「Hip Hop Is Dead」...。かつてQ-Tipも口にした言葉。De La Soulは自分自身が死んだというタイトルのアルバムをリリースしたこともあった。こんな縁起でもないタイトルをつけた真意は...。Nasはインタビューなどですでに答えているが、本作のタイトルに込めた意味は、今のシーンを巡る金やそれに群がる業界、そして諍いといった様々な問題を打破しなければ、本当に「Hip Hop」は死へ向かうと警鐘を鳴らしているというのだ。
通算8枚目となる本作はかつてのビーフの相手Jay Zのフル・サポートによりDef JamとColumbiaとの共同リリースとなった。ファースト・シングルの"Hip Hop Is Dead"のプロデュースはBlack Eyed PeasのWill I Am。アルバムにはKanye WestやScott Storch、StarGate、Dr Dreといったヒットメイカーらの名前がSalaam RemiやLesの間に並ぶ。自分こそ「Hip Hop Is Dead」な状態じゃないかという突っ込みをしたくなったファンも多いだろう。ところがなのである。世界最高のラッパーと評されるNasはそんなことを指摘されるのは承知の上なのだ。自らを奮い立てるかのようなJBネタの"Where Are They Now"、Gameの"Compton"に続きWill I Amを見直してしまった"Thief's Theme"と同ネタのトラックを使用したタイトル曲、かつてコラボ・アルバム「Q.B.2 Compton」をリリースしたこともあるGameとの相性の良さを見せつけた"Huslters"、そしてほぼアカペラの"Hope"。思わず唸ってしまった。ラッパーとしての圧倒的な実力を誇示しものすごいアルバムだったのだ。「Illmatic」を超えたとは言わない。しかし、Nasが今出来る最高の仕事をしたと言っていいだろう。日本盤にはストリートで話題になった"Where Y'all at"と"The N..."がボーナストラックで収録されている。次回プレス時か、もしくは通常盤を出す際は対訳をつけて欲しい。http://
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