『機動戦士ガンダムF91を120%楽しむ方法』を、追求するコミュニティです。
随時更新していく予定です。
後に産まれてくるF91を知らない子へ、その魅力を余す事無く伝えるために、F91という作品を、色々な観点から追求しましょう!
機動戦士ガンダムF91を愛する人、ぜひ登録していってくださいね〜。
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『機動戦士ガンダムF91』は確かに未完の作品ではあります。
劇中後の企画されていたはずのTVシリーズが制作されなかった理由については、
本作の興行成績が思わしくなかったためであるという説もあります。
サンライズ、バンダイ問題もありましたが・・・・。
『機動戦士ガンダムF91を120%楽しむ方法』として読んでいただければ幸いです。
この作品、は宇宙世紀0123年を舞台とし、アムロもシャアも、そしてジオンも登場しないという新たなるガンダムとして企画され、
1991年3月、劇場版完全オリジナル作品として公開されました。
本作は、原点に帰るというのがキーワードで、総監督にはもちろん富野監督、
キャラデザインには安彦良和さん、
メカデザインに大河原邦男さんという
『ファーストガンダム』のスタッフが結集!
しかし、実際のところは、ファーストでは作画監督を務めた安彦良和さんはキャラデザインのみでの参加という事で、
残念ながら、アニメ映えをするように再現されることはなく、このシリーズは他作品とくらべても、少し違和感を否めないのはそこなのかもしれません。
とはいえ、当時としては珍しく、マルチメディア展開があったシリーズであり、
講談社からは『機動戦士ガンダムF90』、
SFCからは、あの名作『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』
が発売され、期待も高まりました。
ただ、本作公開時には一部の未完成シーンがカットされた状態での放映となり、
そのせいなのか、興行的には成功したとは、言い難い結果となってしまいました。
その後、ビデオとして完全版がリリースされるものの、
予定されていた続編はアニメーションとして、製作されることはなかったのです。
あの劇中の最後に出てくる、
THIS IS ONLY THE BEGINNING
そう、今だF91ファンの間では、この作品は始まりにすぎないのである。
そして、少年エースでF91のその後は長谷川さんと富野監督により
漫画として『クロスボーンガンダム』として描かれました。
F91の主人公、シーブック・アノーもキンケドゥ・ナウとして、
ヒロイン、セシリー・フェアチャイルドもベラ・ロナとして、
ザビーネ・シャルも最初は、見方として登場します。
では、ラフレシアを撃破した後の話はどうなったのでしょう!?
鉄仮面の死後、セシリーは再び、ベラ・ロナを名乗り、コスモ・バビロニアを打ち倒すために人々の前に姿を現します。
ベラは大衆に向かって、バグなどという非人道的兵器を用いる貴族主義を訴えていく。
王女たる女性がその建国理念を批判したためか、時を経ずして国内は、ロナ家を中心とした貴族主義者たち(ドレル・ロナはこちらに入ったようです)と、
その打倒を第一とするベラの下に集った(シーブックやザビーネはこちら)レジスタンスたちの二つの勢力に分裂します。
誕生間もないバビロニアは内戦という試練に耐え切れず、旗艦『バビロニア・バンガード』就航を目前に遂に崩壊していった。
そして0128年、『バビロニア・バンガード』、後の『マザー・バンガード』はベラロナを乗せ、処女航海に旅立ちます。
しかしテロによって艦は遭難し、ベラを始めとする乗組員は全て死亡と判断された・・・・
これが、F91とクロスボーンの間のお話です。
と、ここまでは、初心者向きの解説でしたが、
ではそろそろ、私もマニアック度を少しづつ上げていきましょう!
実はこのF91という作品を、120%楽しむためには、
小説版の『機動戦士ガンダムF91』を読んでいただきたいのです。
上・下とありますので、特に上ですね。
むしろ上だけでもいいです。
なぜかといいますと、
フロンティア?襲撃の前の話が描かれているからです。
私としては、これを読まずして、ロナ家を語るのはやめていただきたい!
簡単に紹介しますと、
ロナ家のトップ、シャルンホルスト・ブッホ
その名の通り、ブッホ・コンツェルンの創始者です。
実はこの人、最初からロナだったわけではないのです。
欧州の名門ロナ家の家名を買い、必要に応じてロナを名乗るのです。
そしてその長男、エンゲイスト・ロナ
一時期は地球連邦議会で議員を務めます。ロナ家が政界に手を伸ばした人脈の中核となります。
次男、マイッツァー・ロナ
コスモバビロニア建国当時のロナ家当主。幼い頃から父、ブッホの生き様を見て育ったこともあり、その理想を受け継いでコスモ貴族主義標榜して、クロスボーン・バンガードを創設。
本作劇中にも登場。
エンゲイストの長男、ディナハン・ロナ
コスモバビロニア建国にあたっては後方でその能力を発揮したとされます。
設定資料にによっては、ハウゼリーの子とするのもあり定かではない。
エンゲイストの長女、シェリー・ロナ
こちらもハウゼリーの長女とする資料もりますが、定かではないです。
ディナハンの姉にあたる人物で、ベラの旗艦まではコスモ貴族を主義を大衆に広めるための一種の宗教団体、コスモ・クルスの大衆に対するアイドルの中核となる。
後に『クロスボーンガンダム』にて、シェリンドン・ロナとして登場します。
マイッツァーの元妻、レイチェル
子供達が幼い頃に離婚した。
コスモ貴族主義の理想については詳しくは知らない。
マイッツァー長男、ハウゼリー・ロナ
マイッツァー期待の息子として若くしてエンゲイストの後を継ぎ政界へ打って出る。
コスモ貴族主義を体現した多くの法案を提出し、革新派として活躍するが、
宇宙世紀0118年暗殺される。
ハウゼリーの妻、テス・ロナ
巨大スーパー『ナイス・グロズリー』経営者の娘として若くして結婚。
ハウゼリー暗殺のショックで狂乱。死ぬまで痴呆状態に陥った。
とここまでが、劇中では語られることの無かった、ロナ家の設定です。
では小説ではどんなことが書かれていたのか、
シャルンホルスト・ブッホ。
ブッホ・コンツェルンの創始者であり、
後に、ビッグ・ブッホと呼ばれた男、彼は十代でジャンク屋稼業を始め、
やがてブッホ・ジャンクを設立。
晩年にはコロニー建設当時の基地として使われていた小型コロニーを再生、本社とします。
だが彼は宇宙環境問題を考えようともせず目先の利益にのみ固執する個人。
既得権の保持と拡大にのみ汲々としているコロニー公社や連邦政府など巨大化しすぎた官僚組織。
己にも、人にも厳しくあることを当然と考えていたブッホはひとつの理想を描くこととなった。
その理想が一朝一夕にかなうものではないことも熟知していたブッホは、今は力を蓄える時だと考え、
多くの布石を打っていくのである。
ロナ家の名を買ったのもそのひとつであったが、それは子供たちへの教育のためであった。
長男エンゲイストを政治家への道に歩ませ、彼の理想を政治的に支援する勢力の醸造に務めさせる。
次男マイッツァーをブッホ・コンツェルンの総帥として、来るべき思想実現の日のために必要とされる実力を蓄えさえる。
マイッツァーの理想を知る長男ハウゼリーはその実現のため政界に進出。
更に長女ナディアの入り婿、カロッゾは自分の科学者としての能力をその理想実現のために役立てようと献身した。
三代に渡る創業の時代を経て、ロナ家はついにその理想を誰はばかることなく語り、
実践するだけの実力を備えるに至ったのである。
そしてついにクロスボーン・バンガードはフロンティア?を襲撃するのである。
ここから映画版、『機動戦士ガンダムF91』は始まるのです。
クロスボーン・バンガードとは、
宇宙世紀0081年、ブッホ・コンツェルンは職業訓練学校を設立する。
その真の目的は、ブッホの理想とする気高き精神を持つ者たちの育成にありました。
その中から特に優秀な者が集められ特種学校が設立され、
生徒達に軍隊並みの訓練を施すようになる。
この生徒達を中心に、周辺企業から選抜されたメンバーによって秘密裏にひとつの政治結社が結成。
それが後のクロスボーン・バンガードである。
クロスボーン・バンガードはブッホ・コンツェルンの暴力装置であり、
同時にその理想実現のために選ばれた 前 衛 にすぎない。
彼らの目的はフロンティアサイドの制圧、すなわちコスモ・バビロニアの建国のみであるとマイッツァー・ロナは考えていた。
なぜなら、この地でコスモ貴族主義を実践して見せさえすれば、宇宙の大半は地球連政府に替わる人のありようとしてそれを受け入れるとシミュレートされていたからである。
この予測に従って、マイッツァーはコスモ・バビロニア建国を以って、
クロスボーン・バンガードを消滅、以後、旧来の軍組織の概念に縛られない人心安定を図るコスモ・バビロニア軍として再編させるつもりであったという。
私は貴族主義のクロスボーン・バンガードが、ガンダムの中で一番好きな軍です。
間違ってほしくないのは、後のベラ・ロナが『クロスボーンガンダム』で率いるクロスボーン・バンガードとは全く大儀が違うということ!
さて、ガンダムF91とは、一体何を伝えたかったのか、
それは、未完の作品ですので、一人一人見る角度によっては変わってくるでしょう。
私としては、F91が伝えたかった事、
それを語るには、カロッゾとラフレシアプロジェクトについてから語らないといけません、
カロッゾ・ロナ、ロナ家に婿入りする以前は、ある種のバイオコンピューターの研究を専門としていました。
妻ナディアがセシリーをつれ、カロッゾの元を離れたのが原因で、よりロナ家の一員たらんと欲した彼は、
かねてより計画していた、ラフレシア・プロジェクトを自らの肉体で試すことを願い出る。
これは、バイオコンピューターの研究を応用して人の意思を強化するシステムであり、人の意識は拡大できるとの考えから世界最大の花の名を冠してこのプロジェクト名が付けられたのである。
それはかつての強化人間のような不自然なものと違うはずであった。
マイッツァーは、人は人によって粛清されるべきであり、その過程で人が人と触れ合う中においてこそ、その精神を高めていかねばならないと考えていた、
カロッゾは、マイッツァーを始めとするロナ家の思想とは隔たった計画、バグ計画をジレ・クリューガーを中心とした極秘プロジェクトチームを組み、
効率のみを重視した、無作為に人間だけを殺戮するマシーン、バグの開発をおこなう。
彼は、ロナ家の理想がまた非現実なものであることも事実であることを知っていたから。
そのため、鉄仮面はこれをこれこそがマイッツァーへの誠意だと信じる一方で、MAラフレシアの開発も行った。
自らをバイオコンピューターの中心的パーツとして組み込み、
それは同時にいかなる障害をも排除して目的を達成し得るだけの力を
得ることを意味している。
つまり、マイッツァーを始めクロスボーン・バンガードの異議を排除して目的、人類の粛清を果たそうという考えの発露であり、同時に目的と手段が完全に入れ替わってしまっている、
鉄仮面の視野の偏狭さ。
そしてその事実を証明して見せたのが、F91。
同じバイオコンピューター技術を基礎に置きながら、F91は見事に人の能力の拡大を実現します。
それは、人としての正しいありようがあってこそ、人は拡大した知覚をも自在に駆使できるという可能性を、シーブックが示す。
だが、ラフレシアは圧倒的な力を誇りつつも、人の知覚による制限の下に混乱をきたし、
最後には、自己正当化の果て、相手に向けた憎しみをその身に受けて消滅する。
それは、マシーンに頼らなければ生きていけない宇宙世紀の人としての、ひとつの対極のありかたであったといえます。
さて、さいごに、F91のここを見てほしというところ!
この時代のMS事情(UCガンダムは外します)、
第2次ネオジオン戦争戦役で登場したネオジオン製MS群は、第3世代MSの究極ともいえる形であり、
既存の技術でこれを上回る期待を作り出すことは非常に困難でした、
UC0100年代に入っても、新型MSのロールアウトがほとんど見られなかった、
平時でも多くのMSが開発されていた、1年戦争直後を考えるとこの状況は特殊だといえました。
この状況を打破するために、連邦軍内のシンクタンクであった、地球連邦軍海軍戦略研究所、通称『サナリィ』はMSの小型化規格を提唱!
ここはF91の見どころですね、
侵攻時の、連邦軍のジェガンとヘビーガンと比べてみてください!
そして小型化の背景には革新的技術の革命があったのです!
ひとつは、Iフィールドの成形技術です。
それまでは特定の領域を包み込む形でしか発生させることができなかったのです。
この技術により生まれたものが、
ビーム・シールドです。
当時映画館で見ていた私は、驚きとともに胸がワクワクしたのを覚えています。
だって、シールドが!あのシールドがビームで形成されているのですから!
しかし、平面に場を展開するビーム・シールドを実現するためには、より高度なIフィールド制御技術と、数倍のジェネレーター出力が必要です。
それが、もうひとつの改良型ミノフスキー・イヨネスコ核融合炉の誕生です!
最大の特徴は出力レベルの可変と、小型化が非常に容易であるということです。
この技術によって、ジェネレーター出力と装置の容積を、飛躍的に改善したため、
MSの小型化が可能となりました。
かくしてビームシールドの出現とともに、兵器としてのMSは絶頂期を迎えることになります。
F91で見るもうひとつの見どころポイント!
さて、絶対のビームシールドという防御力を得たMS。
ビーム兵器は相変わらず使用されましたが、戦闘は中・短距離からのビーム兵器の撃ち合いから、
至近距離での格闘戦が主流となっていっているのが見られます。
クロスボーン・バンガードが主力MSに装備した、ショット・ランサーなどは、
それを象徴しているのでしょうか!
後の、『クロスボーンガンダム』登場機が格闘戦主体に作られているのもこのせいでしょうか。
そして余談ですが、フォーミュラーシリーズには試験的に、ミノフスキードライブが導入されていたとも言われています。
F91にはごく短時間の間、スラスター出力を補う形で使用するのがやっとだったみたいです。
そしてこれらは、コロニーの自治権を認めてしまった腐敗した連邦軍とと共にザンスカール帝国・・・・・Vガンダムシリーズへと続く付箋となるのです。
『機動戦士ガンダムF91』とは、新たな時代と人物による新シリーズの立ち上げを目指して製作され、
未完成作品ながら確実に私たちガンダムファンに、ガンダム新時代の到来示してくれた作品なのです。
THIS IS ONLY THE BEGINNING