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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】 例えば高額療養費制度を使えなくすれば、それはやがて日本人にも跳ね返ってくる

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コミュ内全体

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「余命3カ月」を知人が誤訳 外国人患者の医療受け入れ体制整備が急務

訪日外国人は年間3千万人を超え、在留外国人264万人、
超過滞在者は7万人に上る。
入管法改正で、今後5年間に最大34.5万人が入国する。
だが、医療の受け入れ体制の整備は進まない。


40代のネパール人女性、ガンガ・ダンゴール・栗原さんは、
12年前、医療通訳として初めて患者と向き合った。
千葉県の病院のベッドに小学1年の男の子が寝ていた。
目は虚ろで「痛い」とか細い声で言う。
医師は「脳腫瘍で余命3カ月」とネパール人の両親に告げた、はずだった。
しかし、調理人の父と母の表情は妙に明るい。
ニコニコしている。
通訳を知人に頼んでいた。
おかしいと病院側は感じ、ガンガさんが派遣された。

ガンガさんは日本語検定1級の資格を持つ。
保健医療NGOで専門の研修を受け、医療通訳デビューしたばかりだった。
医師の前で「この子は3カ月経ったら死にます」と直裁に両親へ伝えた。
一瞬、シーンと静まった後、「なぜ、正しく説明してくれなかったのだ!!」
と両親は泣き崩れ、半狂乱となった。

ガンガさんは回想する。

「前の通訳は『余命』の意味を理解していなかった。
日本の大病院で最先端の治療をしてもらってるから、子どもは治る、
と正反対のことを言っていた。
8時間かけて、先生の説明を逐語で通訳し、やっと両親は
覚悟してくれました」

1時間1万円の通訳料と交通費は病院と外国人支援団体が払った。
その後、ガンガさんは電話による医療通訳の会社、メディフォンなどと
契約し、活動を続けている。

外国人の急増で医療現場が混乱気味だ。
ところが、外国人患者に必須の「医療通訳」になかなか光が当たらない。
病院での言葉の壁が、どれほど誤解と恐怖、医療事故のリスクを
はらむか、想像してほしい。


病院を守るために必要

東京都文京区の東京医科歯科大学医学部付属病院は、「救急車を断らない」
をモットーに、外国人患者も受け入れる。
保険に未加入で医療費全額自己負担の患者も運ばれてくる。
医療費の未収や、さまざまな同意が得られにくいリスクもある。

昨年、ある外国人患者がカテーテル検査を受けた。
事前に医療通訳を介して検査方法や起こりうるリスクが
説明され、同意書にサインした。

だが、検査中、静脈から注入する造影剤が漏れる。
偶発的に起きる症例だった。
検査後、患者が痛みを訴え、家族は病院の責任を問う。

ここで、昨年4月に設立された国際医療部の医療コーディネーター、
二見茜さんが患者側と向き合った。
携えたビデオ医療通訳のタブレット端末で、患者の母語を選ぶ。
LTE回線で通訳者とつながり、家族と対話した。
家族は同意文書で造影剤漏れのリスクも説明されていたことを
確認すると納得した。

「医療通訳は患者へのサービスである一方で、医療スタッフを
トラブルや訴訟から守る効果があります。
医療費の未払いも、退院時に突然高い金額を言われて払えない
というのが最も多い。
あらかじめ患者が理解できる言葉で概算金額を伝え、
相談して解決してきました。
医療通訳は、病院を守るためにも必要です」

と二見さんは述べる。
実際に東京医科歯科大では多言語の医療通訳システムを活用する
ようになって未収金が激減した。

気になる医療通訳のコストだが、東京医科歯科大は通訳タブレット1台
を月額4万円で契約している。
定額制なので何度使ってもこの料金内。
定額制の秘訣を「多くの医療機関の方々に通訳を共有していただいている
からです」と開発したコニカミノルタの担当者は言う。


医療保険への規制

さらに、医療現場の混乱を助長するのが外国人の医療保険への加入の問題だ。
外国人が利用する公的医療保険には、大企業従業員が多い組合健保、
中小企業従業員の協会けんぽ、留学生や自営業者も入れる国民健康保険
(国保)がある。
加入すれば日本人同様、窓口負担は3割だ。
政府が成長戦略の柱とする医療ツーリズム利用者や観光客は、
全額自己負担が前提なので民間医療保険や旅行保険に入って備えることとなる。

近年、一部メディアが、協会けんぽの扶養家族が海外在住者に不自然に適用
された例や、留学生もしくは経営者と偽って国保に加入し、高額療養費制度で
安く治療を受けるケースを報じた。
政府は「規制」をかける案を示している。
「協会けんぽの扶養家族は日本居住者に限定」
「国保は自治体の窓口での資格や活動の調査権限を強化」
といった内容である。


外国人も国保を担う

しかし、扶養家族の予想外の利用は、もともと協会けんぽの加入審査が
口頭で済むほど緩かったことにも起因している。
昨年3月、厚生労働省が協会けんぽの運営主体に審査の厳格化を通知し、
この穴はふさがった。
扶養家族の不適切な利用はかなり減ったとみられる。

国保についても、「なりすまし」は構造的問題とは言い難い。
厚労省の利用実態調査では、外国人の国保加入者は99万人で
日本人と合わせた全加入者の3.4%を占める。
これに対し、2017年度に外国人が国内で使った国保の医療費は
961億円で0.99%、
海外療養費1.7億円を含めても全体の1%を超えるかどうかだ。

つまり、外国人の国保加入者は、総じて若くて健康な人が多く、
日本人の利用の3分の1以下にとどまる。
赤字まみれの国保財政の担い手なのだ。

ごく少数の例をもとに医療保険を制限すれば、不公正でいびつな
制度になるのではないか。
1990年代初頭から外国人の医療・保健活動に取り組んできた
神奈川県勤労者医療生活協同組合港町診療所長・沢田貴志医師(56)
は、こう語る。

「外国人の医療利用は少なく、むしろ遅れて重症化しがちです。
きちんと保険に入り、早く受診してくれれば医療費も少なくすむ。
公衆衛生の面からも条件面で差をつけるべきではない。
高額療養費を使う際は日本人と同じようにソーシャルワーカーが
通訳とともに入り、生活実態を確かめながら面談すれば不正の芽も摘めます」

厚労省元保険局長の唐澤剛さん(61)は、
「国民皆保険という日本の良い医療保険はすばらしい外国人人材を招く
大きな要因と考えるべき。
明確な悪質事例には対処が必要だが、医療保険の制度改正で不適切な
利用を規制するのは難しいと思う」
と言う。


入ってくるのは人間

医療保険の不適切な利用では医療ツーリズムに関わるブローカーの存在が
医療機関から報告されている。
入管、通商の仕組みで規制するのが本筋だろう。
大多数の外国人が適正に使う医療保険を変えるのは本末転倒。
角を矯めて牛を殺すに等しい。

外国人労働者を雇う雇用主の責任も問われる。
協会けんぽに加入させねばならない外国人を
会社側の保険料負担のない国保に押しやる。
国保にも入れず、放っておく例もある。

東京都内の基幹病院の関係者は「労災隠し」を指摘する。

「工事現場で働く技能実習生が落下物で負傷して日本人上司と来院しました。
保険証がなく、明らかに労災。
でも、上司は労災と認めず、医療費全額を払って帰った。
労災保険料の値上がりや会社の評判を落としたくなかったのでしょう」

政府は、入管法を改正し、事実上の移民解禁へと舵を切った。
入ってくるのは労働力ではなく、人間だ。
海を渡ってきた隣人を医療制度の別枠に入れ、
例えば高額療養費制度を使えなくすれば、それはやがて日本人にも跳ね返ってくる。

平等な国民皆保険を守り、外国人も包摂するビジョンが求められている。

ノンフィクション作家 山岡淳一郎 【AERA 2019・1・21】

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