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短編小説 「ダメのススメ」コミュの「ダメのススメ」第一章 ?

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 何も変わらぬ朝。いつものように寝ぼけたままコーヒーをいれる。何気なく携帯を手に取る。着信履歴。昨日のやり取りを思い出す。あー、今日から得体の知れないおっさんが出勤してくるんだった。人間一日たつと勝手におっさんとか呼びだすから恐ろしいもんだ。
 だが、この時私はこれから「ダメのススメ」第一号となるすばらしきダメ人間に出会うとは予想だにしていなかった・・。
 会社に着くと従業員たちはいつもと変わらず仕事に励んでいる。一通り営業件数など業務についての会話を終え、いつものデスクに座りふと考えた。あれ?おっさん来てねーじゃん!
「ねぇ、今日から新人来るんだけど来てない?」
「いやぁ、誰もきてないっすよ。」
なーんだ。そういうパターンかぁ。まぁ、あやしい奴だしいっか。正直安心した。変に気を使わずに済むし、今んとこ人は足りてるし・・。そう一安心しているとき従業員の一人が口を開いた。
「そういえばさっき俺がここに着いたとき変なおっさんがジロジロ見てたなぁ。」
すると別の従業員が、
「俺も見たよ!なんかうさんくさーいおっさんがガン見してた!」
するとまた別の従業員が、
「おっさんが新人なわけないだろ。お前らしゃべってないで仕事しろよ!」
さすがNO.2。ピシャっとしてるね。あんた最高だよ。そうそうおっさんが新人なわけ・・・・あるよ!大ありだよ!
俺は半分裏返った声で聞いた。
「おいっ!そのおっさんどこにっ・・・」
ピンポーン!!!ピンポーン!
「ごめんくださーいっ!」いやいやインターホンがあるからドアの前で大声出さなくていいから。いやな予感・・・
「はい」従業員がインターホンを取った。
なにやら困惑する従業員。
「自分はー、Fさんのー、ご紹介でー、今日からー、こちらでー・・・」
インターホン越しじゃなく、完全にドア越しに聞こえるよね。その馬鹿でかい声。そして東京、赤坂に響き渡るコテコテの九州弁・・。
従業員は私に問う
「なんか変ねやつっぽいけど開けていいっすか?」
開けて!早く開けてあげてー!近隣住民の迷惑になるから、一刻も早く開けてあげてーっ!
そして、従業員がパンドラのドアを開いた。
そこに伝説の男はいた。
「おはよーございまーすっっっ!!!!!」
一瞬その場にいる私を含めた全員が言葉を失った・・。あの仕事にきびしいNO.2までも・・。
そこに立っていたのは、まるでVシネマやくざ顔負けのスーパー角刈り、野村幸代バリのキンキラめがね、NYヤンキースもびっくりのピンストライプのスーツ、しかもバブル時代からに使者かのような3ピース、3タック!さらにさらに、なぜかスニーカー!アシーックス!
衝撃だった。夢かと思った。思いたかった。だが、それはすべて現実だった。伝説の序章にすぎなかったのである・・。
               続く

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