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テニプリファンタジー小説コミュの(第13章)(後編)(テニプリファンタジー)「慈郎の決断」

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コーチ達が復旧作業に追われる中、天空の戦士は悠々と、慈郎の部屋を見つけた。
「これで、天空の覇者は終わる。我こそが、真の天空の覇者となるのだ」
と、戦士が攻撃しようとしたその時、突然部屋の明かりが点いた。
「何!?」
戦士が、入口を見ると、そこには跡部と侑士がいた。
「慈郎なら、他の部屋でおねむだ」
「まったく、姑息な手段使いよるな〜」
「我をはめたのか。卑怯者め!」
「それはこっちのセリフだ。大体、あいつは自分が覇者になったとは思っちゃいねえ。ただ、その精霊と友達になりたいだけだ」
「友だと? そんなちゃちな理由で、あの力を使いこなせるとでも思っているのか?」
「少なくとも、破壊に使おうとは、全く考えていないのは確かだぜ」
「なんだと?」
「その口振りからすると、お前、あの力で世界を我がものにしようとか考えとったみたいやな」
「となると、あいつにあの力を渡しておいて、正解だったみたいだな」
「なんだと!? あの力は、本来なら、我々が使うべき力だ! ただの人間如きが使って良い力ではない!」
「だが、契約は成立している。今本人も、どうすれば力が使えるか模索中だ」
「あいつも新しい力もろたからな。でも、天空となると、かなりでかい力や。それを操ろうと思えば、それなりの体力や魔力が必要になってくる」
「だが、あいつには、そんな魔力はねえ。だから、今は必死でそれを考えている」
「悪いけどアンタには、人質になってもらう・・・」
「させるか〜・・・」
と、戦士は、ステッキのような物を取り出し、いきなり攻撃してきた。
だが、それは、侑士のバリアで、簡単に塞がれてしまった。
「往生際が悪いぜ。フォレスト!」
跡部のカードから発せられたフォレストは、戦士に絡みついた。
「ぐわ!うう」
「さ、おとなしく、俺らと来てもらうで」
「我は、我は正当な後継者だ。人間如きに、あの力を・・・ウ、ウグう〜〜〜」
「少し黙ってろ」
と、跡部がその者の口にガムテープを貼った。

一方慈郎は自室で、天空の覇者の姿になり、祈っていた。自分が使える力を、戦うため、大事な人たちを守る為の力が欲しいと。

すると、しらずしらずの内に、慈郎の体がフワリと浮かびあがり、体がわずかに光を放っていた。

そして翌日、3番コートで、練習が始まり、慈郎もそれに加わっていた。

だが、昨日と感じが少し違う。

怖くないのだ。何に対しても、怖くない。

そして、やはり天は、是が非でも慈郎の力を奪おうと、天空から槍や矢が降って来た。

選手たちは一目散に、合宿所内に逃げ込む。だが、慈郎は逃げようとしなかった。
「もう、大丈夫。俺、皆を助けたいから」
と、慈郎は天空の覇者の衣装になり、体を光らせる。
意図を察した侑士が、慈郎の前に立ち、シールドを形成する。
「分かったみたいやな。慈郎」
「うん。俺、昨日、お話したんだ。そしたら、力の使い方を教えてくれた。俺、この力で、皆を守りたい! だから俺も、戦う!」
その言葉に反応したかのように、慈郎の体がキラキラと光る。
「慈郎、お前・・・」
「今まで心配かけてごめんね。でも、もう大丈夫だよ」
そして、今度はドラゴンに乗った天空の一団が攻めて来た。
「行くよ。まずは・・・」
突然黒雲が空を覆い、落雷を降らせた。それらは全て、天空から攻めて来た者に当たり、墜落させる。そして、次に竜巻を起こし、
それを操って、天空の者を空へ
返した。

「慈郎、やるやないか」
「へへ・・・でも、ちょっと・・・」
と、いきなり慈郎の体が傾いた。
「慈郎!」
「お、忍足・・・ごめん・・・ちょっと・・・ね、む・・・い」
とそれだけ言って、彼は元のジャージ姿に戻ってしまった。
「無理もないか。攻めて来てた奴、ほとんど一人で片づけてしもたもんな。ゆっくり休み」
侑士はそう言って、シルフィーユを呼び出し、風で慈郎の体を持ち上げ、宿舎に運ばせた。
すると、玄関先で様子を見ていた跡部が声をかけた。
「忍足。どうやら、成功したようだな」
「ああ。こいつの決断力には恐れ入ったで、まさかあないな方法で、敵を追い払ってまうんやからな」
「いや、こいつのは、決断力と言うより、皆を助けたいという気持ちの方が強かったって事だ。それが、奴を天空の覇者として、
目覚めさせたんだろう」
「これで、文句はないよな」
「・・・・・」
「まだたらへんちゅう顔しとんで、こいつ」
「確かに、こいつの力は、まだ半端なもんかもし知れねえが、それでも、仲間を大切に思う心はある。だからこいつは、
天空の力で、奴らを天に帰した」
「フン! あの程度の力で、天空の覇者になれると思って・・・ギャアアア」
フォレストに締めあげられ、戦士は暴れた。
「わ、わかった。認める。やつこそ、真の戦士だ〜!!」
「大げさなやっちゃな〜。ゆうたやろ?あいつの力はまだ未完やて、だから、まだこれから学ばなあかん事がぎょうさんあるんや。
悪いけど、あんたには、ここに残ってもらうで」
「な、なぜ我れが、貴様ら人間如きにあの力の使い方を伝授せねばならぬ!」
「そらもちろん。慈郎を正当な天空の覇者にする為や」
「な、何だと!? 地上の人間に、天空の力が使えると本当に思っているのか!? 残念だな。天空の力は、
天空の人間でしか、使う事は出来ない!事実、少し力を使っただけで、このありさまだ。お前ら地上の人間が、
天空の力を使える事等、断じてないんだ!」
「だが、力を使えるというのは証明された。後は、本人の魔力と、練習次第でどうにでもなる。確かにアンタのいう通り、天空の力は、
天空人が使ってこそ、意味があるのは確かだ。だがな、その力は、今慈郎の中で眠っている。つまり、完全に覚醒させるには、
それなりの鍛錬が必要だが、今はその時ではない。それに、
今ここで、お前に力を返したら、間違いなく、お前は世界を我が物にしようとするだろう」
「ぐ、グウウ」
「悪いが、あの力は、慈郎の力だ。もう、あの力を使えるのは、慈郎しかいねえよ」
「それでは宝の持ちぐされだな」
「そうともいうけど、少なくとも、アンタみたいに、悪いようには使わんみたいやで」
「なんだと!?」
戦士が慈郎を見てみると、慈郎の体がキラキラと光っている」
「こ、これは、天空の覇者の証!? 何故だ!?」
「それは知らん。でも、こいつがこの力を使いたいとおもた時に発動せんかったら意味をなさへん。せやからアンタには、
慈郎の専属トレーナーになってもらうで」
「・・・了解した」
「ほな決まりやな」
跡部も納得し、フォレストを外した。
「そういうたら、あんた名前は?」
「レイラだ」
「レイラか。ええ名前やな。ほな、慈郎の事、よろしゅう頼むで」

こうして、慈郎は正式に、天空の覇者となり、慈郎の力をコントロールするコーチが着く事になった。

「あ、でも、まだコントロール出来んちゅう事は、勝手に発動させる可能性もあるわけやんな?」
「ああ。そいつをどうにかしないとだな。こいつの体、まだ光が出ていやがる天空の力は、予想以上にレベルが高いみてえだな」

そしてその夜。
鳳達の部屋に集まった跡部達は、リースに事の次第を告げた。
無論、さすがに話がちょっと聞かれるとまずいので、同室の3人には申し訳ないが、しばらく席を外してもらった。
「まだ完全にコントロールしきるのは無理でしょう。ヘタをすると、その力のせいで、自分自身を壊しかねません」
「どうすればいい?」
跡部の問いにリースはあるリストバンドを出してきた。
「これは?」
「それを付けておいてください。外見上は、ただのリストバンドにしか見えませんから、周りに不信がられる事もないでしょう」
「なるほど。つまり、抑え役というわけか。確かにこれなら、こいつの光も抑えられる」
跡部は早速、まだ眠っている慈郎に、リストバンドを付けると、光が消えた。
「これでなんとかなりますね。でも、天空の力ってそんなにすごい物なんですか?」
「実際、私も見たわけではありませんから、どんな物かは分かりません。しかし、この世を統べるとまで言われた程の力です」
「そんなすごい物を、芥川先輩が」
「まっさかこいつがそんなすっげえ力持っちまうとはな〜。で、抑える方法は分かったとして、こいつ力を伸ばす方法ってのは?」
「一応特別コーチとして、レイラが付く事になった」
「レイラってさっき赴任してきたばかりの人ですよね? あれがレイラさんだったんだ」
「一応メンタルコーチに言って、だまっててもらってるがな」
「手回しのはええ奴」
「こうでもせえへんと、暴走した時が怖いからな」
「・・・たしかに。これほど大きな力を持ってしまったわけですから、なんとかして、慣れさせるようにしないといけませんね」
「まったく、こっちも練習で忙しいのに、大変なもん持ってしもたで」
「でも、あれ以来、空からの攻撃もありませんし、良かったんじゃないでしょうか」
「ま、鳳のいう通りやな。あれ以来、奴ら手を出してけえへん所をみると、相当ビビったんやろうな」
「でも、芥川の奴、まだ起きねえけど、大丈夫なのかよ?」
「脈はちゃんとあったし、さっき医務室に寄って来たんやけど、ただ、寝てるだけやったみたいや」
「ならいいけどよ・・・」
「心配・・・ですよね?」
「なら、夢の中へ、調べに行くか?」
「あ、そうかその手があった」
全員は精霊の衣装になると、鏡の中へ入った。鳳のクロスを目印に、慈郎の夢を探す。
と、それはすぐに見つかった。
彼の夢はやはり、天空の覇者の力の影響で、キラキラと光輝き、まるで、天空にいるような光景だった。。
そして、夢の中の慈郎自身も、この力のせいで、眠らされていた。
「やっぱり、パワーがでかすぎて、本人まで寝かされちまってる」
「しゃーない。起こすしかないわな」
「おいおいいいのかよ?忍足。ヘタしたら暴走するって・・・」
「それはねえだろう。さっきリストバンドを付けてきている。夢の中まで暴走することはねえよ」
「芥川先輩。芥川先輩」
「おい、芥川、起きろっての」
「う、う〜ん・・・あれ?丸井君。あれ?なんでみんなここにいるの?それに、俺の夢、なんだか、空の上にいる感じだC〜」
「天空の力のせいや。お前があんまりにも起きひんから、心配になって見に来たんや」
「そうだったんだ。ごめんね皆。心配かけて」
「この様子なら、もう大丈夫だな」
「うん。俺、もう大丈夫。体のだるさももう消えたから、そろそろ起きるよ」
「ほな、俺らは現実世界に戻るわ」
「うん。向こうで会おうね」
そして、みんなは現実世界に帰って来ると、さっそく慈郎の様子を見に行った。

幸い彼は起きてベッドに腰かけていた。
「大丈夫か?慈郎」
「忍足・・・ごめんね。心配かけて」
「すっかり顔色もいいみたいだな」
「うん。みんなのおかげだよ。ありがとう」
「とりあえず、消灯時間だ。お前も部屋に帰って休め。鳳、お前はルームメイトにもう戻って良いって伝えろ」
「はい」
「ほな俺も寝るわ。ふわ〜。なんかさっきからだるうてかなわん。部屋帰って、ゆっくり寝るわ」
「それじゃ俺も、戻らせてもらうぜ」

そして、皆が寝静まり、慈郎は翼で自分を包んで眠った。
「やっぱりこっちの方が暖かいC〜」

こうして、慈郎は新しい力が使えるようになり、それを引き出すための教師が付いて、さらに力を制御するためのリストバンドもついた。

はたして、彼は真の天空の覇者となれるのだろうか? 今後の彼に期待だ。

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