中国歴史なんでもコミュニティコミュの小籠包

１０年前に上海に住んでいた頃は「本場の中華は不味い」というのが率直な印象でした。そこそこに名の通ったお店に行きましても、凡そ味付けなどはまともにしていないであろう、炒めただけ、蒸しただけ、焼いただけ、煮ただけ、という中華が中心で幻滅したのを覚えています。

かつて、中国各地を旅行する度に、ガイドブックに載っているお店のほか、ホテルやタクシーの運転手に聞いたりしてそこそこ有名なご当地料理のお店に行ったのですが、全般には満足できる味にはたどり着けませんでした。

北京でタクシーの運転手さんに教えてもらった水餃子屋だけが美味しかったです。

が、最近は中国も全体的に豊かになったせいか、食に対して凝る風習が回復してきたように見られます。どこに行っても、美味しい料理にめぐり合えるようになってきました。

かつて、名コックは香港に集まりましたが、最近は香港から中国大陸に来るコックも多いようです。

さて、折角に上海にいますので、上海名物小籠包を極めたい、と思っておりましたところ、ちょうど地元フリーペーパーに小籠包特集が掲載されていましたので、早速に行ってみました。

写真は河南南路と文廟路の角にある「佳家湯包」という小籠包専門店です。

写真の通り、衛生状態はちと（可也）アレですが、味は上海で食べた中でも絶品でした。

皮の厚さも適度でつまんでも容易に破れず、然し口に入れて軽く噛んだとたんにプチっと弾けて肉汁があふれます。肉汁のほうも絶妙な味わいです。お値段は他の地場小籠包屋に比べますとややお高めですが、それでも一番高い蟹肉小籠包が１籠１６．５元（１２個入）と、日本に比べれば格安です。

さて、一応歴史コミュニティですので、とって付けたようですが、小籠包の歴史について。

小籠包は、上海市郊外の嘉定区南翔鎮が発祥で、１８７０年代に南翔鎮のお店が開発し、全国に広まったそうです。

因みに南翔鎮には、ここぞ発祥の本家、というお店があります。行ってみましたが、味は普通でした。

現在、上海市内の大半の小籠包屋さんは「南翔小籠包」と看板を出していますが、これは「南翔」とつけることで、本場物、という印象を宣伝しているものと思われます。が、もちろん、その真偽は不明です。

南翔の小籠包屋さんがあります嘉定区には幾つか歴史の見所がありますので、お時間のある方は小籠包を食べがてら、散歩されるのもよろしいかと思います。