世界最悪の「格差社会」、ラテンアメリカで今、新たな挑戦が始まっています。
「平等な社会」を目指そうとする左派政権が、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ベネズエラ、ボリビアで相次いで誕生しています。これらの国々は、経済再建のため、早くからアメリカ主導の、「規制緩和」「民営化」「外資の導入」といった新自由主義経済を受け入れてきました。しかし、それは逆に「格差」の拡大を生み出し、人々は不満を募らせていきました。
ブラジルを始め、左派政権の国々が去年団結して反対したのが、アメリカが進めてきたFTAA(米州自由貿易圏)の構想でした。FTAA構想は、関税を撤廃し、多国籍企業により大きな自由を与えることで経済を活性化させようとするものです。これに対し、左派政権の国々は、新たな市場を中国、インドなどに求めようとする、いわば「脱アメリカ」に動き始めたのです。
急速な反米の動きの底流にはラテンアメリカの多くの国に共通の暗い記憶があります。冷戦下アメリカは、この地域に誕生した社会主義政権にたびたび介入してきました。多くの国々においてアメリカにより軍事政権を誕生せしめ、思想弾圧や虐殺などの暴挙が繰り返されてきました。現代の潮流の根底には過去の記憶が横たわっているのです。
一方、アメリカは、海兵隊を、南米の心臓部といわれるパラグアイに駐留させました。9.11以後、アメリカは、ブラジル、アルゼンチンとの国境地帯を「イスラムテロリストの温床」と規定し、監視を強めると表明しました。ブラジル、アルゼンチン政府は不快感を露わにしています。
これらの左派政権の中には反米を掲げる国々やアメリカとの一定の距離を保つ国々など様々です。
また、左派政権といっても社会主義を明確に打ち出す国々から社会民主主義を掲げる国々など特色は様々です。
日本のマスメディアがこれらの国々を取り上げるのは皆無です。圧倒的に情報量が不足しているのが現実です。
このコミュニティは数少ない情報を参加者と共有できる場としていきたいと考えています。
【左派政権誕生の軌跡】
2003年にアルゼンチンでキルチネル氏が大統領に当選。
2004年にはウルグアイでバスケス氏が大統領に当選。
2005年にはボリビアでモラレス大統領政権が誕生。
2006年1月にはチリでバチュレ氏が大統領誕生。
2月にはコスタリカでアリエス氏が大統領誕生。
10月にはブラジルでルーラ大統領が再選。
11月にはニカラグアでサンディニスタ民族解放戦線のオルテガ元大統領が16年ぶりに大統領に返り咲き。
エクアドルではコレア元経済相が大統領に当選。
12月にはベネズエラのチャベス大統領が三選を果たす。
これらの政治潮流は、左派政権から中道左派政権までを含む幅広い潮流です。ただ、「脱アメリカ」という点では共通しています。そして、これらの政治潮流の底流的位置にキューバが存在しているとみて間違いないでしょう。
ともあれ、かつてこの地域を席巻していたのは、親米的な軍事政権でした。そのことを考えると、まさに隔世の感があります。地殻変動の到来と言ってよいでしょう。
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