コメントやメッセージや勧誘でもなく、「足あと」だけで交わし合う言語もあるのではないでしょうか?(時には面倒臭かったり、どうでもよかったりするのでしょうけれど)。きっとそこで交わす言葉は、頁の行間や余白が齎す余韻のよなものでしょう。
『それらの言葉が需要だということには必ずしもならない。僕はこれまで長いあいだ、何かに別れを告げようと苦闘してきた。この苦闘こそが何にもまして重要なのだ。物語は言葉の中にはない。苦闘の中にあるのだ』ポール・オースター
補記)
ちっさな庭先に残る足跡から
立ち昇るアナタの肖像
ちっさな庭先に残す足跡から
立ち消えるワタシの心境
アナタの足跡
ワタシの足跡
その間に横たわる遠い空は
傍らにそっと海を抱いて
交わす言葉もないままに
ふたり繋いで、ふたり隔てて
触れ合う指もないままに
ふたり隔てて、ふたり繋いで