豊かさの神髄を謳い続け
流れてきた時間を静かに纏う
若き文士たちが集ったサロン
フランソア喫茶室。
ヨーロッパのカフェ文化に傾倒した初代が昭和9年に創業。
聖堂を思わせるドーム型天井やステンドグラス、ロートレックの原画など重厚な空間に流れるのは、当時高価だった輸入盤レコードとオーディオ機器が奏でるクラッシックの音色。
その日の音楽がボードに書き込まれ、客はまるでコンサートを聴きに行く気持ちで訪れたという。
太宰治や藤田嗣次といった文化人の姿もあり、芸術や文学、反戦など際限ない談義に明け暮れていた。
そして現在、何一つ変わらないその空間は、喫茶店としては全国初の国の有形文化財に指定。
苦いコーヒーが苦手で紅茶ばかり飲んでいた宇野重吉のために考案されたマイルドなコーヒーが、ここに佇む人々の心に変わらぬ安らぎを与える。
フランソア喫茶室
京都 四条小橋西詰南入ル
tel 3514042