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こみや'S創作長編物語集コミュの真希に教わった大切な事

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ハァ

鏡をのぞきこみ俺はため息をついた。

もう少しかっこよけりゃあな〜

夕食中。父と母に漏らした。

「何でもっと俺は男前じゃなかったんだろう。おかげで高2にもなって彼女も出来ねぇよ。」

父も母も笑う。

父は言った。

「和也、男はハートで勝負だ!お前はいい男だぞ。優しいし、なぁ美里?」

俺には年の離れた妹がいる。
美里は小学五年生だ。

「うん!美里優しいお兄ちゃん大好き!美里が彼女になってあげるよ!」

「ガキがませたこと言うな!」

アハハと今日も家庭は和やかだった。

実は父と母は連れ子を連れた再婚同士。美里と俺は血が繋がっていない。それでも俺は美里が可愛いし血の繋がらない俺を美里と変わらず大切にしてくれる母に心から感謝していた…。



ある日。靴箱に手紙が入っていた。

な…なんだこの漫画見たいな展開は!!ほ…放課後体育館の裏で待ってます野島真希だとぉぉ!


の…野島真希といやぁ名のあるイケメンどもがことごとく玉砕したという高嶺中の高嶺の花・男子の憧れの的!

こ…これは…


イタズラだ。間違いない。



放課後。俺はそれでも体育館の裏にいった。そこにはモジモジとあたかも恋する乙女を演じる野島真希がいた…。

か…可愛いな…。

い…いかん!俺は騙されないぞ!

「あ…あの」

野島が話し出すや否や俺は突っ込んだ。

「なんだ?俺が引っ掛かるか賭け事か?それとも俺の友達を紹介して欲しいのか?悪いがあんたに似合うようなイケメンは俺のダチにはいないぜ」

「そ…そんな…酷い…」

野島はボロボロと泣き出した…。

木陰から女が飛び出してきて思いっきり俺の頬をぶった。

「あんた最低よ!真希が…真希がどれだけ勇気を出して…」

「美香!止めて…!」

ウワァと泣きながら野島は立ち去っていった…


俺…


俺…


だって俺なんて…


あの涙はどうしても嘘に見えなかった…。



でも…


信じられない。

トボトボと家に帰った。

いつになく暗い俺に家族は首を傾げる。

母が気を使い話題をふった。

「そ…そう言えばお母さんのテニススクールに新しく会員さんが一ヶ月前に入ってね!仲良くなって和也の話をたくさんしたの!あまり親しくなったもんで私達家族の事も話したわ!血の繋がらない美里を可愛いがってくれる本当に優しい子で親バカだけどあれで顔さえよけりゃあモテモテよ!なんてね〜。そしたらその奥さんにも高2の娘さんがいらっしゃるそうで、自慢じゃないけどかなり可愛いらしいのよ。でも寄ってくるのはチャラチャラした男ばかり。最近好きな子が出来たそうでね、その人は誰にでも優しいいつも笑顔な人なそうなの。お母さん私告白する!て意気込んで今日は学校に行ったらしいわ」


ガシャン…ッ


俺はナイフとフォークを床に落とした…


「その人の…」


「その人のなま…」

「野島さん」

「じ…住所教えてくれ!!!」

俺は走った…!

すまん…すまん野島!!!

外見にとらわれていて俺は…自分に自信がなかったんだよ!お前なんかが相手にしてくれるなんて想像も出来なかったんだよ!!!


野島の家のチャイムを連弾した。

母親が出てきた…



「初めまして!高橋百合子の息子の和也と言います!母がテニススクールではお世話になっています!」

俺は頭を下げた。

「…ああ!和也君!」

おばさんはパアッと笑顔になった。

「噂は聞いてるわよ。なに、どれだけ酷いのかと思ったら悪い顔じゃないわよ?全然!」

「真希さんに会わせて下さい!」

「え」


「俺は今日…真希さんに最低な事を…」

俺は泣き崩れた…


野島の母は全てを悟ったようだった。

「あなただったのね…真希の想い人は…。真希は帰るや否や部屋から出てこないのよ…」

「俺の…俺のせいなんです…」

俺は全てを野島の母に話した…

「あなたの話は私からもたくさん真希にはしたわ。美里ちゃんを本当の妹のように可愛がるあなた。いつも家庭を和ませるあなた。真希には常々男は中身で選びなさいと言い聞かせた…。上がってちょうだい」

俺は…

トントンと二階の野島の部屋に上がった。

コンコン。

「食欲ない…」

「ごめんな…野島」

「た!?高橋君!?」

野島はバタンとドアを開けた。

目を真っ赤に腫らせて…

胸が痛かった。

「お前みたいな…引く手あまたのいい女が…俺なんかに惚れるなんて信用出来なかった…すまん!俺を思いきりぶってくれ!!」

「高橋君…」

俺は思いきり目を閉じた。

野島の手は…俺の頬にそっと触れた。

思わず見上げた野島は…

ニコッと微笑んだ…

胸の奥底を鷲掴みにされた…

「高橋君が好きになってしまいました。良かったらわ…」

「野島さんが好きになってしまいました!良かったら俺と付き合って下さい!!!」

「アハハ!!!」

野島は思いきり俺に抱き付いた。

母親が嬉しそうに見ている。

「お…お前っ…親見てるから止めっ…!」

言うや否や唇を奪われた…


お…


俺のファーストキス……

じ…自分からしたかった……


かくして俺達は仲良く付き合っている。親公認の仲だ。皆が、えぇ!?と言った顔で見てくる。野島…真希は全く動じずに俺の手を繋ぎ笑う。俺も動じない。真希が教えてくれたから…。

本当に大切な事を。

「なあ…」

「ん?」

「俺らみたいなカップルなんて言うか知ってるか?」

「分かんない」

「美女と野獣って言うんだよ」

「アハハ!」

真希…俺のハートを好きになってくれてありがとう。俺もな…お前にハートを見事に奪われたよ!

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