実務実習指導薬剤師(病院・薬局)

　認定実務実習指導薬剤師(病院・薬局)とは、平成22年から始まる６年制の薬学生を対象とした2.5ヶ月の実務実習指導を行うことができる薬剤師のことです。薬剤師としての実務臨床業務を日常的に行なうとともに職能の向上に努め、かつ、厚生労働省の予算補助事業である(財)日本薬剤師研修センター(以下JPECと略す)が実施する研修等を終了した実習指導に情熱を持つ薬剤師に対して与えられる専門資格です。


　平成２０年には規制緩和ということで、８月に第１回目の登録販売者(知事登録)試験が行われました。これによって薬剤師以外でも登録販売者であれば第２類、第３類医薬品販売が可能になりました。第１類医薬品はOTC医薬品全体の約５〜６％にすぎませんが、スイッチOTC医薬品として増えてくる予定です。医薬品は誰でも扱えるほど単純なものではありません。これからが高度専門職業人である薬剤師(第１類医薬品を販売できる)の手腕が試される時です。



　私たちは単に薬局実習指導者、病院実習指導者として薬学生を評価するだけでなく、現在の大学教育の現状と将来を把握し、薬学の門を叩いた新薬学生(６年制)、新人薬剤師に夢を与え、誇りと遣り甲斐を持ってもらえるよう努力しなければなりません。


　しかしそのための準備や対策がわからないのが現実ですよね。例えば、指導薬剤師勉強会の開催とその方針・内容についてや、個人レベルでどのような準備をすればよいのか等、困っている先生方は多いと思われます。


　当コミュニティはそうした指導者の悩みや、指導者を目指す情熱をもった薬剤師(病院勤務、薬局勤務)の先生たちの情報交流の場として活用していただきたく立ち上げました。ふるってご参加くださいませ。とくにタスクフォースの先生方、色々ご教授いただけたら幸いです。
専門的要素が高い場合、「承認制」にしようと考えております。


トピックは自由に作成してください。ただし、ワークショップの内容や情報は流さないでください。WSは何も知らされていない状態で行なうことではじめて意義がでる為です。WSは落とすための試験ではありませんので、安心して参加してください。



■認定実務実習指導薬剤師の認定要件■
・ 基本的素養(※)を有する者であることを確認のうえ、
・ 実務経験及び勤務状況等について所定の研修応募要件を満たし、
・ かつ、認定要件として、ワークショップ形式及び講習会形式の研修を受講し、レポート等を提出し受講証明書を得ることが定められている。


※「基本的素養」というのは、

・ 十分な実務経験を有し薬剤師としての本来の業務を日常的に行っていること
・ 薬剤師を志す学生に対する実習指導に情熱を持っていること
・ 常日頃から職能の向上に努めていること
・ 実習の成果について適正な評価ができる者であること

といったことが定められています。

■応募の要件■
・薬剤師実務経験が5年以上あること
・認定薬剤師(JPEC研修認定,日病薬認定、学会認定、大学認定等)、医療薬学系大学院修士・博士課程修了者など、実務経験を補う研鑽を積んでいる者においては実務経験３年以上であること
・病院・薬局における実務経験が現在までに継続して3年以上であること
・現に病院・薬局に勤務している者であること
・所属施設の要件等



■ワークショップ形式の研修■

原則として連続した2日間で開催され、実質的な講習時間の合計は、14時間以上であること。WS受講終了証が与えられる。また、受講者には認定薬剤師研修シール(６点)が与えられる。

■講習会形式の研修■
一部、実務経験等により免除されるものもあります。受講後レポート提出すると受講証明書(ア〜オ)が授与される。また、認定薬剤師研修点数の対象になる。(ア)〜(オ)の内容は以下の通りです。



ア 学生の指導方法について
・ 時間：２時間程度
・ 講師：大学教員等



イ 薬剤師に必要な理念について
・ 時間：２時間程度
・ 講師：十分な知識・経験を有する薬剤師等



ウ 実務実習モデル・コアカリキュラムについて
・ 時間：４時間程度
・ 講師：実務実習モデル・コアカリキュラム作成に携わった大学教員、薬剤師等



エ 最新の業務について（薬局、病院それぞれについて）
・ 時間：各４時間程度
・ 講師：実務薬剤師



オ 薬学生に許される行為の範囲について
・ 時間：１時間程度
・ 講師：薬事関係法規大学教員、行政関係者等


講座ア・エについては、それぞれ下記の条件に当てはまる方は免除しても差し支えないとされております。


講座ア免除要件

・認定申請を行う時点から過去５年以内に、病院または薬局で学生指導に携わった経験を有する場合にあっては、病院または薬局において多様な個性を持つ学生の指導方法を習得しているものとして、受講は免除されることで差し支えない。


講座エ免除要件

・研修応募時点のみならず、認定申請を行う時点に至るまでの間、継続して薬局または病院で薬剤師業務に携わっている場合にあっては、現に最新の業務に関する知識を有しているものとして、受講は免除されることで差し支えない。




病院における長期実務実習に対する基本的な考え方　
　　　　　　　　　　　　（社）日本病院薬剤師会


基本的考え方
病院における長期実務実習において、実習生の受け入れは薬学教育協議会地区調整機構を介した受入を原則とする。長期実務実習は医療現場における薬剤師の役割を体得するとともに、臨床に係る実践的能力を培うために必須のものであるので、実習内容の均質化と参加型の質の高い実習を行うことが基本となる。各病院における実務実習は実務実習モデル・コアカリキュラムに対応した実習を行うことに加えて、それぞれの病院における特徴を活かした実習を組み入れることも必要である。また病院には特定機能病院、一般病院、精神科病院、療養型病院など様々な機能の病院があり、薬学生が様々な病院での実習を経験できるよう「グループ実習」を推奨する。
また、病院実習の地域偏在を少なくするため、実習生が自分の故郷に帰郷して実習を行う「ふるさと実習」を推進する。
なお、医療が高度・複雑化していくなかで個々の患者に対する様々な職種によるチーム医療のみでなく、栄養サポート、感染制御、緩和ケア、褥瘡対策など病院全体に係るチーム医療における薬剤師の役割を体験させることも、今後推進していくこととする。


【受入施設の要件】
ａ）原則として、病床数が１００床以上であること。
ｂ）薬剤管理指導業務を実施していること。
ｃ）日本薬剤師研修センターが認定する認定実務実習指導薬剤師が１名以上配置されていること。
ｄ）原則として、認定実務実習指導薬剤師の指導を補完するに相応しい薬剤師（日本病院薬剤師会認定指導薬剤師）が配置されていること。
ｅ）日本病院薬剤師会賠償責任保険（病院契約）又はこれと同等の賠償責任保険に加入していること。




６年制薬局実習の受入薬局に対する薬学教育協議会の基本的な考え方

【薬局実習について】
薬局実習は、ひとつの薬局で完結することを原則とする。


【受入薬局について】
受入薬局は、実務実習モデル・コアカリキュラムで求められるすべてのユニット（ユニットは参考１に記載）について実習可能な環境を準備できる薬局とする。受入薬局に複数の薬剤師が勤務する場合であっても、受入れた学生の薬局実習については当該薬局の認定実務実習指導薬剤師が責任をもって行う。受入薬局の要件は下記に示すとおりとする。
（受入薬局の要件）
ア 保険薬局の指定を受けている薬局であること
イ 一般用医薬品、医療機器を含む医療関連用品の販売を行っていること
ウ 在宅患者訪問薬剤管理指導届出薬局であること
エ 麻薬小売業免許を有すること
オ 薬剤師賠償責任保険に加入していること
カ 認定実務実習指導薬剤師が勤務していること


【受入れる学生について】
受入れる学生については、下記のことが事前に確認されていること。
ア 参加型実務実習を行うために必要な知識・技能・態度が修得されていること
・実務実習事前学習をはじめとする事前学習が十分に行われていること
・それらの教育プログラムが第三者評価等により確認されていること
・薬学共用試験を通じて個々の学生の「知識・技能・態度」の評価が行われていること
イ 健康診断等を受診していること
・健康診断を受診していること
・必要な疫学的検査を実施していること
・必要な予防接種を受けていること
ウ 傷害保険と損害賠償保険に加入していること



【受入学生数について】
１回に受入れる学生数は、認定実務実習指導薬剤師の数に関わらず、１薬局２名までとする。



【受入薬局のみで到達目標の全てを実習することができない場合の対応】
受入薬局のみで、モデル・コアカリキュラムで求められる到達目標の全てを実習することができない場合等においては、一部の実習に限り同一または近隣地域の他の薬局に実務実習を委託することができる。受入薬局と委託する薬局の連携体制整備は、地域主導の下に行い、実習は委託する薬局の協力を得て、受入薬局の認定実務実習指導薬剤師の責任で行うこととする。
委託できる到達目標は概ね下記のとおりとする。
・薬局製剤に関するもの
・漢方製剤に関するもの
・在宅医療に関するもの


【学生の評価について】
薬局実習の総括的評価は、受入薬局の認定実務実習指導薬剤師が大学教員と共に行う。
なお他の薬局に委託した場合の評価に当たっては、委託先の薬剤師の意見も評価の参考とする。





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薬剤師とは『ウィキペディア（Wikipedia）』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%89%A4%E5%B8%AB


　（財）日本薬剤師研修センター
http://www.jpec.or.jp/contents/c23/index.html