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石原莞爾平和思想研究会コミュの中華思想の始まり

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紀元前500年前後に、ギリシャや中国、インドで「知の爆発」が起きました。どういうことかというと、ほぼ同時期に、ソクラテスが生まれ、釈迦が生まれ、孔子が生まれ、ほかにも多くの哲学者、思想家、宗教家、芸術家が生まれたということです。

およそ人間が考えることの出来るほとんどすべてのものが、この時代に生まれたといわれています。「知の爆発」には「前史」となる文化史があります。昔々、西に王様がいました。東にも王様がいるらしいのですが、どちらが偉いのか、どちらが格上なのか、新聞もテレビもありませんから解りません。

そこでどうするかというと、だいたい使者を送りました。一緒に美しい女性を連れていったり、宝貝を山ほど持っていったりして、相手の王様にプレゼントしては「どうだ、俺はこんなにすごいぞ、偉いぞ」と見せつけます。

もらった方は倍返しです。「いや、俺の方がもっと偉い」と。 最後は、互いのプレゼントの中身から「あっちが上だな」と思った方が、「家来になろう」と判断するわけです。これを威信財交易と呼んでいます。中国の周(西周とも呼ばれます)という王朝は、この威信財交易ではぶっちぎって全勝していました。

なぜかというと、周は商(殷)を破ったとき、青銅器をつくる職人を囲い込んだのです。金文職人といって、青銅器をつくるだけでなく、そこに漢字を彫る技術も持っていました。ヒッタイトも鉄器職人を囲い込みました。それと同じです。

青銅器をつくれる国はほかにないので、プレゼントされた相手は青銅器を見て「負けた。これは家来になるしかない」となる。周はそうやって地方の君侯を従えていきました。彼らは漢字が読めなかったので、彫られた漢字を見て、さらにありがたがりました。

紀元前771年、周が滅亡して、囲われていた金文職人が逃げ出します。すると今度は、地方の君侯が逃げ出した職人を喜んで雇います。そして、周の王様からもらった青銅器に何が書いてあるかを読んでもらいました。

すると、周の王様の先祖の歴史が、300年も前から遡って詳しく書いてある。「すごい。これほど古くまで先祖の歴史をたどれるとは、周の王族とは何と高貴な一族なのだ」と思うわけです。これが「漢字の魔力」です。この魔力はやがて、東アジア全体に及びます。

東アジア全体に漢字が広まると、漢字で書かれた歴史が残る中国が偉く見えて、みんなが勝手に敬うのです。すると中国の方も「そうか、そう見えるのか」と思って、悪乗りします。「俺は偉いのだぞ」と。これが中華思想の始まりです。中華とは、周の都のあたりを呼んだ言葉です。

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