88鍵ピアノフォルテの最高音と最低音を打鍵することにより幕を開けるピアノ協奏曲第1番「蠍火」は、Virkatoが残した二曲だか三曲だかのピアノ協奏曲の中でも、その標題から見受けられるように「ほんとうのさいわいとはなんだらうね」などというやっかいな命題に感化されていた時期の作であり、他の協奏曲に比べ楽曲的には陰鬱で演奏法的には険悪な様相を全面に呈している。
休日の憩いとして作った他のリコーダー協奏曲やテルミン協奏曲とは明らかに趣が違い、ピアノという楽器の特性を最大限に生かすことを前提としているため、プレストを維持したまま右手16分と左手8分3連が混在しつつオクターブを跳ね回るなど尋常ならざる演奏技術が随所にて要求され、Virkato本人も
「私がこの楽曲を人前でまともに演奏するには地位も職もなげうって山籠もる必要があるだろう」
と無責任に語ったという。
ひでえ。
(解説・小林健二)
※Virkato Wakhmaninov(1873-1974)
コーカサス地方の平均的なマトリョーシカ職人の夫婦の間に生まれる。
父の「お前は雄だ雄になるのだ」との願いから雄猫の名を付けられたVirkatoはその名の通り雄雄しいサンボの達人へと育っていく一方で音楽教師であった母からピアノを習いむしろ本来の雌雌しさが開花する。
しかしマトリョーシカ相場の下落により実家が没落。
愛用していたスタインウェイも差し押さえられてしまい以降音楽の教科書の裏表紙で練習することになる。
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beatmania IIDX REDから収録された楽曲
ピアノ協奏曲第1番“蠍火”
PF Concerto Anti-Ares
を、愛すコミュです。
もうひとつの蠍火 〜象牙と羊腸と肉声のための変奏曲
というリミックス版が、家庭用のIIDX RED特別版の
V-レアサウンドトラックスに収録されています。
リミックス者はあのOsamu Kubota氏。
こちらが好きな方も是非どうぞ。
蠍火コースを作って4曲連続でやり続けた事がある。
Am7.G.C.と聞くと蠍火しか出てこない。
蠍火のせいで爪の皮がはがれた。
必死で蠍火を弾けるように耳コピした、練習した。
ロング版も大きな鍵盤と円盤のためのも好き。
ピアノを見るとつい最高音と最低音を同時に押してしまう。
などという人は是非入って、蠍火を愛し続けて下さい。
トピなどは自由にどうぞ。