『異常だが精神病ではない』人、即ちサイコパスです。
緻密に言えば病気ではないので別名ソシオパスとも言われます。
現在は「反社会性人格障害(APD)」という名称に変更・統一されている。「異常だが病気ではない」ということは、刑罰を課する際には、サイコパスであるかどうかによって量刑が影響を受けることはない。
(アメリカでは連邦最高裁の判例で精神障害者は死刑にできない)
精神分裂病などの精神障害者は健常者より犯罪率が低いが、サイコパスは重大犯罪を犯す確率が極めて高い。
凶悪犯の50%を占め、しかも再犯率が通常人の3倍。
サイコパスは中年を過ぎると数が劇的に減少、軽減する。
サイコパスの幼少期の特徴としては、慢性的嘘つき、人をだます、窃盗癖、火遊び、不登校、破壊行為、集団の秩序を乱す、家出、弱い者いじめ、性的早熟、などが見られる。こうした行動はどんな子供にも当てはまるが、サイコパスの場合、程度が深刻で長期間続く。
「良心を全く感じない」というのは脳の前頭葉に何らかの障害があると考えるべきで、可能性が高いのはホルモンの異常です。
先天的・後天的なホルモン異常に、幼少期の虐待やトラウマが重なり、さらに生育環境が劣悪である場合にサイコパスが生まれ易くなる可能性が高い。
治療法は現在のところ存在しない。
電気ショック、薬物投与、グループセラピーなどほとんど全てに効果がないことが証明されている。
そして、そもそも問題なのは、サイコパスが「病気」ではない。
サイコパスは、「異常だが病気ではない」。
患者本人な治療の必要を感じておらず、サイコパスのまま実業家・政治家・音楽家として成功している人間は数知れない。
つまり、「異常」とは何かという哲学的・形而上学的な問題にまで話が及んでしまう。
攻撃的で厚顔無恥な人格は時に好ましい。
できることといえば、危険な暴力犯罪を犯したサイコパスに薬物、例えば合成ステロイドの一種MPA(メドキシプロゲステロン・アセテート)を飲ませて暴力的衝動を抑える事くらい。
MPAを飲むと、勃起・オーガズム・攻撃衝動が抑制される。
心理療法の基本的立場は、心理的に痛みを伴う問題(例:不安・憂鬱・自己イメージの低さ・内気・強迫観念・強迫行動など)について、患者が助けを必要とし、かつ助けを希望していることが大前提になっている。
患者は問題を認識し、解決策を考えなければならないが、サイコパスは自らに問題があるとは考えず自分を改めようとはしません。
サイコパスは、精神分裂病の患者などと違って、自らの行動を理性的に把握している点で心神喪失による刑の減免は原則として認めるべきではないし、実際にそのように法は運用されています。
妄想や幻覚を見ているわけでもなく、主観的な悩みを抱えているわけではない。
自分の行動を理性的に把握しており、行動は選択の結果である。
80-90%のサイコパスは言語能力を司る認知機能に障害があり、通常左脳で行われるはずの言語処理が右脳で行われていることがある。
側頭葉に損傷があって自分の行動を他人の行動のように感じ、語ることが出来ます。
MMPI(ミネソタ多面人格目録:Minnesota Multiphasic Personality Inventory)は、ミネソタ大学のハサウェイ(Dr.S.R.Hathway)らによってミネソタ州民を母集団として開発、「個人の人格特徴を多種多様の角度から把握できる」ことになっている。
MMPIは、さまざまな検討を経て精選された質問項目に対して、「あてはまる」「あてはまらない」「どちらでもない(わからない)」の三択で答える。同様のテストにCMI(Cornell medical index - Health Questionnaire)などがある。
MMPIで診断できるとされているのは、一般的健康状態から、生活習慣ストレス、家族ストレス、性的ストレスの度合い、宗教に至るまで、さまざまな精神障害の種別と程度とされている。
また対象者の人格的・社会的不適応状態の種別と程度も評価できるという。具体的には、身体面に関しては、脳神経系、心臓血管系、消化器系、呼吸器系、生殖器系、泌尿器系の障害を詳しく検査できるという。
また、精神面に関しては、生活習慣、家族、職業、教育、性、宗教、政治、社会などの各種ストレスに対しての障害の程度、さらに、うつ状態、強迫状態、恐怖症、精神病発症の程度、サディズム・マゾヒズム傾向、女性の男性化傾向・男性の女性化傾向(レスビアン・ホモセクシュアル傾向)の程度まで評価できる。
これらのMultiphasic(多面的)な人格特性から、「詳しく未来の発病を予測できる」ことになっている。
特徴としまして。
饒舌で一見魅力的。
過大な自尊心、自己中心的。
異常なほど嘘をつく。
後悔/罪悪感が全くない。
冷淡で共感がない。
行動の責任を取れない。
反社会性人格障害の判断基準 (DSM-IV)
他人の権利を無視・侵害する広範な様式で、基本的に15歳以上に起こる。
以下の3つ以上で示される。
●法にかなった行動が出来ない。逮捕の原因になる行動を繰り返し行う。
●人をだます。自分の利益・快楽のためにうそを付き、偽名を使う。
●衝動的な行動が目立つ、もしくは将来の計画を立てられない。
●些細なことで怒り、攻撃性を見せる。ケンカ・暴力を繰り返す。
●自分・他人の安全を考えない向こう見ずさ、無謀さを示す。
●一貫した無責任さ。仕事を続けられず、経済的な義務を果たさない。
●良心の呵責が欠如。他人を傷つける。いじめる。他人の物を盗むことを正当化する。
更に以下の条件が加わります。
●対象者は少なくとも18歳という、社会的就業可能年齢に達している。
●15歳以前に、発症の行為障害の証拠(症例)がある。
●反社会的な行動を起こすのは、精神分裂症や躁病のエピソードの経過中のみではない。
以上です。
困ったときには