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種の保存から少子化問題を考える

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詳細 2018年1月5日 18:50更新

少子化問題を種の保存の観点から検証していきます。

かなり刺激の強い内容になっています。
新しい意見を受け入れる勇気のない人はこの先は読まないでください。



人間も広い定義で言えば動物です。
動物は本来、種を保存するために、交尾をして子孫を残すように遺伝子にプログラムされています。

なのになぜ、日本をはじめとした先進国で少子化問題が起こっているのかを考え、これからどうすれば少子化を防げるのかを検討していきます。

現在と2050年の年齢構成の比較
http://www.ipss.go.jp/syoushika/seisaku/html/111a2.htm



まず、一般の動物の交尾と人間のセックスで大きく違うのは避妊具と中絶があることです。

つまり、このような子どもを作る機会をうばう手段がなければ
実際にはもっと子どもが生まれているのです。


避妊具と中絶がなぜあるかは、ご存知かと思いますが念のため確認です。
例えば10代の学生のうちに、子どもをセックスの快楽だけで作ってしまうと、さまざまな理由から子どもを育てられません。(一部には育てている人もいますが)
また、不倫などの関係で子どもができてしまうと、いろいろとややこしい問題が発生します。
つまり望まれない子どもが生まれてこないように避妊と中絶は行われています。
少子化が進んでいる国では、このような認識が周知されています。

また、少子化の進んでいる先進国では子どもを大学まで(少なくとも高校まで)は行かせてあげようという傾向が顕著にあります。傾向というよりは、行かせなければ、将来苦労する(とくに経済的に)という事情があり、大学にいかせるまでのかかる経済的なコストを、子どもを生む親は負担しなければなりません。『遺伝する格差』という本がでるくらい、子孫の繁栄には経済的なコストが関わってくるのです。

子どもをつくれる状態にある若いカップルに充分なお金があれば、子どもは高い確率で作られます。国がそれを充分に補助するシステムがあるかないかが少子化対策の大きな問題です。



別の経済的コストの問題として年金と健康保険があります。
これは少子化に対してふたつの点で大きな負担になっています。

■ひとつ目の経済負担
少子化の進んでいる先進国(以下先進国といいます)では、生まれてきた子どもが先天的な病気であれ、病弱であれ、病院で治療を受けさせ育てなければならないというモラルがあります。すべての臓器を移植しなければ生きられない先天性の病気でさえ治療して育てようとする親さえいます。当然ここに、多額の医療費がかかってきます。育てる親のみならず、社会全体の保険料として経済的負担になっています。

一般的な動物の世界であれば、たくさんの子どもを生み、体の強い個体だけを残し、あとは残念ながら育てないというケースが多いです。そのほうが動物社会全体の損失が少ないからです。

子どもを生む行為自体にはコストはそれほどかかりません。
しかし生まれてくる子どもには、優位な個体とそうでない個体があります。

今だに人口爆発しているアフリカでは、まだこの動物的な繁殖に近い状態が続いていると考えられます。アフリカでたくさんの子どもが何秒にひとりなくなっていますというような広告をたまにみますが、それは優位な固体が選択されている状態だと考えられます。

つまり健全な人口構成を作るには、たくさんの子どもを生み、優位な個体のみを育て、多額の医療費のかかる個体は選別されるような仕組みが必要です。
優位でない子どもを見殺しにするのはかわいそうか?

たしかにかわいそうかもしれません。
しかし、その後何十年とその子どもは、さまざまな場面で苦労するでしょう。
生まれてきたことを恨んで親殺しをするかもしれません。
(日本では最近親殺し子殺しが頻繁に行われニュースになっていますね)


■ふたつ目の経済負担
老人医療費の問題。一般の動物の世界にはいわゆる医者はいません。
当然、動物は年老いていけば、体がよわり病気にかかりやすくなり、やがては死んでいきます。寝たきりや、自分ひとりでは生活できないようになっても、まわりが介護して生き延びてもらおうという環境のある動物社会はありません。
つまりは、ここで自然社会での調整が働いているわけです。
働きざかりの年齢層は、介護などせずに、子育てにエネルギーを注ぐことができるのです。
人間界はというと、介護にエネルギーや経済的コストをつかうことで、新しい命を育むために使われるエネルギーや経済的コストを阻害されているというのが現状です。
『お年寄りを大切にしましょう』なんだか小学校で頭に刷り込まれたフレーズが頭をよぎります。


まとめ
少子化問題を解決するには、自然の摂理を無視した歪んだ社会モラルからの決別です。
介護はしない、その代わりに足腰のしっかりとしている元気なうちに、好きなことをたくさんやって悔いのない人生を送ってもらう。
介護が必要となるような体になったらこの先は私には書けませんが、ここまで読んでくれたみなさんにはどうすべきかはもうおわかりでしょう。

しかしなぜ、それができないか。
子どもは16歳になれば充分に働くだけの身体能力があるし働くことができます。
なのに選挙権はありません。
いっぽう、ひとりでは歩けないような寝たきりのお年寄りには選挙権があります。

政治家はお年寄りを敵にまわせないのです。
50や60歳のまだ現役で働ける世代に対しても、明日は我が身となってやってくる老後を考えると、歪んだ社会モラルをぶちこわす勇気はありません。

これから、どんどんと人口構成はお年寄りの側に傾いていきます。この流れをとめる手段はお年寄りが将来のある子孫のことを考えて、この社会モラルの改革に賛成するしかないのです。

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開設日
2008年9月15日

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カテゴリ
学問、研究
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