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短編小説 「ダメのススメ」コミュの「ダメのススメ」第一章 出会い

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「ダメのススメ」第一章 出会い
 彼との出会いは約二年前。私が東京で仕事をしているころだった。そのころ責任者として人を雇う立場にあった私にある知人から一本の電話がかかってきた。
「お前のとこって人間いる?」
「んー、できる人間ならほしいですけど・・」
「ちょっと訳アリなんだけど、仕事したいって言ってるやつがいるんだけど雑用でもいいし、給料も安くていいから使ってやってよ。」
「んー、訳アリですかぁ・・?」
「ちょっとそれは言えないんだけどさ。」
正直不安だった、この不景気、ましてや大都会東京で給料安くてもいいなんて奴はろくな奴じゃない。ただでさえ家賃は高いし、一人で生きていくには金が最重要とされるこの街なのだから。おまけに訳アリだし。会社の個人情報やらデータやらパクッてドロンなんてありえない話じゃない。だが世話になっている知人の紹介だしなかなか断れないのが現実・・。
どうする・・俺っ!
なんて心境の俺をよそに知人の話は進んでゆく。
「ちなみにお前何歳だっけ?」
「22です。」
「従業員は?」
「大体俺のタメか、年下ですね。」
そう。若さを前面に押し出したイケイケの営業マンたちの会社だった。
「ふーん。若いねぇ。ちなみにそいつ俺の地元の人間で、東京で働きたいて言って上京してきてんだけど。」
「へー、じゃあ大牟田なんですね。」
その知人の地元は福岡県大牟田市。私の地元とも程近く、東京にいると同郷のごとく感じるから不思議なもんだ。
「じゃあ、決まりね。早速明日から出勤させるから。」
「はい、わかりました。先方によろしくお伝えください。」
そういって、会話はまとまり電話を切ろうとしたそのとき!
「あ、言い忘れたけどそいつ42歳だから。」
ガチャ!プープー・・・・
ガチャってあんた・・。そんなことは最初に言いなさいよ!今まで雇ったのは20〜25歳くらい。そのくらいだったら上手く使うことができた。だが、42歳の扱い方はデータにない。そもそも訳アリな42歳。ますますあやしい。とにもかくにも明日になれば謎の42歳男は出勤してくるわけだし、若いからってなめられるわけにもいかないし、そんなことを考えながらその日私は家路についた・・。


         つづく・・・

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