【序文】
子曰く、述べて作らず、信じて古えを好む。
私達が知りえる何事も、それがある一つの角度から見たただの事実であっても、それのみが真実であると言うことは決してありえない。ある人から見たある事実に対する記述は、当人がどうあがこうとも、真実に対する一つの可能性を示唆しているに過ぎず、そしてその真実に対する姿勢は、その人の個性を証明するものであっても、決してそれ以上には出ないはずである。
私達の抱く認識は、たとえ聖人のような人間であれ、事の全てを把握できない以上、それはいつも偏見と言わざるを得ない。もしそこに何がしかの英知を満たすものがあるとするならば、「私達はいつも正しく、そしていつも間違っているハズだ」という認識であろう。
私達に知りえない何かが、常に存在している。
この認識により初めて、私達は謙虚にもなれ、それによって、自分にない異質の価値観を許容し、その価値観の一つ一つが照らす中心に私達は何モノかを感じ、その一点の恒常的な曖昧さにより、私達は飽くことの無い思索の迷路へ導かれるのである。
この世にもし「永遠」という存在が許されるのであれば、まさしくこの一点のみであろう。
そしてこの一点を生み出す状況に、意識的にであれ、無意識にであれ、私達日本人は至上を見出し、もちろん完璧ではないにせよ、多くの対立する価値観が平気で並存する事の許される社会を形成してきたのである。
おそらく、私達日本人が理想とする環境のその形は、しばしばこのような形であろう。
そしてもし、この環境を持続させるものがあるならば、この謙虚さから生ずる永遠の思索と、その思索から生ずる自己把握と、その自己把握から生ずる他人への寛容と、その寛容から生ずるある種の満足感と、その満足感から生まれる余裕と、その余裕から生まれる創造性であろう。
そしてその創造性はいつも「感動」という衝動によって導かれる。そしてこの「感動」はいつも、ある種の美的感覚に根差している。そしてこの美的感覚は、何も奇跡や偶然の如く突発的に私達にもたらされるものではなく、それらはいつも、過去の先人達が踏破した、ある道筋の延長線上にしか存在し得ないのである。
この世に奇跡など存在せず、この世に偶然など存在しない。
もしこの存在を感得することがあるならば、それはただ私達自身の無知を表明しているに過ぎず、それは未だ「私達の知りえない何かがそこに存在している」という証明以上に出ないのである。
私達が感動というある種の恍惚を欲し、そこに至る道筋が作り出す状況を永続的に望むのならば、私達がまずすべき事は、過去の先人達が踏破したその道筋を知覚し、私達に訪れる数多の衝動の構造を解明することである。それによって、彼らが成し得なかった未完の可能性を模索し、その可能性を現在の私達の生活に関連付け、その理想と呼ばれる可能性を実体験し、それらの反復によって、一歩一歩着実に、未来を紡ぎだすことである。
だから私達は、あくまで私達自身の為に、日本の歴史を再把握しようと思い立ったわけである。そして思い立っておきながら、それができる確信は甚だ持ち合わせていないのである。
しかし、出来る範囲で出来るようにやってみよう。
どの文章であれ、一度書いておきながら、いつ何時も、予告もなしに改編するはずである。それらはいつも、その時点での、私達のつたない知識の範囲での判断でしかないからである。
つまり、それらは全て-おそらく永遠に-、私達の偏見に他ならないからである。
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何かと諸外国の人々と触れ合う機会の多い昨今、日本人なのに日本の事を知らなくて、恥ずかしく思うこともしばしば、、、ということで、私塾 靈明閣(れいめいかく)と称して、月に一度、勉強会を開きます。
追々、文学等も絡めて行きたいとこですが、まずは輪読による日本史の勉強です。
かなり地味ぃ〜になると思いますが、色々な人が集まることで、いい方向に話が脱線することを望んでいます。
【目的】
・知性によって、感性を高める。
・感性によって、知性を高める。
【日時】
・原則、毎月第二日曜日
【内容】
・文化芸術を交えた中学レベルの日本史〜世界史
【対象】
・20代〜30代の都内在住の方
・勉強したい方
・原則、勉強会に参加する方
【注意】
このような方はご遠慮ください。
・極度に排他的な考え方の方
・特定の思想を植え付けようとする方
・過度に議論好きな方
・協調性の無い方
まぁ我輩自身(五月雨)が、一番協調性が無いわけですが(笑
参加に関して制限しているのは、顔の見えない会にはしたくないだけであり、今ある良さを熟成していきたいがためであり、この良さに必要性を感じているからであり、要するに我輩の力不足であり、不徳のいたす所だろうと思います。
我輩の人としての未熟さ故、あまり大きくするつもりは無いので、積極的に募集はいたしておりませんが、興味のある方はご一報ください。
サブカルチャーを含む、文化芸術を交えて、世間一般的にどうでもいい事にもマジメに取り組む楽しい会でありたいと思います。
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■蓄積資料の書式
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困ったときには