格助詞「に」の意義は、「日本語 文法 格助詞：解説 - 東京外国語大学」では次のように記されている。
http://
格助詞は、主に名詞について、その名詞と他の語（他の名詞、あるいは、述語としての動詞・形容詞）との意味関係を示します。
以下、助詞ごとに用法を説明します。
�掘 屬法�
１ 非常にさまざまな関係を表わします。そのうち、主なものをあげます。
２ 広く人と人の間のものや情報のやりとりを表わす動詞について、ものや情報の受け取り手を表わします。
(29)山田さんにプレゼントを贈ります。（→「NにNをＶます」）
(30)田中さんに英語を教えます。（→「NにNをＶます」）
(31)木村さんに本をあげます。（→「やりもらい」）
３ ものを移動させる行為を表わす動詞について、対象であるものの到着点を表わします。
(32)壁に写真をはります。
(33)ゴミ箱にごみを捨てます。
……… ／
以下、実に14の項目を並べている。
最初に「ものや情報の受け取り手」「対象であるものの到着点」「動作の相手となる人」を挙げているが、
先生に本をもらいました。
彼にノートを借りた。
だれにピアノを習っているのですか。
では、「受け取り手」「動作の相手となる人」ではなく、「渡し手」「起点」を表わしており、全く逆の関係となっている。こうした矛盾や、多様な用法を一元的に特徴付けようとし、「認知言語学的な手法によって一元的に特徴づけるとともに，特に周辺的な現象として扱われて来た［起点］および［動作者］の用法について，意味分析に基づいた統一的な説明を与える」ことを目的とした次のような論考もある。
菅井三実【格助詞にの統一的分析に向けた認知言語学的アプローチ】
http://
ここでは、「友人に本を借りるのような［起点］の用法を取り上げ，主格 NP から与格 NP へのエネルギー伝達を前提とする点で，［起点］の用法が［着点］の基本的含意を継承しており，移動主体との乖離を前景化するカラ格と弁別的に区別されることを具体的に示した．」とされているが、「主格 NP から与格 NP へのエネルギー伝達を前提とする」ようでは、まともな文法の論理とは考えがたい。それが認知言語学の限界である。
これらの説明では、日本語学習者にも満足な説明ができず、
岡田, 美穂
【中級レベルの日本語学習者における場所を表す格助詞「に」の習得に関する研究 : 中国語を母語とする学習者を対象として】
https:/
では、「に」と「で」の誤用に関する研究などもなされている。
しかし、これも問題の本質を明らかにしたものとは言いがたい。何が問題であるのかが判っていないということになる。
先の解説では、「非常にさまざまな関係を表わします」と最初に述べながら、具体的な説明では関係ではなく、「受け取り手」や「到着点」「動作の相手となる人」という対象物自体を挙げている点に齟齬、誤りがあると言わなければならない。
現在のソシュールパラダイム下の発想では、以前に指摘した通り、ラングが、文でパロールに変化し意味を表わとしか考えられず、ラングである語の意義とパロールである文における意味との媒介の構造を捉えることができない。したがって、語の意義と文での意味を混同することになるしかない。
例文、
(29)山田さんにプレゼントを贈ります。
(30)田中さんに英語を教えます。
(31)木村さんに本をあげます。
を見れば明らかな通り、これらの文で、「受け取り手」を表わしているのは、「山田さん」「田中さん」「木村さん」であり、これらは姓を表わす名詞句である。「姓を表わす名詞句」が「山田さん」「田中さん」「木村さん」の意義であり、「受け取り手」というのはこの文での意味である。格助詞「に」自体が「受け取り手」を表わしているのではないのも明らかであろう。この名詞句が「受け取り手」として理解されるのは、「に」で動詞「贈る」「教える」「あげる」との関係が表現されているからで、動詞が「もらう」「借りる」などになれば起点の意味に変化するのである。
このように、「受け取り手」や「到着点」「動作の相手となる人」とは個別の文における意味であり、名詞の語の意義や格助詞「に」の意義ではないのである。
格助詞「に」自体が「受け取り手」や「到着点」「動作の相手となる人」を表わしているのではないことは明らかであろう。しかし、意義と意味の区別と関連が捉えられないソシュールパラダイム下の発想では、この誤りが理解できないということである。
上記の岡田, 美穂【格助詞「に」の習得に関する研究】で論じられているのは、場所を表わすとされる「に」と「で」の誤用が論じられているが、上記のような状況では当然の結果というしかない。
物自体の認識を不可知とするカント哲学に依拠するソシュールパラダイム下の形式主義、機能主義的な発想では、語の意義と意味の相違と関連を捉えられないのと同時に、日本語の助詞、助動詞とは一体何を表わしているのか、どのような意義を持っているのかを明らかにすることができない。助詞、助動詞が表しているのは不可知とされる物自体の物でさえないからである。
この点を明らかにしたのは、ソシュール言語学を言語実体観、構成的言語観として批判した時枝誠記である。助詞、助動詞が表すのは話者に対峙する客体ではなく、この客体の認識から生まれた話者の主観、認識そのものを直接的に表現する語であることが明らかにされた。客体の表現である名詞、動詞、形容詞などを詞と名付け、助詞、助動詞などを辞とし品詞のニ大区分の根拠を明らかにした。
したがって、格助詞「に」の意義とは空間的・時間的な位置付けの認識を表す語で、客体的な空間としての場所や起点、到達点を表わすのではない。格助詞「から」「まで」「へ」は起点、終点、方向の【意識／認識】を表わすが、「に」は単に位置付けの【意識／認識】を表わすだけであり、「綺麗に【なる】」「ガタガタ【に】なる」のように名詞だけではなく用言との位置付けによる関係認識の表現にも使用される。
先の 「東京外国語大学」の解説では、「原因・理由を表わすことがあります。」として、「人の多さにびっくりしました。」が挙げられているが、これは単に表現された結果の解釈による意味でしかなく、これでは「で」との誤用が生まれても当然ということである。
このような、形式主義・機能主義的な誤った理論、解説により日本語学習者の混乱、停滞を招く混迷、迷妄から脱するには現在のソシュールパラダイム下の言語学、文法論の変革が必須である。■
http://
格助詞は、主に名詞について、その名詞と他の語（他の名詞、あるいは、述語としての動詞・形容詞）との意味関係を示します。
以下、助詞ごとに用法を説明します。
�掘 屬法�
１ 非常にさまざまな関係を表わします。そのうち、主なものをあげます。
２ 広く人と人の間のものや情報のやりとりを表わす動詞について、ものや情報の受け取り手を表わします。
(29)山田さんにプレゼントを贈ります。（→「NにNをＶます」）
(30)田中さんに英語を教えます。（→「NにNをＶます」）
(31)木村さんに本をあげます。（→「やりもらい」）
３ ものを移動させる行為を表わす動詞について、対象であるものの到着点を表わします。
(32)壁に写真をはります。
(33)ゴミ箱にごみを捨てます。
……… ／
以下、実に14の項目を並べている。
最初に「ものや情報の受け取り手」「対象であるものの到着点」「動作の相手となる人」を挙げているが、
先生に本をもらいました。
彼にノートを借りた。
だれにピアノを習っているのですか。
では、「受け取り手」「動作の相手となる人」ではなく、「渡し手」「起点」を表わしており、全く逆の関係となっている。こうした矛盾や、多様な用法を一元的に特徴付けようとし、「認知言語学的な手法によって一元的に特徴づけるとともに，特に周辺的な現象として扱われて来た［起点］および［動作者］の用法について，意味分析に基づいた統一的な説明を与える」ことを目的とした次のような論考もある。
菅井三実【格助詞にの統一的分析に向けた認知言語学的アプローチ】
http://
ここでは、「友人に本を借りるのような［起点］の用法を取り上げ，主格 NP から与格 NP へのエネルギー伝達を前提とする点で，［起点］の用法が［着点］の基本的含意を継承しており，移動主体との乖離を前景化するカラ格と弁別的に区別されることを具体的に示した．」とされているが、「主格 NP から与格 NP へのエネルギー伝達を前提とする」ようでは、まともな文法の論理とは考えがたい。それが認知言語学の限界である。
これらの説明では、日本語学習者にも満足な説明ができず、
岡田, 美穂
【中級レベルの日本語学習者における場所を表す格助詞「に」の習得に関する研究 : 中国語を母語とする学習者を対象として】
https:/
では、「に」と「で」の誤用に関する研究などもなされている。
しかし、これも問題の本質を明らかにしたものとは言いがたい。何が問題であるのかが判っていないということになる。
先の解説では、「非常にさまざまな関係を表わします」と最初に述べながら、具体的な説明では関係ではなく、「受け取り手」や「到着点」「動作の相手となる人」という対象物自体を挙げている点に齟齬、誤りがあると言わなければならない。
現在のソシュールパラダイム下の発想では、以前に指摘した通り、ラングが、文でパロールに変化し意味を表わとしか考えられず、ラングである語の意義とパロールである文における意味との媒介の構造を捉えることができない。したがって、語の意義と文での意味を混同することになるしかない。
例文、
(29)山田さんにプレゼントを贈ります。
(30)田中さんに英語を教えます。
(31)木村さんに本をあげます。
を見れば明らかな通り、これらの文で、「受け取り手」を表わしているのは、「山田さん」「田中さん」「木村さん」であり、これらは姓を表わす名詞句である。「姓を表わす名詞句」が「山田さん」「田中さん」「木村さん」の意義であり、「受け取り手」というのはこの文での意味である。格助詞「に」自体が「受け取り手」を表わしているのではないのも明らかであろう。この名詞句が「受け取り手」として理解されるのは、「に」で動詞「贈る」「教える」「あげる」との関係が表現されているからで、動詞が「もらう」「借りる」などになれば起点の意味に変化するのである。
このように、「受け取り手」や「到着点」「動作の相手となる人」とは個別の文における意味であり、名詞の語の意義や格助詞「に」の意義ではないのである。
格助詞「に」自体が「受け取り手」や「到着点」「動作の相手となる人」を表わしているのではないことは明らかであろう。しかし、意義と意味の区別と関連が捉えられないソシュールパラダイム下の発想では、この誤りが理解できないということである。
上記の岡田, 美穂【格助詞「に」の習得に関する研究】で論じられているのは、場所を表わすとされる「に」と「で」の誤用が論じられているが、上記のような状況では当然の結果というしかない。
物自体の認識を不可知とするカント哲学に依拠するソシュールパラダイム下の形式主義、機能主義的な発想では、語の意義と意味の相違と関連を捉えられないのと同時に、日本語の助詞、助動詞とは一体何を表わしているのか、どのような意義を持っているのかを明らかにすることができない。助詞、助動詞が表しているのは不可知とされる物自体の物でさえないからである。
この点を明らかにしたのは、ソシュール言語学を言語実体観、構成的言語観として批判した時枝誠記である。助詞、助動詞が表すのは話者に対峙する客体ではなく、この客体の認識から生まれた話者の主観、認識そのものを直接的に表現する語であることが明らかにされた。客体の表現である名詞、動詞、形容詞などを詞と名付け、助詞、助動詞などを辞とし品詞のニ大区分の根拠を明らかにした。
したがって、格助詞「に」の意義とは空間的・時間的な位置付けの認識を表す語で、客体的な空間としての場所や起点、到達点を表わすのではない。格助詞「から」「まで」「へ」は起点、終点、方向の【意識／認識】を表わすが、「に」は単に位置付けの【意識／認識】を表わすだけであり、「綺麗に【なる】」「ガタガタ【に】なる」のように名詞だけではなく用言との位置付けによる関係認識の表現にも使用される。
先の 「東京外国語大学」の解説では、「原因・理由を表わすことがあります。」として、「人の多さにびっくりしました。」が挙げられているが、これは単に表現された結果の解釈による意味でしかなく、これでは「で」との誤用が生まれても当然ということである。
このような、形式主義・機能主義的な誤った理論、解説により日本語学習者の混乱、停滞を招く混迷、迷妄から脱するには現在のソシュールパラダイム下の言語学、文法論の変革が必須である。■
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コメント(20)
こうした、ソシュールパラダイム下の発想の一例を紹介させていただきます。
張善実（ちょう ぜんじつ）
「対象¹を表わすヲ格とニ格の使い分けに関する一考察 」
https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/nichigen/0-kyouiku/seminar/pdf/013-2.pdf#search=%27%E6%A0%BC%E5%8A%A9%E8%A9%9E%E3%80%8E%E3%83%8B%E3%80%8F%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%80%83%E5%AF%9F%27
1「対象」の範囲は学者によりまちまちであるが、ここでは「S が N ヲ V」及び「S が N ニ V」構文において「動作・行為・思考・感情の対象」に限定して考察する。／／
この注は、ここで問題にする対象を特定の動詞構文に限定しています。
ここに、このように対象を「限定して考察する」というところに、論者の言語観、文法観の限界が顕れています。具体的な対象ではなく、自己に都合の良い対象に限定しては、正しい回答を得ることはできません。
言語は話者の認識の表現であり、話者の認識は対象の認識から生まれたものです。
取り上げるべきは話者の認識の対象であり、表現された結果としての特殊な文の中や、構文の中の動詞の対象ではありません。
このような対象の限定は、言語が話者の認識であることを理解できていないソシュールパラダイム下の発想に基づくピント外れであり、これでは単に特殊な現象、機能を扱うことしかできず、話者による使い別けの本質を探ることはできません。
結局、この論考は同類の寺村秀夫の区分を検討し、認知言語学のプロタイプ的意味というピント外れの発想を検討するに止まり、意味特徴の分類の可能性を提起するに留まるしかありません。
残念ながら、話者の対象認識の相違を捉えない限り問題の本質に迫ることはできません。■
張善実（ちょう ぜんじつ）
「対象¹を表わすヲ格とニ格の使い分けに関する一考察 」
https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/nichigen/0-kyouiku/seminar/pdf/013-2.pdf#search=%27%E6%A0%BC%E5%8A%A9%E8%A9%9E%E3%80%8E%E3%83%8B%E3%80%8F%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%80%83%E5%AF%9F%27
1「対象」の範囲は学者によりまちまちであるが、ここでは「S が N ヲ V」及び「S が N ニ V」構文において「動作・行為・思考・感情の対象」に限定して考察する。／／
この注は、ここで問題にする対象を特定の動詞構文に限定しています。
ここに、このように対象を「限定して考察する」というところに、論者の言語観、文法観の限界が顕れています。具体的な対象ではなく、自己に都合の良い対象に限定しては、正しい回答を得ることはできません。
言語は話者の認識の表現であり、話者の認識は対象の認識から生まれたものです。
取り上げるべきは話者の認識の対象であり、表現された結果としての特殊な文の中や、構文の中の動詞の対象ではありません。
このような対象の限定は、言語が話者の認識であることを理解できていないソシュールパラダイム下の発想に基づくピント外れであり、これでは単に特殊な現象、機能を扱うことしかできず、話者による使い別けの本質を探ることはできません。
結局、この論考は同類の寺村秀夫の区分を検討し、認知言語学のプロタイプ的意味というピント外れの発想を検討するに止まり、意味特徴の分類の可能性を提起するに留まるしかありません。
残念ながら、話者の対象認識の相違を捉えない限り問題の本質に迫ることはできません。■
しかし、先に取り上げた論考の一番の問題点は、題名にある。
「対象¹を表わすヲ格とニ格の使い分けに関する一考察 」
この「「対象を表わすヲ格とニ格」の云う対象とは、最初に「動作の対象は一般にヲ格で表わす」と記されている通り、話者にとっての客体を指している。
ここにこそ、正に先に指摘したソシュールパラダイム下の発想が顕れており、助詞とは話者の主観、認識そのものを直接的に表現する語であることが全く理解されていない。
柴谷 方良(しばたに・まさよし) が述べているように、
名詞や動詞などと違って、【助詞はそれ自体がある事物や動作・状態を指さない。】助詞の意味というときには、ここに問題点の一つがある。
（「助詞の意味と機能について―「は」と「が」を中心に―」：『文法と意味の間―国広哲弥教授還暦退官記念論文集』（[くろしを出版,1990.6.1)〕 （【】の強調は引用者） ）
のである。
注：柴谷 方良(しばたに・まさよし)
1944年上海生まれ。カリフォルニア大学(バークレイ)卒，同大学院修了。Ph.D. 南カリフォルニア大学助教授，準教授，神戸大学教授を経て，現在，ライス大学(アメリカ)言語学部教授・学部長。著書 The Languages of Japan (1990年，Cambridge University Press)ほか。
■
「対象¹を表わすヲ格とニ格の使い分けに関する一考察 」
この「「対象を表わすヲ格とニ格」の云う対象とは、最初に「動作の対象は一般にヲ格で表わす」と記されている通り、話者にとっての客体を指している。
ここにこそ、正に先に指摘したソシュールパラダイム下の発想が顕れており、助詞とは話者の主観、認識そのものを直接的に表現する語であることが全く理解されていない。
柴谷 方良(しばたに・まさよし) が述べているように、
名詞や動詞などと違って、【助詞はそれ自体がある事物や動作・状態を指さない。】助詞の意味というときには、ここに問題点の一つがある。
（「助詞の意味と機能について―「は」と「が」を中心に―」：『文法と意味の間―国広哲弥教授還暦退官記念論文集』（[くろしを出版,1990.6.1)〕 （【】の強調は引用者） ）
のである。
注：柴谷 方良(しばたに・まさよし)
1944年上海生まれ。カリフォルニア大学(バークレイ)卒，同大学院修了。Ph.D. 南カリフォルニア大学助教授，準教授，神戸大学教授を経て，現在，ライス大学(アメリカ)言語学部教授・学部長。著書 The Languages of Japan (1990年，Cambridge University Press)ほか。
■
格助詞「に」の意義に関する混迷は、上記の通り、現在の言語論自体の誤り、限界にその根源があります。
このため、そうした言語理解の基に記述された辞書類の解釈も必然的に誤っています。こうした辞書類の記述を無批判に信仰し、いくらこねくり回しても解決にはなりません。
こうした事例の典型が次のようなブログに見られます。
「ニ」の話
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12655485940.html
既に10年以上経過しているようですが、当然ながら何の進歩、進展もありません。これは学校文法と同じで他も同様です。
ここでは、これらが依拠する辞書の誤りを再度明らかにしておきましょう。
【明鏡国語辞典】を見ましょう。
https://sakura-paris.org/dict/%E6%98%8E%E9%8F%A1%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E8%BE%9E%E5%85%B8/prefix/%E3%81%AB#%E3%81%AB
に
㈠ 〘格助〙
❶ 動作・作用や状態の成立にかかわる物事を補う。物事の内容は、述部の意味により、(��)〜(��)のような種類に分かれる。
(��)動作・作用の成立に深く関わる場所を表す。
㋐ 存在の場所や所有する者を表す。
「机の上に本がある」
「母は部屋にいる」
「この公園に砂場がない」
「彼には子供が三人いる」
「彼女には責任感が欠けている」／／
「机の上に本がある」では、「㋐ 存在の場所や所有する者を表す。」のは「机の上」であって格助詞「に」ではありません。「母は部屋にいる」で「㋐ 存在の場所を表す。」のは「部屋」であって格助詞「に」ではありません。 以下、㋐ 存在の場所や所有する者を表す」のは「この公園所」、「彼」「彼女」です。
最初の、「物事を補う」というのがそもそも言語とは何であるかが理解できていないということになります。言語は話者の認識を表すもので、語は意義を表すものです。「補う」などというのは機能であって語の本質ではありません。ここに、現在の機能主義的な言語観の欠陥が露呈しています。
このように、この辞書の説明は全く言語事実と異なった説明を平然としています。なぜこうなるのかは、これまで指摘した通りです。
言語の本質が理解できておらず、格助詞が何を表すのかが本質的に理解できていないということです。語が表すものはすべて話者に対する客体、つまり「もの」や「こと」やそれに伴う属性しかないという発想です。
学校(橋本)文法が定義しているように、自立／付属、活用の有無などという機能によって語の品詞を分類していては各語がいかなる規範としての意義を表しているのかを捉えることはできません。
助詞が表すのは、これまでの指摘のように表現主体である話者が対象をどのように捉えているのかという話者の認識である主観を直接に表現しているということです。
この本質が理解できない限り、助詞、格助詞の理解は空回りする他ないということになり、それを現実が示しているということです。
諸賢のご意見を伺えれば幸いです。■
このため、そうした言語理解の基に記述された辞書類の解釈も必然的に誤っています。こうした辞書類の記述を無批判に信仰し、いくらこねくり回しても解決にはなりません。
こうした事例の典型が次のようなブログに見られます。
「ニ」の話
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12655485940.html
既に10年以上経過しているようですが、当然ながら何の進歩、進展もありません。これは学校文法と同じで他も同様です。
ここでは、これらが依拠する辞書の誤りを再度明らかにしておきましょう。
【明鏡国語辞典】を見ましょう。
https://sakura-paris.org/dict/%E6%98%8E%E9%8F%A1%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E8%BE%9E%E5%85%B8/prefix/%E3%81%AB#%E3%81%AB
に
㈠ 〘格助〙
❶ 動作・作用や状態の成立にかかわる物事を補う。物事の内容は、述部の意味により、(��)〜(��)のような種類に分かれる。
(��)動作・作用の成立に深く関わる場所を表す。
㋐ 存在の場所や所有する者を表す。
「机の上に本がある」
「母は部屋にいる」
「この公園に砂場がない」
「彼には子供が三人いる」
「彼女には責任感が欠けている」／／
「机の上に本がある」では、「㋐ 存在の場所や所有する者を表す。」のは「机の上」であって格助詞「に」ではありません。「母は部屋にいる」で「㋐ 存在の場所を表す。」のは「部屋」であって格助詞「に」ではありません。 以下、㋐ 存在の場所や所有する者を表す」のは「この公園所」、「彼」「彼女」です。
最初の、「物事を補う」というのがそもそも言語とは何であるかが理解できていないということになります。言語は話者の認識を表すもので、語は意義を表すものです。「補う」などというのは機能であって語の本質ではありません。ここに、現在の機能主義的な言語観の欠陥が露呈しています。
このように、この辞書の説明は全く言語事実と異なった説明を平然としています。なぜこうなるのかは、これまで指摘した通りです。
言語の本質が理解できておらず、格助詞が何を表すのかが本質的に理解できていないということです。語が表すものはすべて話者に対する客体、つまり「もの」や「こと」やそれに伴う属性しかないという発想です。
学校(橋本)文法が定義しているように、自立／付属、活用の有無などという機能によって語の品詞を分類していては各語がいかなる規範としての意義を表しているのかを捉えることはできません。
助詞が表すのは、これまでの指摘のように表現主体である話者が対象をどのように捉えているのかという話者の認識である主観を直接に表現しているということです。
この本質が理解できない限り、助詞、格助詞の理解は空回りする他ないということになり、それを現実が示しているということです。
諸賢のご意見を伺えれば幸いです。■
最初に提示した、
菅井三実【格助詞にの統一的分析に向けた認知言語学的アプローチ】
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8221168_po_07.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
の依拠する認知言語学の発想の誤りを指摘しておきましょう。
最初の「要 旨」で、
意味分析に基づいた統一的な説明を与えるものである．本稿で言う認知言語学的アプローチとは，意味を解釈と規定する意味観に基づく点であり，言語話者の解釈に依存する分析をいう．
と述べているように、「意味を解釈と規定する意味観」が根本的な誤りです。この意味とは文に表現された内容の解釈のことであり、格助詞という語の意義のことではありません。
つまり、語の意義を媒介とした話者の認識の表現という言語表現の過程的構造を捉えることができずに、意義を意味に解消するしかないことになっています。
これは、現在の言語学が意味論を持たない現状を反映するもので、意義と意味の相違と関連が捉えらえないもので、語の意義とは何かを明らかにしない限り「意味分析に基づいた統一的な説明」はできないということです。
語の意義とは規範としての概念であり個別の話者の認識とは次元が異なります。■
菅井三実【格助詞にの統一的分析に向けた認知言語学的アプローチ】
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8221168_po_07.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
の依拠する認知言語学の発想の誤りを指摘しておきましょう。
最初の「要 旨」で、
意味分析に基づいた統一的な説明を与えるものである．本稿で言う認知言語学的アプローチとは，意味を解釈と規定する意味観に基づく点であり，言語話者の解釈に依存する分析をいう．
と述べているように、「意味を解釈と規定する意味観」が根本的な誤りです。この意味とは文に表現された内容の解釈のことであり、格助詞という語の意義のことではありません。
つまり、語の意義を媒介とした話者の認識の表現という言語表現の過程的構造を捉えることができずに、意義を意味に解消するしかないことになっています。
これは、現在の言語学が意味論を持たない現状を反映するもので、意義と意味の相違と関連が捉えらえないもので、語の意義とは何かを明らかにしない限り「意味分析に基づいた統一的な説明」はできないということです。
語の意義とは規範としての概念であり個別の話者の認識とは次元が異なります。■
ここでは、認知言語学に依拠する、
杉村 泰
イメージで教える日本語の格助詞
https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/proj/sosho/1/sugimura.pdf
の誤りを取り上げておこう。杉村は、
一般に格助詞「に」には多くの意味役割が付与されている。しかし、これらは全て〈着点〉という一つのプロトタイプ的意味に還元することができる。……
本稿で特に強調したいのは、「に」によってマークされる対象は話し手によって「点」として認知されたものであるということである。これは「で」が〈領域〉として認知されるのと対照的な特徴である。／／
とし、次のような用法を挙げる。
さて、格助詞「に」には大きく分けて、�‖減澆両貊蝓�時点、��一方向性を持った動きの着点、�Ｈ鐺暗�行為の動作主、の３つの用法がある。
(5) a. 机の上に本がある/ない。〈存在の場所（位置）〉
b. 私に子供がある。〈所有者〉
c. 姉にバイオリンが弾ける。〈能力の主体〉
d. 今日は 10 時に寝る。〈時間（時点）〉
e. わが家は学校に近い。〈距離的な位置〉
まず、(5a)の「に」は〈存在の場所（位置）〉という空間の一点を表すのに使わ
れている。／／
先に、[2] で指摘の通り、柴谷は、
名詞や動詞などと違って、【助詞はそれ自体がある事物や動作・状態を指さない。】助詞の意味というときには、ここに問題点の一つがある。 ／／
と指摘しているが、「空間の一点を表す」と「それ自体がある事物」を指すと主張しているのである。そして、＜〈着点〉を格助詞「に」のプロトタイプ的意味であると考え＞、さらに、
(8) a. 私は友達に本をあげる。（受益者） ［本：私→友達］
b. 私は友達に本をもらう。 （授与者） ［本：私←友達］
の場合、
(8b)の「友達」は本の移動の起点には違いない。しかし、それを「友達から」ではなく「友達に」と表現したのは、話し手がそれを〈起点〉ではなく別のものとして認知したからにほかならない。
とし、＜この「に」は密着の〈着点〉を表すと考える。＞と起点を〈着点〉にすり替えてしまう。
起点／着点は客体自体の在り方であるが、【助詞はそれ自体がある事物や動作・状態を指さない。】のであり、話者は対象を「別のものとして認知した」のではなく、同じ関係の【認識】を直接に「に」と表現したのである。つまり、本 ＴＯＰ で最初にＩ指摘の通り＜助詞＞の意義が本質的に理解できていないことを露呈している。
これは、認知言語学が日本語学同様、言語表現の本質を捉えることができず、＜助詞＞、＜助動詞＞などの時枝が辞に区分した品詞区分の意義も全く理解できていないことを表している。
この杉村の論は、日本語教育者他にも次のような安易な共感者があり学習者の混乱を招く他ない。
格助詞「に（着点）」 〜「学校へ行く」と「学校に行く」は何が違うのか？
http://hayato55.com/article/181915541.html?reload=2022-10-30T20:50:36
「に」について
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13202233.html
■
杉村 泰
イメージで教える日本語の格助詞
https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/proj/sosho/1/sugimura.pdf
の誤りを取り上げておこう。杉村は、
一般に格助詞「に」には多くの意味役割が付与されている。しかし、これらは全て〈着点〉という一つのプロトタイプ的意味に還元することができる。……
本稿で特に強調したいのは、「に」によってマークされる対象は話し手によって「点」として認知されたものであるということである。これは「で」が〈領域〉として認知されるのと対照的な特徴である。／／
とし、次のような用法を挙げる。
さて、格助詞「に」には大きく分けて、�‖減澆両貊蝓�時点、��一方向性を持った動きの着点、�Ｈ鐺暗�行為の動作主、の３つの用法がある。
(5) a. 机の上に本がある/ない。〈存在の場所（位置）〉
b. 私に子供がある。〈所有者〉
c. 姉にバイオリンが弾ける。〈能力の主体〉
d. 今日は 10 時に寝る。〈時間（時点）〉
e. わが家は学校に近い。〈距離的な位置〉
まず、(5a)の「に」は〈存在の場所（位置）〉という空間の一点を表すのに使わ
れている。／／
先に、[2] で指摘の通り、柴谷は、
名詞や動詞などと違って、【助詞はそれ自体がある事物や動作・状態を指さない。】助詞の意味というときには、ここに問題点の一つがある。 ／／
と指摘しているが、「空間の一点を表す」と「それ自体がある事物」を指すと主張しているのである。そして、＜〈着点〉を格助詞「に」のプロトタイプ的意味であると考え＞、さらに、
(8) a. 私は友達に本をあげる。（受益者） ［本：私→友達］
b. 私は友達に本をもらう。 （授与者） ［本：私←友達］
の場合、
(8b)の「友達」は本の移動の起点には違いない。しかし、それを「友達から」ではなく「友達に」と表現したのは、話し手がそれを〈起点〉ではなく別のものとして認知したからにほかならない。
とし、＜この「に」は密着の〈着点〉を表すと考える。＞と起点を〈着点〉にすり替えてしまう。
起点／着点は客体自体の在り方であるが、【助詞はそれ自体がある事物や動作・状態を指さない。】のであり、話者は対象を「別のものとして認知した」のではなく、同じ関係の【認識】を直接に「に」と表現したのである。つまり、本 ＴＯＰ で最初にＩ指摘の通り＜助詞＞の意義が本質的に理解できていないことを露呈している。
これは、認知言語学が日本語学同様、言語表現の本質を捉えることができず、＜助詞＞、＜助動詞＞などの時枝が辞に区分した品詞区分の意義も全く理解できていないことを表している。
この杉村の論は、日本語教育者他にも次のような安易な共感者があり学習者の混乱を招く他ない。
格助詞「に（着点）」 〜「学校へ行く」と「学校に行く」は何が違うのか？
http://hayato55.com/article/181915541.html?reload=2022-10-30T20:50:36
「に」について
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13202233.html
■
助詞に関する話
2022-11-12 10:15:36NEW !
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12558420846.html
では、【助詞の話──場所を示す「に」と「で」】 と、本 Ｔｏｐｉ で提示した誤りを晒しています。極普通の日本語感覚からしても≪場所を示す「に」と「で」≫はありえないでしょう。このブログでは、
大前提として、助詞の話はむずかしいのでヘタに踏み込まないほうがいいようです。
「ガ」と「ハ」の話などは、専門書を何冊読んでも理解できないような難問です。
ただ、mixiで取り上げられているもののなかには、辞書や文法書を丹念に読めば、解決するものもあるようです。 ／／
と＜助詞＞とは何かが全く理解出来ていないことを告白されています。本 Ｔｏｐｉ で指摘した誤った「辞書や文法書を丹念に読めば、解決するものもあるようです。」と脳天気な戯れ事が並べられています。実際、ブログでは何も解決せず、問題提起とも単なる一人善がりともつかない Ｔｏｐｉ が積み上がっているだけです。当方が提示した、
言語はどんな矛盾を含んでいるか 【7】 言語表現の発展とレーニンの記号論の限界
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2748&id=99421965
の
人間の認識は、対象の在り方を忠実に捉えた部分と、これに加工されて発展させられた感情や判断や意志や欲求などの部分から成っています。後者は狭い部分しか占めていないが実践に当たって能動的な役割を果たしています。前者は当然に概念を形成しますが、後者はそうではありません。しかしながら、種類として捉えない限り言語に表現できないので、表現の面から強いられて認識の内部で概念的に捉え返され、助動詞や助詞に表現されています。これにも又、感性的な手掛かりが与えられています。 ／／
という理解が出来れば、異なった進展、展開となるのでしょうが？
「に」について
https://blog.goo.ne.jp/hakowin1/e/b9ccf90274363a1b030b9b0847065635
というブログも、
「に」について学研国語大辞典は次のように簡潔な注釈をしている。
《動作・作用が存在し、成立し、由来し、おもむくところ(=時間・空間・心理上ノ静止点)をそこと指定し、連用修飾句を作るのに用いる。》
と誤った辞書の記述を信仰するしかなく、又、[8]で明らかにした
杉村 泰
イメージで教える日本語の格助詞
を持ち上げる体たらくで所詮同類と云う他ありませんね！
■
2022-11-12 10:15:36NEW !
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12558420846.html
では、【助詞の話──場所を示す「に」と「で」】 と、本 Ｔｏｐｉ で提示した誤りを晒しています。極普通の日本語感覚からしても≪場所を示す「に」と「で」≫はありえないでしょう。このブログでは、
大前提として、助詞の話はむずかしいのでヘタに踏み込まないほうがいいようです。
「ガ」と「ハ」の話などは、専門書を何冊読んでも理解できないような難問です。
ただ、mixiで取り上げられているもののなかには、辞書や文法書を丹念に読めば、解決するものもあるようです。 ／／
と＜助詞＞とは何かが全く理解出来ていないことを告白されています。本 Ｔｏｐｉ で指摘した誤った「辞書や文法書を丹念に読めば、解決するものもあるようです。」と脳天気な戯れ事が並べられています。実際、ブログでは何も解決せず、問題提起とも単なる一人善がりともつかない Ｔｏｐｉ が積み上がっているだけです。当方が提示した、
言語はどんな矛盾を含んでいるか 【7】 言語表現の発展とレーニンの記号論の限界
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2748&id=99421965
の
人間の認識は、対象の在り方を忠実に捉えた部分と、これに加工されて発展させられた感情や判断や意志や欲求などの部分から成っています。後者は狭い部分しか占めていないが実践に当たって能動的な役割を果たしています。前者は当然に概念を形成しますが、後者はそうではありません。しかしながら、種類として捉えない限り言語に表現できないので、表現の面から強いられて認識の内部で概念的に捉え返され、助動詞や助詞に表現されています。これにも又、感性的な手掛かりが与えられています。 ／／
という理解が出来れば、異なった進展、展開となるのでしょうが？
「に」について
https://blog.goo.ne.jp/hakowin1/e/b9ccf90274363a1b030b9b0847065635
というブログも、
「に」について学研国語大辞典は次のように簡潔な注釈をしている。
《動作・作用が存在し、成立し、由来し、おもむくところ(=時間・空間・心理上ノ静止点)をそこと指定し、連用修飾句を作るのに用いる。》
と誤った辞書の記述を信仰するしかなく、又、[8]で明らかにした
杉村 泰
イメージで教える日本語の格助詞
を持ち上げる体たらくで所詮同類と云う他ありませんね！
■
【助詞「に」と「で」の違いがわからん！】
K先輩 2023年2月3日
https://cotohajime.net/2023/02/03/japanese-particle-ni-de/#i
では、相変わらず次のように（場所）という客体自体を取上げ問題にするしかない説明を繰り返している。
＞＞「（場所）に」の（場所）は、「うちに猫がいます」「NYに自由の女神があります」のような”存在する場所”のことです。その場所にくっついているイメージです。
「山の中に一人の赤鬼が住んでいました」赤鬼が存在する場所が「山の中」ということです。（『泣いた赤鬼』より）
一方の「（場所）で」の（場所）。「公園で遊んでおいで！」「最近、うちで仕事をする人が多くなりました」で、「公園」や「うち」は”動作をする場所”です。／／
「に」と「で」は話者による対象の捉え方が異なっているのであり、表現された結果としての客体自体を弄んでも何の解明、解決にもならないのである。
助詞を付属語などという形式／機能でしか捉えられないその言語観の誤りを自覚しない限り助詞「に」と「で」の使い方の相違を解明することも、説明することも論理的にできないことがりかいできていないことを露呈しているだけである。
これでは、全くいつもの千年一日ブログと全く同じである。■
K先輩 2023年2月3日
https://cotohajime.net/2023/02/03/japanese-particle-ni-de/#i
では、相変わらず次のように（場所）という客体自体を取上げ問題にするしかない説明を繰り返している。
＞＞「（場所）に」の（場所）は、「うちに猫がいます」「NYに自由の女神があります」のような”存在する場所”のことです。その場所にくっついているイメージです。
「山の中に一人の赤鬼が住んでいました」赤鬼が存在する場所が「山の中」ということです。（『泣いた赤鬼』より）
一方の「（場所）で」の（場所）。「公園で遊んでおいで！」「最近、うちで仕事をする人が多くなりました」で、「公園」や「うち」は”動作をする場所”です。／／
「に」と「で」は話者による対象の捉え方が異なっているのであり、表現された結果としての客体自体を弄んでも何の解明、解決にもならないのである。
助詞を付属語などという形式／機能でしか捉えられないその言語観の誤りを自覚しない限り助詞「に」と「で」の使い方の相違を解明することも、説明することも論理的にできないことがりかいできていないことを露呈しているだけである。
これでは、全くいつもの千年一日ブログと全く同じである。■
本ＴＯＰＩで明らかにしたように、格助詞「に」の意義が理解できないために下記のような全く混乱したピント外れな議論がなされている。
＞＞
「先生ニお電話をいただきました」 二の特殊用法？〈1〉〈2〉〈3〉
2023-10-29 17:32:11
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12166419612.html
では、
＞＞ 疑問点が２つあります。
1)個人的な語感では「先生に電話をもらう」に異和感があります。これが「先生にお電話をいただきました」だと異和感が強くなる気がします。気のせいでしょうか。
2)仮に「見知らぬ人にいたずら電話をもらう」だと、「恩恵」ではありません。むしろ「迷惑」でしょう。これも「先生に電話をもらう」と同じように使えるのでしょうか。 ／／
などと疑問が出されているが、これは格助詞「に」の意義の問題ではなく、動詞「もらう」「いただく」の意義の相違の問題である。
そもそも、助詞を付属語などという形式と機能で分類している限り、助詞という品詞類が何を表しているのかは全く不明である。それゆえ、文の意味を頼りに感覚的な議論に陥る他なくなる。
本Ｔｏｐｉで論じたように辞書類もこの品詞分類を踏襲しているだけなので、
に
■一■ （格助）
〔上代から用いられている語で，動作・作用が行われ，また存在する，時間的・空間的な位置や範囲を示すのが本来の用法〕【大辞林 】
と、「位置や範囲を示す」と客体自体を表すという本質的に誤った解釈しか提示できないのが現状である。■
＞＞
「先生ニお電話をいただきました」 二の特殊用法？〈1〉〈2〉〈3〉
2023-10-29 17:32:11
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12166419612.html
では、
＞＞ 疑問点が２つあります。
1)個人的な語感では「先生に電話をもらう」に異和感があります。これが「先生にお電話をいただきました」だと異和感が強くなる気がします。気のせいでしょうか。
2)仮に「見知らぬ人にいたずら電話をもらう」だと、「恩恵」ではありません。むしろ「迷惑」でしょう。これも「先生に電話をもらう」と同じように使えるのでしょうか。 ／／
などと疑問が出されているが、これは格助詞「に」の意義の問題ではなく、動詞「もらう」「いただく」の意義の相違の問題である。
そもそも、助詞を付属語などという形式と機能で分類している限り、助詞という品詞類が何を表しているのかは全く不明である。それゆえ、文の意味を頼りに感覚的な議論に陥る他なくなる。
本Ｔｏｐｉで論じたように辞書類もこの品詞分類を踏襲しているだけなので、
に
■一■ （格助）
〔上代から用いられている語で，動作・作用が行われ，また存在する，時間的・空間的な位置や範囲を示すのが本来の用法〕【大辞林 】
と、「位置や範囲を示す」と客体自体を表すという本質的に誤った解釈しか提示できないのが現状である。■
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