・確かに、そう仰る方が多いんですが、ワインの温度は、その人の好みで決めて良いものなんです。軽い赤ワインは、冷やして飲んでもなかなか美味しいですよ。大切なのは、冷やすとワインの渋みが抑えられると言うことです。
・じゃあ、その村上って男が、毛利さんへの復讐のために、毛利さんの知り合いを次々と襲ってるんですか?
・それにしては毛利さん・・・随分、落ち着いてらっしゃいますね。
・それはワインクーラーと言ってね、ワインを適正温度で保管するものだよ。
・ええ・・・まあ・・・。将来、自分の店を開く時のためにと思いまして・・・
・ああ、どうぞ。
・あー、大丈夫かい?そこはこの前、瓶を落としちゃってね。コナン君、スリッパ履いてないから、注意してね。
・あったんですが・・・この前、飲んでしまいました。
・つい、我慢出来なくなりましてね。
・旭勝義さん・・・って、ご存知ですか?都内で十数軒のレストランを経営する、実業家なんですが。
・はい・・・そこのレストランを一軒、任せてもいいと仰ってくださって・・・。その件で、3時に約束が・・・
・はい・・・私は構いませんが・・・
・旭さんが・・・見当たらないようですが・・・
・ボジョレーの、ムーラン・ナ・ヴァンですね。
・ボジョレーも、質の良いのを長期熟成させると、ブルゴーニュの特級物のような味と香りが出るんです。
・あ、いえ、私はミネラルウォーターにします。
・んっ?
・ああ・・・ありがとう。珍しい調味料なんで、ちょっと味見してたんだ。コナン君のジュースは、上かな?
・沢木公平様・・・遅れるかも知れないので、ワインセラーのM-18番の棚から
お好きなワインを取って来て、皆さんに出しておいてください。鍵はレジカウンターにある、袋の中に入っています。よろしく。旭勝義・・・
・じゃあ、一緒に行きましょう。
・いいえ、暖か過ぎるくらいですよ。温度は10℃から14℃ぐらいが、ワインを保存するのに、理想的な条件なんですが・・・ここは17℃と、高過ぎますね。
・M-18番の棚は・・・
・ん?うおわっっ!!!
・がっ、これはっ!!
・いいえ・・・どうせ、断るつもりでしたから。実は、今勤めている店も辞めて・・・田舎へ帰ることにしたんです。私、一人息子ですから・・・両親の面倒見なければならないんですよ・・・
・あっ・・・ありがとう。
・あっ・・・いっ、いえ・・・。私はまた、狙われるんでしょうか・・・
・ぷはぁっ!
・あっ・・・あれを見てください!
・では、私が先導します。行きましょう!
・ぶぅっ!ハァハァ・・・さあ!掴まってください!
・私が人工呼吸をしましょう!私は、ライフセーバーの資格を持っています!
・毛利さん!私だってボーガンで狙われたじゃないですか!
・ミネラル・・・ウォーター?
・それを私は、気付かずに飲んでしまったのか・・・。
・確かに私は、味覚障害に罹っています。でも・・・だからと言って、私が奈々さんを殺した証拠にはならないでしょう?
・あっ・・・
・毛利さん・・・全てあなたが仰った通りだ・・・。3ヶ月前・・・私は店から帰る途中に、彼女の車と接触しそうになって転倒した・・・それからしばらくして突然、味が分からなくなった・・・医者からはストレスが原因の可能性もあると言われた・・・絶望した私は、もはやソムリエであることを諦め、事故の原因を作った小山内奈々と、ストレスの原因となっている旭、辻、仁科への復讐を決意した・・・
・旭は・・・ワインブームに目を付け、莫大な財力にモノを言わせ、海外の稀少ワインを買い漁っていた!その癖管理は不十分・・・
・仁科!お前はグルメを気取って知ったかぶりの本を書き、ワインについての間違った知識を読者に植え付けた!
・そして辻弘樹ぃ!!奴は私のソムリエの尊厳を穢した!!
・4ヶ月前・・・私は奴が自宅で開いたパーティーに出席した・・・
・そんなことだとぉ!?貴様らにあの時の私の気持ちは分かるまい!私が天職として目指した、ソムリエの品格!名誉!プライド!その全てをあの男は、汚い足で踏み躙ったんだ!!!
・ああ・・・・・村上とはあいつが仮出所した日に偶然、毛利探偵事務所の前で会った・・・
・私は上手いこと村上を利用出来ないかと思い、毛利さんの知り合いだと言って誘った・・・村上は、事件当時こそ毛利さんを恨んでいたが、今はただあの時のことを謝りたくて会いに来たと言っていた・・・
・その時だよ・・・トランプの数字を使って、自分の犯罪をカムフラージュしようと思いついたのは・・・
・酔い潰れた村上を殺すのは、簡単だった・・・
・その通り。
・そうだ・・・5と3の毛利さんと白鳥刑事は、私が旭さんに呼ばれた話をすれば、当然付いて来ると思った・・・本当は1の工藤新一も来ることを期待していたが・・・それは残念ながら叶わなかった・・・
・海中レストランを爆破したのは、ただ仁科を殺すためだ・・・他の連中は死のうが生きようがどーでもよかった・・・あとはここが崩れ落ちて、村上の行方は掴めず、迷宮入りになるはずだった・・・
・でぃっ!!
・でやぁぁあああ〜〜〜!!
・でぃっ!来いっ!!
・フッヘッヘ・・・・みんな動くな!動くとこの子の命は無いぞ!
・何をしてるっ!着陸しろぉっ!!
・さっさと降りて来いっ!!私が頼んだヘリだぞぉっ!!
・来るなぁ〜〜〜っ!!!来るとこの子の命は無いぞ!!
・面白い!撃てるものなら撃ってみろ!!
・うるさいっ!この子を連れて辻を殺しに行く!
・駄目だ・・・奴を殺して俺も死ぬ!この女も道連れだ!フハハハハ・・・ヒハハハハ・・・ッ!
・拳銃をよこせ。
・刺すぞぉっ・・・!!
・何をしてるっ!早くしろぉっ!
・ちっ!
・ボーズ!お前が持って来い。
・この女がここで死んでもいいのかぁっっ!!!
・さあ!早く持って来いっ!
・よーしいい子だ・・・さあこっちへ持って来い!
・さあ早く!!
・早く持って来いって言ってんだぁ!!!!!
・なっ・・・・・
・くそぉっ!おい!立て!おいっ!おいっ、おい!くっ・・・
・うぉっ・・・うっ!
・うおあっ!!離せぇっ!!死なせろぉ!!!
?
・風戸です。よろしく。
・自分が、誰だか分かりますか。
・それでは、今日何があったか覚えていますか?
・アメリカの首都はどこでしょう?
・5×8は、いくつですか。
・このボールペンの、芯を出してください。
・はい・・・突然の疾病や外傷によって、損傷が起こる前のことが思い出せなくなる、記憶障害のひとつです。
・ただし、お嬢さんの場合、目の前で佐藤刑事が撃たれたのを見て、強い精神的ショックを受けたためと考えられます。
・今の段階では、何とも言えません。ただ、日常生活に必要な知識の点では、傷害は認められませんでした。
・そうです。ですがとりあえず、何日か入院して、様子を見てみましょう。
・MRI検査の結果、脳に損傷は見られませんでした。
・やはり、お嬢さんの記憶喪失は、自分を精神的ダメージから救うためのものですね。
・まあまあ・・・無理して思い出させようとすると、脳に異常を来たす恐れもあります。
・はい、風戸です。
・はい、分かりました。電話してみます。
・あれぇ?出ないなぁ・・・どうも、失礼しました。
・う〜ん・・・一般的には、リラックスした状態の時にフッと思い出すことが多いですねえ。
・蘭さん、くれぐれも無理して思い出そうとしないように。いいですね。
・少しでも記憶が戻ったら、連絡してください。
・ですが・・・このことがきっかけで、記憶を取り戻すのを怖がるようになるのが心配ですね。
・なるほどぉ〜・・・蘭さんの記憶はかなり戻りかけていますねえ。
・うーん・・・確かに、その可能性はあります。
・ええっ?
・いや〜、蘭さんは勇気がありますねぇ。その気持ちがあれば、トロピカルランドへ行っても大丈夫でしょう。
・いつ私だと分かった!
・なるほど。そいつは迂闊だった。
・その通りだ。まさか電話のボタンを押しただけで気付かれるとは思わなかったよ。
・再会したんだ・・・偶然にな。
・誘われるまま、奴のマンションで飲んだ・・・。
酔った私は、6年間ずっと心の隅で感じていた疑問を奴にぶつけた。
あの事故はわざとだったんじゃないか・・・と。
・やはりあの事故はわざとだった。その時だ・・・私に殺意が芽生えたのは・・・
・奴は丁度、手術ミスで訴えられていて、自殺の動機は充分だった・・・
・案の定、捜査は自殺と言うことで終結したよ。
・米花署に異動になった奈良沢刑事からねぇ。
彼は同僚の友成警部が亡くなったことに精神的ショックを受け、カウンセリングに来たんだ。
・治療を通じて、友成真琴が警察を恨んでいることも知った。
・そうだ!奈良沢刑事と芝刑事の時は自分の声で電話をかけた。佐藤刑事の時は・・・
・その通り。
・私は彼の主治医だからねぇ。
・見事だよコナン君・・・だが私が犯人と言う証拠は無いよ?佐藤刑事が撃たれた時、私からは硝煙反応が出なかったんだからねぇ。
・なにっ?
・ちっ!
・まだ話の途中だったなぁ。
・困るんだよ〜君にあのトリックを解かれちゃ・・・私も佐藤刑事を撃った容疑者のひとりになってしまうからねえ。
・そう言うことだ!蘭君に見られたのは一瞬だからねえ。だが、危険な芽は摘んでおこうってわけさ。
さあ聞こうか?君の推理が合っているかどうか・・・
・正解だよコナン君・・・やはり死んでもらうしかないようだ・・・
・くそうっ!!!
・ここで終わりにしようじゃないか、コナン君・・・それにもう、君たちには・・・逃げ場が無い。
・言ったろう?もう逃げ場は無いって・・・
・そうなんだよ〜・・・友成は逮捕前に消すつもりだったが・・・仕方が無い。
・さて・・・やはりここはレディーファースト・・・かな?
・フン!何かの・・・おまじないか?
・ううんっ!?うぉっ・・・
・うんっ・・・くっ・・・
・噴水が止まれば終わりだぁ!もう諦めるんだなぁ!!
・ヘッヘッ・・・んっ?
・子供だましな・・・!
・死ねやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
・ぐおっ・・・!ぐあっ・・・
・くっそう!!!貴様から片付けてやらぁ!!!!
・うおっ?
・うっ・・・う・・・嘘ぉ・・・
・空手・・・?優勝・・・!?
・(以下断末魔の悲鳴)
ξ
名探偵コナン映画史上、最も凶悪な犯人2人を偲ぶ。。。
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