- 詳細 2025年2月8日 22:26更新
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La Cicatrice Interieure / 内なる傷痕
「ニコと僕が演出し、
彼女が言葉を紡いだ、
二人がこの映画の作者だ」
−フィリップ・ガレル
たとえ、NICOとガレルの二人にしか分からない、二人の為の愛の日記だとしても、狂おしくなるまでの想いがそこに在り、それを垣間見た者たちの心が慟哭するのなら…
Nicoは叫ぶ。世界のこと、愛について、そして人生について。
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監督： Philippe （フィリップ・ガレル）
出演： Nico（ニコ）/ Philippe Garrel（フィリップ・ガレル） / Pierre Clémenti（ピエール・クレマンティ） 他
音楽： Nico（ニコ）
1970年 57分
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【YOUTUBE】
http://jp.yout ube.com /watch? v=jDDWz tgs06M
【goo映画】
http://movie.g oo.ne.j p/movie s/PMVWK PD30802 /index. html
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【注意】
大まかな筋。でもあらすじ云々という映画ではないので、ひたすら観て体感して下さい。単なる自分の覚え書きです。
泣き叫び嗚咽を叫び散らす女（Nico）
”お願い、助けて！”
やりきれない男（Philippe Garrel）は女の手を振りほどき、彼女の周りを廻る。
左右上下の感覚すら奪われる白い荒野。
”精神異常の清掃人 幼児に脅かされ 空の揺りかごを意志のように硬くし 帰る場所へ連れて行く
厳格な清掃人 私の虚栄心を証明する 記憶を豊かにする これぞ悪魔の所業
自分の嫉妬を許容する 絶望の果てに受け入れる嫉妬を
精神異常の清掃人 自分の運命を認識する
生命を与える夢を甦らせる 懇願する絶叫を許す
彼らの家系の順応性を見よ これこそ悲嘆に暮れさせる苦痛”
私たちは何処へ行くのだろう？
この白く果ての見えぬ荒野の中を、
はじまりもない、おわりもない。
やりきれない想いが宙に浮かぶ。
NICOとGarrel。
砂漠、火の輪。
「怖くはないよ」、子供は言う。彼女を導く。
憐れみも正義も無い！ 彼女は現れる、あなたの至る所に！！
”善良さに消耗した神は、両腕で身の内に影を作る
あなたの体は動かない
窮屈な夢の中であなたは飛翔を忘れる！”
岩肌の荒野、羊飼いの男が羊を引き連れ現れる。
”連れて行かれる者を私は認めぬ 聖なる者が平安を約束し連行される者を 聖なる者の戦いを自覚する あなたのその口は報いを受ける....”
羊飼いは一匹の仔羊を女に差し出す。
他の荒野にて。雲散霧消の羊たち。
追いかける羊飼い。
海。
暗く、鉛色の海。
裸の狩人（Pierre Clémenti）と、白い馬。
海。
「シエナ、シエナ！」狩人。
海が潮を吹く。
狩人は白と茶のまだら馬に跨り、荒野を走る。
滝の淵に立つ女。
近づく狩人。
「ここに来てはダメなの！ 死ぬまでここに来ては！」
活火山。
炎立つ岩を運ぶ狩人。
氷河。
氷の上で羽に包まれた幼子。
苦悶しているのか、笑っているのか、困惑しているのか。それは一体、何に対して？
小船に乗った狩人が、幼子に近づき申す。
「兄弟たちよ、敬意を表す。
私は地球という遠い星から来た。
ささやかな贈り物がある。
愛と平和を実現するために、殺戮の血にまみれぬように。
あいさつを贈る。自然児よ。
ここに置いていく。
永遠なる武器を！」
狩人は、炎立つ岩を幼児に差し出す。
褐色の荒野。
たたずむ女。そこへ走る狩人。
向き合う二人。
「彼が私に意識を与えた。叫びを与えた。
光の中で見るものを私の目が必ず裏切るから！」
彼女は裸の狩人の体を撫でる。
「ここに留まって。
名前を与えるから。私が思い出せる名前を!」
黒い馬に跨る狩人。
湖畔で再び女と会い、歩き出す。
湖には小舟が。
狩人は独りでそれに乗り去る。
岩場を独り、女が歩く。
手にしているのは狩人が持っていた炎の消えた溶岩だろうか。
「誰も本当に尋ねない。答えが何であるかを。私はかつてそう言った。だが秘密をそれを恐れる。
この魔法に魔力がかけられ、力が失われていった。
出口がある場所へと、私があなたたちを導こう。」
”王よ、自らを導きつづけよ 私にあなたのお供をさせて下さい この広い浜辺を離れて私の手をつかんでください この手であなたに全てのものを与えます
跳躍、そして死”
狩人は剣を女に渡し、暗い穴へ潜り消えていく。
剣を中空に掲げる女。
