モダン・クラリネットの巨匠、バディ・デフランコは23年2月17日、ニュージャージー州キャムデンに生まれる。最初はクラシックを学んでいたが、後にベニー・グッドマンを聴いてジャズに目覚める。そして、39年からプロ活動を開始。チャーリー・バーネット、ジーン・クルーパ、トミー・ドーシーなどの有名ビッグ・バンドで腕を磨いた。
40年代の半ばにチャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピーらを中心として突如起こったビ・バップ運動は、またたく間に当時のジャズ・シーンを席捲してしまうが、デフランコはいち早くこのバップを取り入れた演奏を試み、今までのスウィング・スタイルとは違うクールでモダンなフレーズをちりばめた独自のスタイルを確立、自らのバンドで実践した。スウィング時代には花形楽器として君臨したクラリネットも、時代の流れと共にサックスやトランペットにその座を奪われることになったが、デフランコのように進歩的な考えをもったミュージシャンの活躍により、時代に遅れをとったこの楽器に新しい命が吹き込まれることになった。
また、65〜74年まではグレン・ミラー・オーケストラに招かれてリーダーも務めていたが、77年には盟友ギタリストの故タル・ファーローとセッションを再開、現在も現役で活躍している。
<Verve>での3部作『MR. CLARINET』『COOKING THE BLUES』『Sweet and lovely』は代表作。