ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ホーム > コミュニティ > サークル、ゼミ > 半蔵門かきもの倶楽部 > トピック一覧 > 第五十回 作品 匿名A 『恋愛...

半蔵門かきもの倶楽部コミュの第五十回 作品 匿名A 『恋愛契約』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コミュ内全体


(ハンドルネーム『分度器』の章)
(Barにて)
いらっしゃい。久しぶりだね。髪切ったよね。似合うよ。君みたいな美人はなるべく髪短くして顔出すといいよ。ギムレットだよね?タンカレーかブルーサファイヤか選べるよ。え?これ?今度、文芸部Aが50回になるっていうんで、記念に書こうと思っているんだけど、何書いていいのかわからなくてさ。
え?最近の変わったこと?引っ越ししたことかな?彼女と同じマンションに越したんだ。え?ぼくにも彼女はいるさ。まあ、そうは見えないってのも、よく言われるけどね。自由すぎるって?悪かったね。そのマンションの201号室がぼくの部屋で、301号室がぼくの彼女のミッちゃんの部屋なんだけどね。でも、今度のぼくの部屋はなかなかいい部屋だよ。1LDK,70平方メートル。玄関を入ってすぐのリビングルームに大型テレビモニターとソファセット、書棚とデスク、隣にキッチンと対面式カウンター、一番奥にクイーンサイズのベッドの入った寝室。ちなみに真上のミッちゃんの部屋も、間取りも家具もほぼ同じ。ただ違いは、彼女の趣味のSMプレイのための吊り設備が彼女の寝室にはあるということかな。昨日の夜も上の301号室がやたらにうるさかったんだよ。
午前1時頃までは リビングのほうから、ロック音楽と彼女の機嫌のいい歓声と2、3人の青年の声がしていたんだけど、その後は、寝室から、ボレロのCDがながれ、鞭の音と彼女の悲鳴やうめき声が聞こえ、男たちのここでは言うのもはばかる卑猥な罵声が聞こえてきたんだ。
でもね。こういうことは、ミッちゃん的には珍しいことではないんだ。ぼくとしては、後で、そのときの状況をミッちゃん自身から事細かに聞いたり、ときには、そのときにいた男の一人または数人も入れて、再現したりするのが、結構、楽しみだったりする。
え?変態だというの?そうだね。まあ、変態だね。しかも、ぼくの生活は、理想的な生活だと今のところ思っているよ。これも、ぼくとミッちゃんが『恋愛契約書』を取り交わしているからだと思う。
え?『恋愛契約書』が何かだって?ここにあるから読んであげるよ。
恋愛契約書
AとBは以下の条件で恋愛をする。
1.AとBは互いに好きなときに相手とセックスでき、お互いにSMプレイ、複数プレイ、スワッピングなどどんな変態的行為も拒んではならない。ただしBが生理中のときはこの限りではない。
2.AおよびBは絶対に将来一緒にならない、即ち結婚をしないし、同棲もしない。
3.AおよびBは互いに氏名、年齢、家族、職業、出身地などの個人情報を聞かないし、また、話さない。
4.ABは互いに相手が誰とでもセックスする自由を尊重し「昨夜は誰とどこにいたの」などと詮索しないことを厳守する。
5.AまたはBが上記のいずれかの条項に違反したときは、この契約は効力を失い、お互いに、相手のメールアドレス、電話番号などのすべての痕跡を削除し、一切の関係が遡及して無かったものとする。AまたはBがこの契約を破棄したくなった場合も、同様とする。
そして、最後にAの署名欄にはぼくの名前の代わりにぼくの性器にインクを塗って押し付けた鮎の「魚拓」のような跡がある。Bのそれにはミッちゃんのあの部分のアワビの「魚?拓」のような跡が押捺されている。
え?名前?もちろん本名じゃないよ。ぼくがハンドルネームの『分度器』からブンちゃん、彼女が『ミシン』からミッちゃんとお互いを呼びあうようになったのさ。ちなみに、君だから教えるけど、ぼくのハンドルネームはね、ぼくの本名が文人(ふみと)からきているんだ。子供のころから『ブント』と呼ばれてきたことが由来なんだよ。彼女の名前は仕事がアパレルなのか、あるいは、趣味で洋服を自作しているとかなのだろうが、契約に違反するので、聞けないけどね。
(マンション201号室にて)
はーい。あ、君か。本当に来てくれたんだ。引っ越してから遊びにきてくれた女子は君が初めてだよ。靴を脱いで入っておいで。大丈夫だよ。いくら、ぼくが変態でも、読書会の子をいきなり襲ったりしないから。
え?SMの装置が見たい?なんだ、それが目的だったのか。残念ながら、ぼくの部屋にはないんだよ。この上の301号室。ミッちゃんの寝室に行かないと。
え?連れて行って欲しいの?無理、無理。プレイの相手以外の友達を連れて行ったことないし。だって、ぼくの個人情報を君が口走らないとも限らないだろ?え?ぼくの個人情報なんか知らないって?彼女じゃないんだからって?まあ、ぼくの場合「彼女」も、ばくのこと知らないんだけどね。だからこそ、上手く行っているって言うか。そしたら、ぼくが読書会をやっているとかも、言わないでいられるかい?いや、そもそも、ぼくがBarをやっているとかも言っちゃだめなんだよ。会話は、映画のこととか、ファッションのこととか、お気に入りの店のこととかだけにしてさ。ま、コツをつかめば、できると思うけどさ。でも、危険だな。え?君の貞操じゃなくて、君が口を滑らせないかってことが。ま、基本、挨拶以外、口をとじていなよ。それを守れるなら、上の部屋に連れて行ってあげる。


(ハンドルネーム『ミシン』の章)
(マンション301号室にて)
はーい。あ、ブンちゃん。可愛い子つれちゃって、どうしたの?え?私の部屋が見たいと言うので連れて来たって?あなた、ブンちゃんから私たちの『恋愛契約』のこと聞いていますか?あ、そう。聞いて知っているるんですね。ならば、ルールを守って下さいますね?だったら、いいですよ。どうぞ。お入りになって。
お土産なんて、お気を使わないでください。これ、『しろたえ』のチーズケーキですよね。私も好きなんですよ。紅茶にします。それとも、ワイン、お好きですか。セラー買ったんですよ。よかったら、ご覧になります?えーと、あなたのお名前は、『ジュス』さんでよろしい?お会いした第一印象がジュスティーヌ(作者註:マルキ・ド・サド「美徳の不幸」の女主人公)なんですもの。
こちらのカウンターにどうぞ。オリーブお好き?シャブリによく合うでしょ。私とブンちゃんとの関係がステキですって?ありがとうございます。私もブンちゃんと出会えたのは感謝しているんです。東京に住んでいて、SNSが発達していなければ、『恋人契約』は無理だったでしょうね。もう、契約してから何年になるかしら。こんなに長く続いた恋人はいないわ。よく、相手とセックスしなければ、飽きないし、長続きするって言うでしょ。でも、セックスはしまくっても、言葉を交わさなかったら、もっと永く続くと思いませんか?つまり、肉体的なことより、お互いに踏み込まないからこそ長続きすると思うの。ピンときませんか?例えば、合コンするとき、男女ともお互いに個人情報の探りあいみたいなところあるでしょ?たとえば、病院研修医の医者が、合コンで、交際相手を探すとき、まあ、ルックスは最小限チェックするわよね。で、相手に聞く。親は?病院持ち。兄弟は?なし、一人っ子。住所は?麻布。じゃ、好きになりましょって?バカじゃないのって思っちゃう。こういう交際に限って、相手との関係を守ろうと、怪しいと言っては興信所たのんだり。自分はパートナーに浮気されるような、魅力のない人間ですって、触れ回っているようなものよね。自分のちっぽけなプライドと現状を守るために必死になっちゃって。あ、ごめんなさい。つい夢中になっちゃって。でも、交際相手は、ただ、男と女としてだけお互いを見るだけにしたいの。体形とかルックスとか声の良さとかセンスの良さとか思いやりとかセックスの志向とか、それは、大事だと思うの。でも、お金持っているかどうかとか、社会的地位や家柄とか、学歴とか、デートのお店とか、そんなのはどうでもいいことでしょ。いい車乗って、高いお店行って、ブランドものをプレゼントしてって、そこまではいいわ、それが日常の人なら。でも、自分の収入の高さや社会的地位を匂わすようなことを言われたら、私はもうだめなの。それで『恋愛契約』を結べるような相手をSNSで探したらブンちゃんが見つかったってわけ。ブンちゃんとは会ってすぐに、この人なら『恋愛契約』を解ってくれると思った。それで、いろいろ話をする前に恋愛契約書を、「私の希望」と言って、待ち合わせたカフェのテーブルの上にだしたら、彼、「いいよ」といって、そのまま、その上にあるホテルの部屋に私を連れ込んだの。初めて会ってから1時間後には二人はベッドの中でセックスを終えてチリワインを飲んでいたわ。ぼくたちは名前も必要ないんだから、といって、ブンちゃんはポケットから万年筆を出して、ホテルのティーカップのソーサーの上にインキカートリッジからインキを絞りだした。そして私がプリントしてきた『恋愛契約書』の署名欄に自分のペニスにインクをつけて印を押すように押し付けたの。「さあ、君も」と言われて私もそうしたわ。まあ、うれしい。ジュスさんも賛成してくれるのね。私たち、いいお友達になれるわ。もう、グラスが空よ。今度は重めの赤はどう?ゆっくりできるんでしょ?柔らかい手しているわね。
あ、ブンちゃんがいるのが気になるのね。ブンちゃん、この子は残るから、ブンちゃんは先に帰って。じゃあ、またね。


(ジュスの章)
私は、マスターに「君、残るの?」の聞かれてうなずいた。彼はちょっとびっくりした顔をしたけど、「じゃあ」と言い残して、あっけなく、部屋を出て行ってしまった。ミッちゃんさんは、マスターが出ていくが早いか、私をリビングのソファの上に押し倒した。改めて見ると彼女は、信じられないほどきれいだ。彼女は私の首筋に舌を這わせて耳を優しく咬み、私の目を見つめながら、唇を吸った。初めての女同士のキス。でも、嫌ではなかった。やがて舌が唇を割って口の中に入ってきた。私も夢中でその可愛い舌を吸った。気が遠くなるほど長いキスのあと、ブラウスのボタンを外されて、ブラをずらされて、指と舌でねっとりとバストを攻められた。あまりの気持ちよさに、私は思わず声を上げる。それを合図に、ミッちゃんさんの指は、スカートのすそをまくって、下着のゴムをくぐろうとした。私は、反射的にその手を押さえてしまう。「ダメ、そこは」。ミッちゃんさんは「わかったわ」と言いながら、手をひっこめた。しかし、次の瞬間、ソファの横のサイドテーブルの引出しから何かを取り出して、素早く股間を押さえている私の手首にそれを押し付けた。ガチャ。それは手錠だった。「何をするの」「あなたがして欲しいことよ」そういうと彼女は後ろ手に私のもう片方の手を引っ張って背中で両手を合わせるようにして手錠をかけた。「立ちなさい」命令されたが、びっくりしてしまって、どうしていいのか分からない。「立つのよ」彼女は私の髪の毛をつかんで無理やりソファの前のカーペットの上に私を立たせた。「動いちゃだめよ」そう言いながらミッちゃんさんは素早く私の下着の中に手を入れる。「こんなに濡らして。悪い子ね」私は恥ずかしくて真っ赤になった。「いろいろお仕置きをしてあげるからね」
寝室のドアが開かれ、ミッちゃんさんに腕をとられて中に入る。窓はないようだった。薄暗い間接照明に照らされて、部屋の真ん中に巨大なベッドが横たわっていた。ベッドの4隅の足はマットの上まで伸びているデザインで、よく見るとその足には鎖が取り付けられていた。部屋の正面の壁に目をやると、X型に太い木が張ってあって、上部と下部に革のバンドが取り付けられていた。高い天井には、太い梁が渡されて、そこに、鉄工所の天井にあるような、滑車や、チェーンが数個取り付けられいくつかの鉄の輪が下がっていた。右の壁には、先が何本かに分かれている革製の鞭や、細かく編み込まれて1本になった鞭、きれいに束ねられた何本もの縄が下がっている。左の壁は棚になっていて、白い和蝋燭や、ローションのボトル、電動マッサージ器、ディルドというのだろうか初めて見る張形など、性に関する様々なグッズが置かれていた。「ジュス。想像していたのと違った?」「よく、わかりません。SM、初めてなんです」「素質は十分あるわ。これから調教してあげる。緊縛してほしい?」「え?」「縄で縛られたい?」「わかりませ…」言いかけて、ミッちゃんさんの背後のドアに掛けてある何枚かの写真に見入ってしまった。それは、ミッちゃんさんが、長じゅばん姿や、キャミソール姿で、緊縛されて、吊るされている姿の写真だった。美しい。とびぬけた美女の彼女が苦悶の表情を浮かべ縛られ吊るされている姿は今まで一度も見たことのない妖艶な美だった。「きれい」私は思わず声を上げた。そして、気づいたときには自ら口走っていた「縛ってください」。
ミッちゃんさんは、手錠を外してブラウスとスカートを脱がせ私をキャミだけの姿にした。壁から縄束を外すと、私の腕や腿をゆっくりと縄束で撫でた。私はそれだけで、吐息を漏らしてしまった。「いろいろ教えてあげる」ミッちゃんさんが私の耳元にささやく。私は自分が写真のミッちゃんさんと同じように縛られた姿を想像した。そのとき『地震』のように足元が揺れるのを感じ、身体に電流が走った。そして私は奴隷のようにこの女主人に自分の全部を、預けてしまいたいと心底思った。「ずっと、ついていきます。お願いです。私を妹にして可愛がってください」ミッちゃんさんは微笑むと言った「可愛い子。いいわよ」「本当ですか」「本当よ」「そうしたら、私とも恋愛契約してくれますか?」ミッちゃんさんは一瞬酔いが醒めたような顔になったが、すぐに「わかったわ。ほかの男とも女とも自由に何をしてもいいけど、私からは、もう、離れちゃダメよ」ときっぱりと言った。

(ハンドルネーム『分度器』の章)
いらっしゃい。久しぶりだね。雰囲気変わったね。大人の女って感じになったよ。え?ギムレットじゃないの?ウォッカリッキーか。スミノフでいい?あと、ピスタチオだね。え?これって、ミッちゃんがいつも注文するものじゃないか。まさか、君? ま、いいか。何も聞かないよ。『恋愛契約』破ることになると困るからね。でも、君と義兄妹ってなんか嫌だな。え?君もぼくも、趣味が良い証拠だって?ま、そういうことにしておくか。(終わり)

コメント(2)

この作品、文芸だと思うとよくわからないのですが、魔夜峰央の絵柄に変換してみたら、ものすごくしっくりしました。発見!
>>[1]  良く読んでいただき、ありがとうございます。忌憚のないご意見は貴重で、参考になり、原動力になりますので、また、よろしくお願いいたします。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

半蔵門かきもの倶楽部 更新情報

半蔵門かきもの倶楽部のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。