- 詳細 2018年2月10日 21:52更新
-
優しくて暖かい世界。
そんな世界を目指してみませんか？
そんな世界を作りたいと思いませんか？
機動戦士ガンダムSEED DESTINYで主人公シン・アスカが叶えようとした世界。
戦争などなく、無邪気な女の子が幸せに暮らせるようにと少年が夢見た世界。
――ステラ……。
誰かが呼んでいる。ステラ……誰……？
――ステラ……ステラ……！
ステラ……私。私の名を呼ぶあなたは誰？
なにもかもがとても遠い。いい気持ち。体が軽くなって、そのまますうっと浮かび上がりそうで――丸いベッドで眠りにつくときと同じ、痛いもの怖いものすべてが消えていくような安らかさを感じる。
――ステラ……どうしてこんな……っ！
泣いている……？誰？とても懐かしい声。どうしても会っておかなければならない人。
誰？――それが知りたくて、ステラはとても遠く感じられる体に戻る。やっと瞼を押し開けると、目の前に、とても会いたかった人の姿があった。
「シ……ン……」
ステラがその名をささやくと、シンは真紅の目からぽろぽろと涙を落とした。その瞳。ステラをいつも惹きつけてやまないその色。はじめて会った――偶然、街なかでぶつかったあのときから。人は自分を焼く炎の奥を覗き込まずにいられない。
ステラはそっと微笑む。
「会いに……来た……？」
よく動かない手を懸命にさし上げると、シンが強くその手を握りしめる。でもなぜか、その感触がよくわからない。
「うん……！うん！」
うなずくたびにシンの目から涙がキラキラと降りそそぐ。ステラは彼がなぜ泣いているのかわからない。なぜ泣くことがあるのだろう。やっとまた出会えたのに。
「シン……ステラ……まも……る……って……」
うまく息ができない。なにもかもがどんどん遠くなる。でも大丈夫。シンはいつも必ず約束を守るから。
だから大丈夫。ステラは死なない。シンが必ず守ってくれるから。
「ステラ……！」
でもシンはステラの言葉を聞き、どこか痛むように顔を歪めて、また涙を降らせる。
泣かないで――ステラは一生懸命、よく動かない唇を動かして、伝えようとする。
「シン……」
ステラは幸せ。シンに会えて、はじめてこんな幸せを知った。
こんなに世界がやさしくてあったかいということを――
だから。
「――すき……」
泣かないで、シン……。
なにもかもが遠ざかる。軽くなる。あたたかいものに包みこまれていく。
ステラはゆっくりと目を閉じた。
なんて、しあわせ……。
現実でも、想像の中でも。
優しくて暖かい世界にいきたい！つくりたい！という貴方。
・シンのその想いに共感した方
・ステラのために世界は優しく暖かくあるべきだという方
・シンステが一緒にいられればそこがすでに優しくて暖かい世界だという方
・最終回、ステラがシンに会いに来たのは優しくて暖かい世界からだという方
・シンもステラも知らないけれど、なんだか優しくて暖かい世界にはなって欲しい方
願うだけでは叶わない。けれど、願わずにはいられない。
優しくて暖かい世界を。
