■出水兵児修養の掟■---------------------------------------
士 (し) は節義 (せつぎ) を嗜 (たしな) み申すべく候 (そうろう)
節義の嗜みと申すものは口に偽 (いつわ) りを言はず、
身に私 (わたくし) を構えず、
心直 (こころすなお) にして作法乱れず、
礼儀正しくして、 上 (かみ) に諂 (へつら) わず、
下 (しも) を侮 (あなど) らず、
人の患難 (かんなん) を見捨てず、
己 (おのれ) が約諾 (やくだく) を違 (たが) えず、
甲斐 (かい) がいしく、 頼母 (たのも) しく、
苟 (かりそめ) にも 下様 (しもさま) の
賎 (いや) しき物語 (ものがたり)、
悪口など話の端 (はし) にも出さず、
譬 (たと) え、恥を知りて首刎 (くびはね) らるるとも、
己がなすまじき事をせず、死すべき場を一足 (ひとあし) も引かず、
其心 (そのこころ) 鉄石 (てっせき)の如 (ごと) く、
又 (また) 温和慈愛 (おんわじあい) にして、
物の哀 (あわ) れを知り、 人に情けあるを以 (も) って、
節義の嗜みと申すものなり。
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困ったときには