私の娘は、出産時の子癇発作が原因で脳性まひになりました。
はじめてのこで障害のことも何も知らず右も左もわからなかった私達に
「普通にそだてること」の大切さとお友達の力と「肩の力を抜くこと」を教えてくれたのが、保育園というところでした。
以下は、その時にわたしと娘が実際に受けた「障害児保育」という制度の中での出来事です。
「地域で育てる」言葉にすれば簡単なことかもしれません。
「差別をしない」ということを取り違えば大きな間違いになることだと思います。
障害があるから、やらなきゃいけない
障害があるから、がんばらなきゃ
それは間違ってはいないけれど・・・【みんなと一緒】ということの
本当の大切さを一緒に伝えていきませんか?
小さな小さな制度です。
でも、子供の未来にとってはとっても大事な制度です。
ここに集まってくれる方と一緒に、その宝物が与えてくれた大事な時間などを話していければいいなと思います。
たくさんの今悩んでいる親達のために
【まりちゃん号のお話】
それは・・小さな手作りの乗り物だった。
毎朝、まりっぺを保育園に送っていくと「教室の入り口」それはありました。
「これ なんの乗り物か知ってる?」
同じクラスの男の子が言いました。
「ん?知らないよ〜なんていうの?」
「これね まりちゃん号っていうんだよ♪まりちゃんしか乗っちゃだめなんだよ」
一瞬、言葉に詰まりながら「どうして まりちゃん号なの?」と聞いてみると。
「先生がね、作ったのホールへ行くときにまりちゃんが乗るんだよ。だから 他の人は乗っちゃだめなの」
小さな乗り物は、当時1人で立つこともハイハイすることも出来なかった 娘への先生達からのプレゼントだった。
「お友達の後を一人で追えるように、お友達と同じ事が出来るように」
「少しでも、足の筋肉がつきます様に」
先生達のそんな、あったかな「想い」がたくさん詰まっている手作りの乗り物だでした。
うれしかった・・・ただ・・うれしかった・・・少ない保育園の予算の中から 紙粘土と色紙でかわいく作られたその乗り物、かわいく色使いがしてあって、毎朝 登園するたびに「元気」をもらいました。
先生達の気持ちがうれしかった。まりちゃん号と呼んで大切にしてくれている、クラスの仲間の気持ちがうれしかった。
「早く ハイハイできるようになろうね。歩けるようにならなくちゃね」娘にはなしながら、うれしくて泣きました
それから・・しばらくして職員室へ行くと「まりちゃん号」に「崩してください」という張り紙がしてありました。
「これ〜どうするんですか?」と聞くと、「もう 乗らなくていいものね♪置いておくと もう危ないので捨てるんです」と話してくれました
「まりちゃん号」御役御免の日でした。
「ありがとう」と心の中で、言いながら、私はそっと「まりちゃん号」を写真に収めさせてもらいました。
「まりちゃん号」誕生から、1年半・・・娘は「ハイハイ」を覚え「一人で」歩けるようになり・・
「まりちゃん号」と「まりちゃん号」を作ってくれた先生とお友達に見守られながら、自分の足で歩いて卒園証書をいただきました。
障害児保育は、本当に「不思議な力」を与えてくれます。親だけではどうにもならなかった事、リハビリではなかなか進まなかった事。
それが「障害保育」という制度のおかげで「集団の中」で「お友達と同じ事をしたい」という本人の気持ちを引き出し、「同じ事をさせてやりたい」という先生達の想いが伝わり、「一緒にあそぼうね」というお友達の気持ちが加わって、「不思議な力」を与えてくれます。
先生達の一生懸命な想いが、孤独だったかもしれない「親」の心を救ってくれたりもしました。
だから守って伝えて生きたいんです。
あの時「親でも手がかかって大変な子にありがとうございます」
と連絡帳に書いた私の言葉へ
【私たちは何も特別なことはしていません。まりちゃんにもほかの子と同じように接しているだけですよ】
といってくれた「当たり前に聞こえるけど大事な大事な思い」を。
普通と呼ばれる世界の中で障害を持つ子を抱えて色々な壁と向き合うことは
本当に大変で心を砕かれることもあります。
同じ障害をもつ仲間や同じことで悩む仲間との時間に心をゆだねて「ほっと」する時間も大事だと思います。
でも本当に大事なことは、親も子も「普通」と呼ばれる世界の中で色々な目があること、でもそれは決して嫌なものばかりではないことを触れて感じるだけでそのこと自分の世界がとっても広がるということです。
このコミュを通じてそういう「当たり前に見えるけど」当たり前ではない大切なことを話して伝えていければいいなと思います。
困ったときには