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選挙権ないのに…福井県小浜市がオバマ支持のナゼ
米大統領候補者争い大注目
デラウェア州ウィルミントンで3日、支持者の声援に応えるオバマ氏。小浜市民も当選を祈っている(ロイター、クリックで拡大)
黒人初の米国大統領を目指すバラク・オバマ上院議員(46)の民主党候補者指名争いでの戦いぶりを、福井県小浜市の人々が注目している。名前の発音が同じで、オバマ氏が来日した際に「小浜市から来ました〜」とギャグを飛ばしたという都市伝説めいた噂も広まり、市民の間で“支持率”が急上昇中なのだ。単なるダジャレではなく、「オバマ大統領」が実現すれば「宣伝効果は計り知れない」(大手広告代理店関係者)だけに期待が高まっている。
「ワシントンにあるオバマ議員の事務所に手紙を送りました」と話すのは、小浜市観光課国際交流室の江見敏室長。きっかけは市民の男性からのメールだった。
メールが届いたのは2006年末ごろ。江見室長によると、「オバマさんが来日した際、空港でパスポートの名前を示して『私は日本の小浜市から来ました』とジョークを飛ばしたという空港職員の話をテレビで見た。地元の宣伝をしてくれたお礼をするべきでは」との内容だったという。
放送は確認できなかったが、同市ではさっそくお礼の手紙と市のパンフレット、市名産の塗り箸2膳(数千円相当)をオバマ氏あてに送った。市長室によると、「一時は市役所内でもこの話題で盛り上がり、イベントでもやろうという意見も出た」という。オバマ氏からの返事はないが「同じ名前だけに予備選の報道が増えるにつれて地元での関心は確実に高まっている。市民の方から『オバマさんにがんばってほしい』と電話をもらうこともあります」(江見室長)という。
市にメールを送ったという十一面観音菩薩立像で有名な羽賀寺(同市羽賀)の玉川正隆住職に聞いてみると、事情は少し違っていたようだ。
「オバマさんが日本のテレビの取材に応じ、過去に来日したとき空港の税関職員から『私は福井県の小浜という市の出身です』と声をかけられ、そのこともあって日本に親しみを感じる、と話していたんです。いくらなんでもオバマ氏がそんなことを言うわけがない」と苦笑する。
残念ながらオバマ氏の“ダジャレ好き伝説”はガセネタだったが、「オバマさんは演説がうまいですね。最近は周囲で話題になることも多く、小浜市民としてはやはり彼に当選してほしい」と応援しているという。
現在放送中のNHKの朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」の舞台に選ばれ、全国的な知名度を得た小浜市。米大統領ともなれば「OBAMA」の名が連日、世界中のテレビで紹介されるだけに広告代理店関係者は「その状態が短くて4年、長ければ8年間続く。広告費に換算すると数千億か数兆円か…見当もつかない」とため息をつく。
オバマ氏は候補者指名争いでヒラリー・クリントン上院議員とほぼ互角の争いを展開。2月5日の「スーパーチューズデー」でオバマ氏が抜け出せば、小浜市のオバマフィーバーにも拍車がかかりそうだ。
ZAKZAK 2008/02/04
困ったときには