京大西部講堂が、今日あるような先鋭的Rock音楽や対抗文化の聖域としての機能を持ち始めた60年代後半〜現在までの足跡を、当時の政治的・社会的な背景をも網羅しつつ、正確な歴史考証に基づく文化史ドキュメンタリー映像として纏め、なんとか世に出したいと希望しています。
というのは、この40年間西部講堂から発信されてきた音楽文化は、安易な商業主義音楽や軽薄なファッションではなく、今後50年後100年後も再評価され真に後世に伝承すべき芸術的価値のある文化であると確信しているからです。
私共はこの映画制作を通じて、西部講堂が40年近くの歳月をかけて培ってきたアイデンティティー・西部魂そのものを深く理解し、また一般社会に対しても、この稀有な表現の場の存在意義を正しく伝えられる一助になることを願ってやみません。
できましたら、当時の出演アーティストの方々及び様々なイベントスタッフやご観客様の面々も、キーパーソン及び時代の証言者としてご指導及びご出演等していただければ大変有難く思います。
<大まかな内容>
●60年代後半〜70年代・・・アングラフォーク、ブルース、MOJOWEST、南正人・村八分・裸のラリーズ・頭脳警察、憂歌団、ウエストロードブルースバンド、上田正樹、浅川マキらを核とした、単なる音楽好きのみならず左翼知識人層からも支持され得た日本ロック黎明期の熱気、フランクザッパ、ストラングラーズ、70年代後半のパンク革命勃発による日本カウンターカルチャーからの回答→関西ノーウェーブ(INU、ウルトラビデ、非常階段etc.)らの群像を正確な歴史考証に基づき深く掘り下げる。
●80年〜90年代・・・ビートクレイジー、パンクムーブメントの終焉・商業主義音楽の跋扈、バブル経済期における飢餓感の喪失、ノンポリティカル・軽薄なファッション・バンドブーム、ロックカルチャー史上最も不作の時代といわれる80年代をしぶとく生き抜いたロック魂の肖像。ローザルクセンブルク、ボガンボス、ニューエストモデル→SFU、山本精一・ボアダムスの登場、グリーンレコード
●2000年代〜
ボロフェスタ・みやこ音楽祭・P-hour等の多様化・巨大化するロックフェスの功罪。ロック音楽の未来は?未来に伝承すべき表現のありかたとは?