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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 随想◆ 屮リーブの木」

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コミュ内全体

2020-06-01 07:31
 英国大使館前の内堀通りと皇居の半蔵濠の間に、長さ450m、横20mの公園がある。桜時期にはライトアップされ、花見で賑わう。

 場所がいいので、様々な用途に使われてようだ。公園内を歩くと、木々の間に「第一東京市立中学校 発祥之地」や「麹町高等小学校 校舎跡」「消防練習所跡」の碑がある。更に「英国大使デニングが1957年離任に際し,しだれ桜を植樹したのを記念して」の碑もある。

 この公園には見晴らし台がある。5段上ると、半蔵濠が見下ろせる。正面には皇居がある。うっそうとした木々で見えないが、天皇・皇后陛下の居住区はその先にあるようだ。人々はこの見晴台に立ち写真を撮り合う。

 この一等地の見晴台の横に、「オリーブの木」が一本ある。淡い緑色の、小さいはっぱを多くつけている。実は見たことはない。この公園は絶えず警官が見回っているから盗まれたのではなさそうだ。調べたら、オリーブは「自家不和合性が有るため同一品種の花粉では結実し難い」とある。実をつけなくとも不思議はない。
この公園の主役は桜である。濠との境にはつつじが植えてある。桜やつつじの葉の緑は濃い。その中に淡い緑色の葉を持つオリーブの木一本は何となく違和感がある。解説板には「千代田区とイスラエル大使館との友好と強い絆を記念して イスラエル大使館」とある。ここから約7,8百メートル先、二番町にはイスラエル大使館がある。イスラエル大使の活躍が目に見えるようだ。

 私は私で、この「オリーブの木」を見ると一冊の本を思い浮べる。トーマス フリードマン著『レクサスとオリーブの木』である。フリードマンは、米国で年間の最優秀報道などに送られるピューリッツァー賞を三度も受賞した米国の代表的ジャーナリストだ。

 私は『レクサスとオリーブの木』という本の標題をみて戸惑った。レクサスはトヨタの最高級車、他方オリーブの木は中東や地中海にある木。共通項がありそうには見えない。まさに、共通項がない所が彼の論の核心だった。

 フリードマンはトヨタの工場を見学した。そして新幹線でヘラルド・トリビューン紙を読む。パレスチナ問題が書いてある。植わっているオリーブの木が誰に属するかを巡って、イスラエル人とパレスチナ人が争っている。殺し合いがある。
ここから彼は凄い発想を展開する。
「オリーブの木は大切だ。私達をこの世に根づかせ、錨を下ろさせ、アイデンティティを与え、居場所を確保してくれる全てを象徴する。他方レクサスは昨日と同じ生活を維持し、同時に昨日より発展し、繁栄し、近代化したいという要求が、今日のグルーバリズムの中で具現されたものを意味する」。そしてこの二つの潮流が世界情勢を見る鍵だという。

 当然、フリードマンは、一本の木を巡って殺戮し合うイスラエルとパレスチナの事情に批判的である。「世界の人々はレクサスが日本製だから買うのではない。誰が作ろうと、素晴らしいものを愛でる。そういう社会がいいのでないか」と主張した。

 千鳥ヶ淵公園の「一本のオリーブの木」。それは何のメッセージを投げているのだろう。

コメント(2)

フリードマンといえば、経済学者しか思い出しませんが、こんな立派なジャーナリストがおられるのですね。
>>[1]

ええ、
素晴らしい表現者ですね。

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