道祖神のまねきにあひて、取るもの手につかず。もも引きの破をつづり、笠の緒付かえて、三里の灸するより松島の松の月まず心にかかりて…
「奥の細道」 松尾芭蕉
四十以後の人、身に灸を加へて三里を焼かざれば、上気の事あり。必ず灸すべし。
「徒然草」 吉田兼好
火気をかりて陽をたすけ元気を補えば、陽気発生してつよくなり、脾胃調い食すすみ、気血めぐり飲食滞塞せずして陰邪の気さる。これ灸の力にて陽をたすけ気血をさかんにして、病をいやすの理なるべし。
今の世に、天枢、脾兪など一時に多く灸すれば、気のぼりて痛み忍えがたきとて一日に一、二壮、毎日灸して百壮に至る人あり。また三里を毎日一壮づつ百日つづけて灸する人あり。これまた時気を防ぎ風を退け、上気を下し衂をとめ、眼を明らかにし、胃気をひらき食をすすむ、最も益ありという。医書において未だこの法を見ず、されども試みてその効を得たる人多しという。
「養生訓」 貝原益軒
金も時間もわずかなのに効果抜群。
古来から伝わる名灸点「足の三里」に灸してみましょう。
困ったときには