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短編小説 「ダメのススメ」コミュの「ダメのススメ」第一章 あとがき

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社会に問う
ダメ人間とは?

『 ダメ人間 』

 『ダメ人間』、この言葉を日常生活の上で耳にすることは少なくない。だが、ダメ人間とは?という問いに対して各々違う答えを持ち、定義さえ見当たらない。
 私自身ダメ人間に対して偏見を持っていたし、同情の余地さえないと考えていた。世間一般的に忌み嫌われる要素として、仕事ができない、向上心がない、時間にルーズ、など数え切れない要素が挙げられる。数多くの場合、このダメ人間とは他人に対してマイナスをもたらし、もちろん職場では何のメリットもなくリストラやそうでなくとも厄介者として扱われることだろう。

 だが、こうしたダメ人間達は本当に社会、あるいは個人に対してなんの利益ももたらさないのだろうか。

 前章までに登場した中西を例に挙げて考えてみよう。読んで頂いた方々は、もう十分理解していると思うが、本当に仕事ができない。かといって、努力もせず、どんなに営業成績が悪くともあっけかん。むしろ、金歯キラリン☆そして、残業?多分そんな言葉は知りもしない。さらに、指導されている最中も携帯をいじくる始末。びっくりするのは、家族を置いて、ただただ自分がビックになりたいがために上京する。しかも、ノープラン。極めて自己中心的。

 このように中西の場合こそ典型的なダメ人間。だが、だがしかし・・・彼は本当に忌み嫌われていただろうか・・・?指導係田中は、中西がたった一件の契約を取ったとき、自分の事の如く喜んでいたし、週があける月曜日は、中西の週末の行動をみんな興味心身で聞いていた。ミスしても優しくフォローし、昼食時だけ(昼食時だけだが・・)は中西がいつも話題の中心にいた。そう、彼は忌み嫌われるどころか愛されていたのである。

 書店には現在、成功者達のいわゆるビジネス本が並び、「私のいいところを学びなさい!」と言わんばかりに堂々と陳列されている。確かに、私自身そのような本を読み、学習したり、実践してみたり、役に立つことも少なくはない。だが、中西のように身を持ってダメな部分をさらけ出し、それによって本では得られないリアルな「こうなってはいけません!」という事を教えてくれる人こそ貴重な生きた教材ではないだろうか。


長くなったが、私が「ダメのススメ」を執筆するに当たりどうしても伝えたいことは、主に二つ。

 一つ目は、ダメ人間を目の当たりにしたとき数々のダメっぷりに腹立たしく感じることも多いだろう。だが、それと同時にその腹立たしい部分が自分に当てはまることがないだろうかと客観的に自分自身を見つめ直し、自己向上のために多いに役立てていただきたい。
 そして二つ目。例え社会的にダメ人間のレッテルを貼られようと、他人からどのように見られようと、それでも強く、たくましく、明るく生きるダメ人間の強い生き方を、今後の人生に役立て、ピンチのときこそ良い意味で開き直り、ポジティブに生きる方法を見出してほしい。

 ダメ人間のダメな部分を見て、自分の襟を正すのもよし、気を張らず楽に生きるのもよし。

人は時に、ダメになることを恐れてはいけない。

人間よ、時にダメになれ!

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