原作:ほったゆみ 漫画:小畑健 監修:梅沢由香里(日本棋院)
出版社:集英社
版型:新書版
カテゴリー:少年コミックス
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≪参考情報≫
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『ヒカルの碁』(ひかるのご)は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)に1998年12月から2003年まで連載された、囲碁を題材にした少年漫画。全23巻。
原作はほったゆみ、漫画は小畑健、監修は日本棋院所属の女流棋士・梅沢由香里がそれぞれ担当した。2000年に(掲載開始わずか1年余で)第45回小学館漫画賞 、2003年に第7回手塚治虫文化賞新生賞受賞。略称は「ヒカ碁(ひかご)」。2007年に向けて集英社が完全版コミックスの準備をしている。このことは集英社の要望コーナーの回答にて表明している。
【あらすじ】
主人公・進藤ヒカルはごく普通の小学校6年生。祖父の家の倉にあった古い碁盤に血痕を見つけたヒカルは、その碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為の霊に取り憑かれる。囲碁のルールも佐為がかつて憑いていた碁聖・本因坊秀策(虎次郎)の強さも知らないヒカルは、「神の一手を極める」という彼の壮大な目標に付き合わされ、彼にせがまれるままに碁を打つことになる(以降、佐為はヒカル以外には姿も見えず会話もできず、物を動かすことすら出来ない存在であることを前提に話は進む)。
一方、ヒカルと同年齢の少年・塔矢アキラは、名人の父・塔矢行洋から英才教育を受け周囲から一目置かれる天才少年だが、碁の道を邁進することに未だふんぎりをつけられずにいた。ある日、佐為にせがまれ碁会所に入ってきた初心者のヒカルと軽い気持ちで対局するが、圧倒的な差を見せつけられ負かされてしまう。生まれて初めて、全力で戦ったのに同い年でしかも初心者の少年に敗れるという悔しさを味わったアキラは、ヒカルの謎めいた強さに疑問を持つと共に、ヒカルに注目していくことになる。
実はアキラが戦ったのはヒカルではなく佐為の方だった。2人の対局するさまを目の前で見ているだけだったヒカルは疎外感を覚え、碁を自分で打てないことをはがゆく思う。その後出会った塔矢行洋の打ちざまに心惹かれたヒカルは、佐為に頼らずに一人で碁を打とうと決心する。佐為もまた、ヒカルのその姿勢に感心し、彼の成長の助力になれることを素直に喜ぶのだった。
この一風変わった物語は、季節も時間も週刊連載に沿ってリアルタイムで進行し、ヒカルの成長とその上で切り捨てなければいけない者たちとの別れを淡々と描き終幕する。
【概要】
少年漫画としては異色の囲碁漫画であったが、緻密で繊細な作画と熟考されたストーリーで人気を博した。以前までは、年配の愛好家が主であった囲碁を小学生・中学生を中心に浸透させ、囲碁ブームを引き起こした。この作品が出来るきっかけは、原作者のほったゆみが趣味でやっていた囲碁が上手くならなかったので、「囲碁の神様がいてくれたらなぁ」と思ったことによるという。
本作は大きく分けて二部あり、主人公ヒカルと佐為の出会いと別れやアキラとのライバル関係を描いた第一部「佐為編」、その後のヒカルの活躍を描いた第二部「北斗杯編」になる。この間に一時中断があり、定期的に「番外編」と銘打たれた30ページほどの読切が6話掲載された。
肝心の囲碁については、初心者にもわかる程度の基本ルールの説明にとどまり、対局の進行描写や技術解説もほとんど放棄していた。碁を知らない者にとっては、実際対局を飛ばしても話がわかるように工夫されてはいるが、作中の観客の解説にでてくる囲碁の専門用語を追うだけの雰囲気漫画である。だが盤面の状態は厳密に検証されており、碁を覚えると作中のセリフを読むだけで対局の進行状況が手に取るようにわかるようになっており、二度おいしい作品になっている。熟練者になると、登場人物の棋風(碁を打つ際に見受けられる打ち手の性格や癖)がわかるようになるという。そのため、プロ棋士にも、国の内外を問わず愛読者が多い。作中の棋譜はほぼ全て実在の棋戦の棋譜を元にしており、「sai」(佐為のネット碁上での名)VS塔矢行洋戦では途中でどちらが勝つかわかってしまった者が多かったという(第22期名人戦リーグ、黒林海峰・白依田紀基を元にしている。)。本因坊算砂の三コウや本因坊秀策の耳赤の一局も作中で登場している。
本作の前身として、週刊少年ジャンプの新人漫画家募集企画「ストーリーキング」第2回ネーム部門の準受賞作『九つの星』がある。約100ページにわたるネーム状態の読切作品で、あらすじは連載版とほぼ同じである。九つの星とは碁盤の目にある九つの黒い点を指し、作中で主人公が碁盤を宇宙に碁石を星に見立てて碁を打つ場面がある。この辺りの話は連載版でも描かれている。
韓国では『ゴースト囲碁王』、中国では『棋魂』と言う題名になっている。両方とも、藤原佐為の立場を指した表現である。
本作は緻密な取材と現実的な思考によって編まれており、作中でファンタジーの部分を挙げるとなると霊が登場することと現代の囲碁界最強の棋士が日本人(塔矢行洋)になっていることぐらいである。
実際、連載当時の囲碁界は韓国が最強を誇っており、作中でもそのことはしばしば取り上げられていたが、第一部ではそもそも子供のヒカルが主人公なので舞台は日本に限定されており、韓国の登場は洪秀英が登場したくらいであった。第二部に入ってから、日本と韓国との対峙が明確になり、作品における韓国の立場が大きくなってくる。その上、連載が唐突に終了し、なおかつ主人公が負けるという少年漫画では特異な結末だったことから読者の間で大論争になり、それに便乗する形で、最後の対局相手が韓国の代表だったことから「ヒカルの碁が終わったのは韓国が圧力をかけたから」というデマがまことしやかに流れた。しかし、原作者はこの件を非公式ではあるが否定している(ヒカルの碁終了問題)。連載自体が唐突に終わった理由としては「元々作者は第一部の時点で終了するつもりだったが、編集部の要望により引き伸ばす形で第二部が作られた。その後、編集部と作者との間がしっくりいかなくなり、あのような唐突な終わり方になった」と言われている。
本作は日本棋院が全面バックアップしており、作中にも棋院内部や関連施設やイベントなどが登場している。連載開始時に「世界初」と銘打たれるほど囲碁漫画は珍しいジャンルだったうえ(将棋漫画に比べて囲碁漫画は個性の表現が難しく、青年誌を含めても皆無に近く少年誌での連載はこれが初めてだった)作品が成功したため、棋院自身もヒカルの碁人気に頼ったイベントを数多く行ってきたが、囲碁ブーム沈静後の現在、どう展開してゆくかが注目されている。
【アニメ】
『ヒカルの碁』(テレビ東京系、2001年10月10日-2003年3月26日)
原作の1巻〜17巻、および18巻の番外編の幾つかをほぼ忠実にアニメ化。原作で省かれていた対局の進行状況を詳細に表現しており、その点では評価が高い。
韓国でも『ゴースト囲碁王』(2004年6月1日-2005年7月1日)として放送されたが、放送局側が日本色を消すために佐為が着ている狩衣(日本平安時代の装束)を全て真っ白な物に差し替えたところ、視聴者から不自然だとの声が相次ぎ、不評を買った。
『ヒカルの碁スペシャル 北斗杯への道』 (テレビ東京系、2004年1月3日放送)
本作は原作の北斗杯編前半(19巻〜21巻)の予選部分にあたり、後半にあたる本選のアニメ化予定は未だ立っていない。
『梅沢由香里のGOGO囲碁』
原作の監修も担当する女流棋士梅沢由香里が、まいちゃん(林真唯)とゆうき君(高橋優希)の二人の少年少女に囲碁の簡単なルールなどを解説するコーナー。アニメ放映後に毎回放送された3分余りの実写作品。DVD化もされた。外国では吹替で対応していたが、韓国ではこれとは別の実写解説コーナーを放送していた。
(「ヒカルの碁」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2006年10月12日12時(日本時間)での最新版を取得。改訂履歴。Text is available under GNU Free Documentation License
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