは先に出発した先発組の列車の、一本あとの列車となって酒田まで向かうのだ。
酒田でその先発組と合流して9時38分発の秋田行きに乗り込むことになる。
新津6時15分発酒田行き普通列車の特徴として、始発時の車内が異常にすいている。
列車マニアはまずいない。地元の方のみ。ゆえに1両に新津出発時は2人か3人。
列車の車両も新しい。海側が向かい合わせの2人がけ、山側が向かい合わせの4人がけ。
新津発車時に自由気ままに選択できる。
新潟先発組が村上で味わう乗り換え列車での座席取り戦争はここでは全くない。
平和そのもの。
海側の座席にすわれば窓もワイド。村上過ぎれば見え出す日本海を思いのままに心行くまで堪能できる。
すいている。静かでもある。
一本前の列車はさぞ騒がしかろう。
酒田で合流する。先発組のなんだか疲れたその顔に顔。
ゆっくりとじっくりと日本海を味わえる新津6時15分発酒田行き普通列車とはえらい違い。
君も乗ってみないか「新津6時15分発酒田行き普通列車」。
日本海が窓いっぱいに広がって歓迎してくれるだろう。
晴れた日は佐渡島も手をふってくれるかもね。
乗らぬ手はなし「新津6時15分発酒田行き普通列車」。
乗った体験談、乗る前の空想談を語り合いたい。
困ったときには