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イスラーム地理書・旅行記勉強会コミュのアラブ・イスラーム学習ガイド(資料検索の初歩) (©1991)

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しばやんが、大阪外国語大学アラビア語学科の大学4回生の時にまとめた‘アラブ’や‘イスラーム’に関心がある人たちへの、究極?の学習ガイドです。(第一部、第三部)

また、リファレンスワーク(資料検索の初歩)について一章を設け、特に文系の資料検索にかかる‘コツ’みたいなものについてもふれています。(第二部) 

ただし、第四部、付録2については内容が古いので、利用にあたっては各自の責任で事前にご確認ください。

なお、1990年以降の文献につきましては、「しばやんの本だな」および「アラブ・イスラーム地理書・旅行記勉強会」のコーナーもご参照ください。


『アラブ・イスラーム学習ガイド 資料検索の初歩』電子ファイル版©2000.May.5


再録に際して 「あらたな地平線をめざして」 2000年5月5日

初版©1991 (以下の収録内容は初版のとおり。但し、挿絵、図版を除く。)


<目 次>

 まえがき                         


 第一部 文献案内編

    「アラビア語学習案内(辞書・文法書の紹介)」

    「中東世界へのアプローチ(BOOK GUIDE)」

     <HOP>(初級編)    <STEP>(中級編)  

     <チョット休憩>(番外編)   <JUMP>(上級編)  



 第二部 リファレンスワーク入門

    1、はしがき                     

    2、資料の検索と整理術                

    3、第三部に関する文献案内とその補足         



 第三部 目録編

    「イスラム、アラブ関係書(文献目録)」        

     <その他>

     <単行本>

    <文庫本>

    <新書本>



 第四部 住所録編

    「イスラム、アラブ関係施設住所録」          

     <書店>       <専門図書館等> 

     <研究機関>     <レコード店>  

     <学会等>      <アラビア料理店>



 付録 1、雑誌類一覧                    

    2、アラビア語を教えてくれる所            



 あとがきにかえて(旅行の勧め)

コメント(17)

あらたな地平線をめざして(『アラブ・イスラーム学習ガイド』再録に際して)
2000年5月5日


 基本的に、過去にこだわり引きずられるのは嫌いである。しかし、「昨日がなければ今日も明日もない」ということも真実であろう。

 ほぼ10年前のことになるが、大学卒業の間際に専攻語(私の場合、アラビア語)にかこつけて、『アラブ・イスラーム学習ガイド』なるものを作成したことがある。これは、1990年時点での、私なりに感じた最新の研究成果(あくまで一般読者向けであるが)および、「資料検索の初歩」というサブタイトルが示すように文献データへのアクセス方法を扱ったもので、特に全くの初心者・初学者を意識した小冊子である。

 自分自身、どこの馬の骨でもなくて、研究者の卵ですらない一学生が、無謀にも「浅学を顧みず世に問う」た成果であるが、結局、自己出版で初版30部、コピーで配布した分をあわせても、実数としては大した数はでておらず、単なる自己満足に終わっていた。

 私は、90年半ばを実社会における分水嶺というか大きな転換期であったと考える。多分学会にしてもしかり、大きな世代交代のうねりが高まっている。と思う。(実際に中に入ってリアルタイムでみてきたわけでなく、離れた世界から久しぶりに(7〜8年ぶりに)見るようになったからかもしれないが。)

 しかし、ほぼ10年を経て、本屋でこの分野の本棚を覗いてみても、よいもの、あるいは残るべきものは残っているという感を強くした。

 「書籍の価値と出版後の年数は反比例する。」勝手に考えた法則だが、例えば、1年前にでた本の価値を100%とすると2年前の本は50%、10年前は10%の価値があるとする。この考え方で面白いのは、アリストテレスの亀の話でないが、どれほど大昔のものでも絶対に価値は0にならないところだ。これは、本だけに限らない「古典」というべきものの本質でもあろう。

 いま、読み返してみると、未熟な点、つたない点、不備や大幅に加筆したい点等、多々ある。また、あまりに観念的な‘チェアーディテクティブ’であったことについては全く赤面せざるをえない。

しかし、今現在の自分の関心は、既に変わってしまっている。自分としては、あらたな地平に向けて歩きつづけていきたい。いずれ何らかの形で、これらを発展させたあらたな世界への「手引き」を完成させたいと考えている。

これらのくわだては、所詮、自分自身の「道具」づくりの一環でしかないかもしれない。しかし、このガイドも10年前のものであるが、今でもどなたかの役に立つとすれば、それに勝る喜びはない。

 なお、当初、作成にあたって全面的にお世話になった大阪外国語大学外国語学部アラビア語学科の竹田新教授(当時は助教授)を始めとする諸先生方、諸先輩方、友人達や後輩達、直接、間接に迷惑をかけながらも自分を育ててくれた学窓のすべての方々に深く感謝いたします。また、ご覧になった方よりの、叱咤激励?をお待ちしております。
ま え が き


 最近のアラブ・イスラームへの関心は、もはや単なるブームではなく、より身近でしかも高度なものとなっているように見受けられる。書籍だけに限っても、内容はともかく多種多様のものが本屋の本棚に並ぶようになった。

 先の湾岸戦争が、その大きなきっかけとなったことは明らかなのだが、さて真面目に勉強してみようとすると、かえって、情報量の多さに、どこから手を付けていいのか、皆目わからないといった方も多いのではあるまいか。

 本書は、ささやかながら、その交通整理を試みたものである。勿論、大学の学部レベルの検索に充分耐える内容は盛り込んである。

 第一部の「中東世界へのアプローチ」は、1991年の5月に、アラビア語科の一年生のために、ブックガイドを書く機会があり、『アラビア語を学ぶ人のために』というパンフレットの一部分として発表した。実際には、選定からコメントまで、アラビア語科の竹田新助教授に協力していただき、内容的にも偏らないものに仕上がっていると思う。なお、「アラビア語学習案内」は、新たに書き下した。

 第二部では、資料検索の技術についての本の紹介と、若干のアドバイスを加えた。また、一部の補筆となるようにした。

 第三部では、個人的に所有する関連書籍をすべて挙げ、より幅広くアクセス出来るようにした。

 第四部は、わたしが思いつくかぎりの関連施設の住所録を抜き書きしたものである。重要なもので抜けているものに、お気づきの方は、お教えください。いずれにせよ、以上すべて不完全なものであることはまぬがれない。量的にも全てを網羅することは不可能であるし、わたし自身が研究者でも何でもないからである。しかし、敢えて浅学を顧みず世に問うのは、まさに、踏み台とならんことを願うからである。よろしくご利用ください。


1991年11月            執筆者しるす
第一部 文献案内編

ア ラ ビ ア 語 学 習 案 内(辞書・文法書の紹介)


 さて、本格的にアラブ・イスラム研究に乗り出そうとすると、やはりアラビア語というものに取り組まなければならない。しかし、関心が高まっているとはいえ、日本においてはまだ教育体制が十分整っているとはいえず、大学で講座を持っているのは、わずか16大学にすぎず(もっともさらにマイナーな言語もある)、あとは専門学校や文化センター等が、若干あるのにすぎない。それもほとんど首都圏に集中しているので、ほとんどの人にとっては独学で学ばざるを得ないといった状況にある。それはともかく、ここでは、日本語で利用できる教材を中心に列挙し、他外国語のものについては、後述する。


   <文法書> (出版順)


?井筒俊彦『アラビア語入門』 慶応出版社 1950

?田中四郎『アラビア語文典』 大阪外国語大学内マナーラ会 1963

?川崎寅雄『アラビア語入門』 みき書房 1974

?池田 修『アラビア語入門』 岩波書店 1976

?黒柳恒男、飯森嘉助『アラビア語入門』 泰流社 1976

?平田伊都子『アラビア語の初歩の初歩』 南雲堂 1979

?本田孝一『たのしいアラビア語1~6 』 たまいらほ 1981~83

?内記良一『基礎アラビア語』 大学書林 1983

?ライト,W/後藤三男『W.Wrightアラビア語文典』 ごとう書房 1987

?奴田原睦明、岡真理『エクスプレスアラビア語』 白水社 1989

?内記良一『くわしいアラビア語』 大学書林 1989

   <会話>

?田中四郎『実用アラビア語会話』 大学書林 1960

?飯森嘉助『日・英・アラビア 語実用アラビア 語会話単語集』ウラオカプリンティング 出版部 1974

?岡野利雄『アラビア 語会話<現代正則アラビア 語&クウェイト、イラク、ガルフ方言>』

?サーレ アル スレイマン『アラビア語会話とガイド』 豊文社 1979  豊文社 1978

?内記良一『アラビア語会話練習帳』 大学書林 1979

?中野暁雄、サラーフ・アル・アラビイ 編『アラビア語』 東京外国語大学AA研 1982

?黒柳壽郎、レイラ 井上『250 語デデキルヤサシイアラビア 語会話』 白水社 1985

?ドクター・サミール、平田伊都子『アラビア語のきまり文句』 南雲堂 1986

?藤井章吾、イサム・アル・ハムザ 編『アラビア語(エジプト方言)会話』及び藤井章吾編『アラビア語(エジプト方言)文法練習』 東外大AA研 1989

 文法書からコメントすると、現在、一般的に入手可能な本は、?池田、?黒柳、?本田、?奴田原、?,?内記となる。内容から言うと?は古典向きで、文法に詳しい。?は、近代語向けで、口語にも一章を割いている点で一番とっつきやすいのではなかろうか。長く使えるという点で、?、?を勧めたい。また、?平田、?本田は、図版、絵が多いという点で、興味深い。?後藤は、後述「ライトの文法書」の和訳で、日本語で読めるようになった功績は大きい。ただ、初心者向けではない。

 文法とは、直接関係ないが、上述、平田の以下の本もおもしろい。

○平田伊都子『アラビア語夜話』 南雲堂 1989

○平田伊都子『イスラーム入門』 第三書館 198

 会話の本について言えば、?田中、?内記、?黒柳、?サミールが入手しやすいだろう。アラビア語を、学ぶ際には、口語(方言)と、文語(書き言葉)が、異なるということを知っておかなければならない。したがって、実際に本や新聞を読む際には、文語の知識がなければならない。だから、酷な言い方だが口語だけを勉強してもどうしようもないので、実際に旅行なりで、行く際に求めればよいと思う。他に英語でも、フレーズブックとして、数多く出版されているので特に言及しない。ただ、いずれもエジプト方言のものが多い。

   <辞書、語彙集>

?矢島文夫『アラビア語基礎1500語』 大学書林 1966

?川崎寅雄『アラビア語辞典』 みき書房 1974

?内記良一『日本語−アラビア語辞典』 石波社 1976

?田中秀治編集主幹『詳解アラビア語−日本語辞典』 中東調査会 1980

?池田修、竹田新『現代アラビア語小辞典』 第三書館 1981

?内記良一『アラビヤ語常用6000語』 大学書林 1984

 辞書について言えば、現在日本語で満足に使用できるのは、?田中、?池田しかない。?田中は後述の「Havaの辞典」をもとに作られており、古典語に強い。?池田は、付録も充実しており、初学者は必携といえよう。ただし欧米語においては、非常に良い辞書がでているので、後述する。
  日本語以外の参考書

 欧米、特にヨーロッパにおいては、アラビア語及びイスラーム研究の伝統が長く、非常に良質の書籍が数多く出回っている。ここではそのほんの一部であるが、これはといったもののみ紹介する。


   <文法書>


?Abboud,P.F.&Mccarus,E.N.: Elementary modern Standard Arabic, 2vols

     Cambridge Univ.Press, 1983

?Haywood,J.R.&Nanmad: A New Arabic Grammar of the Written Language,

     Lund Humphries, London 1965

?Wright,W: A Grammar of Arabic Language,3rd ed. Cambridge Univ. Press



 ?は、練習問題中心の入門書で、多くの大学などで使われている。続編の、「Intermediate Level」までを終えると、現代文の力がつくように編集されている。?は、比較的文法の説明が詳しい。?は、俗に「ライトの文法書」と呼ばれるもので、初級者むけではないが、いずれ必要になってくる。


   <辞書>


  <アラビア語−英語>


?Wehr,H(Cowan,J.M.ed.):A Dictionary of Modern Written Arabic,

  3th,ed.Spoken Language Services, New York  1971 (paper)

   4th,ed. Wiesbaden 1979 (hard)

?Madina,M.Z: Arabic-English Dictionary, New York 1973

?Hava,J.G.:Arabic-English Dictionary, 5th,ed., Beirut 1915

?Lane,E.W.:An Arabic-English Lexicon


   <アラビア語−ドイツ語>


?Wehr,H: Arabisches Worterbuch fur die Schriftsprache der Gegebwart.    Arabisch--Deutsch 5th,ed.   Wiesbaden 1985


  <アラビア語−フランス語>


?Dozy,R.:Supplement Aux Dictionnares Arabes, Librairie du Liban 1981 ?Kazimzski,A.D.: Dictionnaire Arabe Francais, 2vols, , 同上 1944


  <アラビア語−アラビア語>


?:'Al-Mungid fi-l-luga wa-al-'a laam,  Beirut,1987

?Harun,A:'Al-mugam 'al-wasiit,  2vols,Cairo 1960-61


  <口語(カイロ)−英語>


?Hinds,M&El-Said Badawi: A Dictionary of Egyptian Arabic, Beirut,1986


  <英語−アラビア語>


?Doniach,N.S.: The Concise Oxford English-Arabic Dictionary of

         Current Usage,  New York,1982


  <ペルシャ語−英語>


?Steingass,F:A Comprehensive Persian-English Dictionary. London 1947


 辞書で、とりあえず揃えたいのは、?の「Cowan の辞書」、?の「Concise Oxford」であろう。もうお気付きの通り、「Hans Wehr の辞書」の、英訳の第三版が、ペーパーバック、第四版が、ハードカバーで最新の第五版が、ドイツ語のままとなっている。値段的には、第三版が一番お買い得である。先に触れた?「Havaの辞典」は、古典に強い。?「LaneのLexicon 」は、亜英辞典の最高峰と言われている。口語の辞書として、?「Martin Hinds」は欠かせない。?のペルシャ語辞典は、四子音の単語を調べる際に便利である。


 以上、日本語、他外国語の主立った文献をあげてみたが、やはり、直接アラビア語の出来る人について教えてもらうのがよいと思う。視聴覚教材として、日本語では、若干のテキストにはカセットテープがついているし、英語では、リンガフォンでも、アラビア語のコースがある。しかし、いずれにせよ、日本でアラビア語に触れられる機会と場所は限られている。付録として巻末に、アラビア語を教えてくれる所を列挙しておく。ただし、情報が古いので、直接確認していただきたい。
中東世界へのアプローチ (BOOK GUIDE)


HOP(初級)

 今日、アラブ・イスラーム関係の本は、日本語のものだけでも非常にたくさんあります。しかし、時事的なものなど、必ずしも永く使えるものばかりではなく、しかも、よい本でも品切れということが多々あります。

 そこで、ここでは初心者向けと、さらに次の段階をめざす人のために、手に入りやすい本を中心に紹介していきたいと思います。

 (★初心者必携、☆基本的文献、◆資料として使える、◇専門的文献)


  HOP (初級編:幅広く読んでみましょう。)

★片倉もとこ『イスラームの日常世界』 岩波新書 1991  550円

  とりあえず読んでほしい。全世界の人口の5人に1人といわれるイスラーム教徒の生の姿を、アラブ世界だけでなく欧米先進国にまで取材している。

★ムサッラム・バーシニ /柳澤修 『アラブ人』 日本放送出版協会 1984 2000円

  とらえかたにむらがない。竹田先生の超おすすめ本。

・曾野綾子『アラブのこころ』 集英社文庫 1979  290円

  専門書ではないが、読みやすくわかりやすい。

・ラファエル・パタイ/ 脇山俊、脇山怜『これがアラブだ−その民族性と心理の謎』

  初心者向け。読みやすい。    PHP研究所 1977  920円

☆本多勝一『アラビア遊牧民』 講談社文庫 1972/朝日文庫 1981 340円

  いわずと知れた、ベドウィンを日本で初めて扱ったルポルタージュ。解説を書いている人が違うので読み較べてみてもおもしろい。

☆井筒俊彦『イスラーム文化−その根底にあるもの』 岩波書店 1981

  宗教、イスラーム法などを述べた、かの有名な井筒俊彦{コーラン(岩波文庫)の訳者ですよ!知っていますか?}の古典的名著。岩波文庫で再版された。

☆加賀谷寛『イスラム思想』 大阪書籍 1986           1133円  

本学のウルドゥー語科の教授の著作。(イスラームに関する講義を取ることができる。)スーフィズムに詳しい。スーフィー=シーア派=異端派ではないことが、よく解る。

★吉村作治『コーランの世界』 光文社文庫 1988        500円  

カラー写真・図版が多く、見るだけで楽しめる。安いのでもっていて損はない。同シリーズ(グラフティ・歴史謎事典)の他の本も興味深い。
★嶋田襄平編『イスラムの世界』 日本出版協会 1983      900円  

イスラームの世界を広く、しかも多角的に扱っており図表が多いので、結構まとめ的に役に立つ。(値段の割に内容豊富。お買い得!)  

★本田實信『イスラム世界の発展』ビジュアル 版世界の歴史6 講談社 1985 1500円

カラー写真や図版が多く、また中央アジアの研究者が書いているので視点が若干違っていておもしろい。

★矢島文夫『アラブ民族とイスラム文化』 三省堂 1981      2000円

内容が網羅的で、アラブの起源からの歴史書としてとてもよくまとまっていて、しかも読みやすい。

☆矢島文夫編『アフロアジアノ民族と文化』 民族の世界史11 山川出版社 1985 3800円 

いわゆるオリエントや中近東などと呼ばれてきた地域の、新しい歴史学の成果による通史。                       

☆前嶋信次『イスラム文化と歴史』 誠文堂新光社 1984      1800円

日本におけるイスラーム研究の大御所的存在。幅広い話題と、絶妙な語り口により、わたしは前嶋先生を東西文化交流の”夢を語る人”と呼びたい。

☆W・M・ワット/三木亘『地中海世界のイスラム-ヨーロッパとの出会い』筑摩叢書1984 1200円  

中世のイスラームと西欧との関係、特に文化、知の伝達を知るための絶好の入門書。巻末に、アラビア語起源のヨーロッパの言語のリストがある。

☆前嶋信次編『西アジア史(新版)』 山川出版社 1972      2680円

西アジア通史を扱った日本で唯一のもの。

☆板垣雄三、佐藤次高編『概説イスラーム史』 有斐閣 1957    1200円  

1人の著者による統一的な通史ではないものの、数人がいろいろな視点から見ているので、かえってとらえ方が斬新。近現代についても十分ふれてある。

★板垣雄三編『中東パースペクティブ』 第三書館 1991      1500円  

湾岸もののなかでは異色の出来。内容も、歴史や文化にまでわたり、新しい視点を提供している。

☆板垣雄三編『中東ハンドブック』 講談社 1978         2505円  

現代のニーズにあわせて作られたイスラーム世界へのアプローチガイド。 統計数値があるが古いので「世界国勢図会」等を参照。改訂版がそのうちに出るそうなので少し待ったほうがいい。(湾岸戦争のために遅れているとか。)

★広河隆一『パレスチナ』 岩波新書 1987  480円

パレスチナ問題を考えるための基本的文献。

☆H・A・R・ギブ/井筒豊子「アラビア文学史」 人文書院 1982 2000円  

アラビア文学史の基本的名著。最初の方で、アラビア語の基本的特徴にふれているが、一読に値する。尚、最近、講談社学術文庫で『アラビア 人文学』として再版された。

・関根謙司『ニューアラブへのパスポート』 六興出版 1985    1500円  

エジプトなどの現代文化も扱っていて、いまを知るのに最適。

◆『地球の歩き方フロンティア』 ダイアモンド・ビッグ社   1500円前後 

102 イスラエル編 '89 103 シリア・ヨルダン編 '89 104 サハラ・アル ジェリア編 '89 105 チュニジア編 '89  106 西アフリカ編 '90

旅行案内書だが、カラー写真が非常に多く見るだけで楽しめる。料理や風 俗文化のことなど見逃せない記事もいっぱいある。あまりに生々しいので、未知の世界への旅行に対するわくわくした気持ちが半減するかもしれない。
<ちょっと休憩>(番外編:アラビア語といえば・・・ 。必殺の御三家だ。)



その1★クルアーン(コーラン)



・井筒俊彦『コーラン』(上、中、下) 岩波文庫 1964   全部で1560円

・藤本勝次、池田修、伴康哉『コーラン』 中央公論社 1979    1700円

・三田了一『日訳注解 聖クラーン』 日本ムスリム協会 1982

・日本ムスリム協会『日亜対訳注解 聖クルアーン』 日本ムスリム協会1982  

以上が、日本で手に入るコーランの注釈です。(翻訳とはいわない。)井筒、藤本コーランが一般的ですが、とりあえず1冊読みたい人は、解説が詳しく訳も忠実な藤本コーランをおすすめします。(池田先生も訳しておられます。)また、井筒コーランは、他のイスラーム関係の本への引用が多く、三田コーランは、イスラーム教徒が訳したもので、やはりそれぞれに特色があります。最後の日本ムスリム協会のコーランは、注が詳しく、しかも対訳ですので、あるととても重宝します。一度、図書館ででも見てください。コーランの原書は、穂高書店(最後の専門書店ガイド参照)などでも扱っていますので、問い合せてみてください。

◇井筒俊彦『コーランを読む』 岩波書店 1983  1500円  

「開巻の章」を中心に、コーランを読み解こうとしたもの。少し専門的ですがイスラームのバックグラウンドを知る参考になります。



その2★ムハンマド(マホメット)



・W.M.ワット/牧野信也、久保儀明『ムハンマド−預言者と政治家』みすず書房 1970  2600円

・嶋田襄平『マホメット』(人と歴史シリーズ) 清水書院 1975  700 円

・藤本勝次『マホメット ユダヤ人との抗争』 中公新書 1971   560 円

・後藤晃『ムハンマドとアラブ』 東京新聞出版社 オリエント 選書 1980 千円  

ワットのものは、古典的名著。あとは、それぞれ視点が違うので読みくらべてもおもしろい。他に、井筒俊彦や牧野信也も本を出している。後藤先生の出している「オリエント選書」は、他にも、アラブ・イスラーム関係の専門的な著作を含んでいる。

★後藤明『メッカ イスラームの都市社会』 中公新書 1991    580 円  

最近、イスラームが起こった当時の情勢を描いた手頃な入門書が発行された。



その3★千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)



・カルカッタ第二版/前嶋信次(1~12) 、池田修(13~) 『アラビアンナイト』全20巻 平凡社東洋文庫 1966〜続刊 1冊2500円前後

・バートン版/大場正史『全訳千夜一夜物語』 全12巻 補遺2巻 角川文庫 1968改版 

1冊600 円前後

・マドリュース版/豊島与志雄他『千一夜物語』 全13冊 岩波文庫 1940~1959

1冊600 円前後

・マドリュース版/佐藤正彰『千一夜物語』 全10冊 ちくま文庫 1988 1冊600 円前後  

日本語の全訳は、ほぼ以上の通り。前嶋訳は日本で初めてのアラビア語からの翻訳。いずれも、全巻揃えるとかなり高いので、岩波版か角川版のを古本でまとめて買えばいいと思う。もしくは、東洋文庫を、池田先生のところで買って徐々に揃えるか。(現在17巻まで)バートン版は、注がやたら詳しく勉強にもなるが、おもしろすぎる。千夜一夜の成立については、下記の本に詳しい。

☆前嶋信次『アラビアンナイトの世界』 講談社現代新書 1970 絶版
STEP (中級編:専門書、資料として使えるものを中心にあげる)



◆日本イスラム協会監修『イスラム事典』 平凡社 1982      3400円  
単語で引けるイスラームに関する網羅的な事典。巻末に文献の一覧がついている。少し高いかもしれないが必携。

◆黒田壽郎編『イスラーム辞典』 東京堂出版 1983        3914円  
宗教・王朝・人名辞典からなる。宗教については非常に詳しい。

◇中村廣治郎他編『講座イスラム』 全4巻 筑摩書房 1985~6   2000円  
専門的な論文集。池田先生の「イスラム世界の教育」も4巻に収録されている。各巻末の文献案内がかなり詳しい。

◇三木亘他編『イスラーム世界の人々』 全5巻 東洋経済新聞社 1984 2600〜3300円

特に、1巻の「総論」はおすすめ。視点がおもしろい。各巻末の座談会も興味深い。                       

◆嶋田襄平編『イスラム帝国の遺産』 東西文明の交流3 平凡社 1970

イスラム文化とその東西交流を扱ったものの基本的な文献。巻末に原典資料も含んだ詳しい文献案内がついている。

◇D・F・アイケルマン/大塚和夫『中東−人類学的考察』 岩波書店 1988  7800円  
文化人類学をやるなら絶好の教科書。しかし、値段が高いし原典の第二版で大幅な改訂がおこなわれたので、英語版の第二版を買ったほうがいいかもしれない。

◇P・K・ヒッティ/岩永博『アラブの歴史(上下)』講談社学術文庫 1983  
初期イスラームにやたら詳しい。翻訳は、注が各章の終わりにあって非常に読みにくく、引用文献がすべてカタカナになっているので、元のアラビア語の表記などがはっきりしない。英語版の併用をおすすめする。(日本語版は、上下で3200円、英語版は5300円くらい)

◇バーナード・ルイス/林武、山上元孝『アラブの歴史』 みすず書房 1967 2000円  
大征服に詳しい。アラブの歴史の古典的文献。ただし、少々読みにくい。
◇P・K・ヒッティ/小玉新次郎『シリア 東西文明の十字路』 中公文庫1991 680円  
初め単行本で出て永らく絶版になっていた本の復刊。専門的でかなり難しいが、絶対にお買い得だからあげておく。

◇矢島祐利『アラビア科学史序説』 岩波書店 1977

絶版で、手に入れにくいが、コピーすれば、アラブ人学者のデータベースがすぐにできる。エンサイクロペディア・オブ・イスラームなど、基本的な辞典類の使い方など、実践的な研究の方法論が述べてある。

◆池田修『アラビア語入門』 岩波書店 1982           6180円  
ここで、あえて文法書をあげる。内容は内記『基礎アラビア語』、黒柳他『アラビア語入門』より詳しく高度。テープ付き。

◇飯塚浩二『東洋史と西洋史のあいだ』 岩波書店 1963

古い本で手に入りにくいが、中世におけるイスラーム世界の重要性を強調したもので、いまでも示唆に富む。

◇鈴木秀夫『森林の思考・砂漠の思想』 NHKブックス 1978   900円  
視点が独特で、おもしろい。

◇前嶋信次『イスラームの陰に』 生活の世界歴史7 河出書房新社 1975 1860円  
単なる年号の暗記だけではない歴史のおもしろさを教えてくれる。

◇スレイマン・ムーサ/牟田口義郎、定森大治『アラブが見たアラビアノロレンス』リブロポート 1988 2200円 

アラビアのロレンス再考の口火となった。

◇堀内勝『ラクダの文化誌−アラブ家畜文化考』 リブロポート 1986  2900円

◇堀内勝『砂漠の文化−アラブ遊牧民の世界』 教育社新書 1979  1000円  
以上いずれも、アラブの単語など言語からのアプローチで文化に迫る。

◇森本公誠『イブン=ハルドゥーン』 講談社 1980 1500円

  専門的だが読みやすい。『歴史序説』の部分訳もついている。

◇イブン・バットッータ/前嶋信次『三大陸周遊記』 角川文庫 1961     570円  
久々に、リバイバルコレクションとして復刊された。限定復刊なので、買ったもの勝ち。ただし、部分訳。全訳はまだない。

◇真田芳憲『イスラーム法の精神』 中央大学出版部 1985     3800円  
イスラーム法に関する、基本的入門書。           

◇サウル・エル・サーダーウィ/ 村上真弓『イブの隠れた顔−アラブ世界の女たち』未来社1988 3000円 

アラブの女性問題の入門書。彼女の小説の翻訳も4冊ぐらい出ている。

◇中東調査会編『イスラムパワー』 第三書館 1984        1800円  
第三書館では、「パレスチナ選書」と称して、文学の翻訳や、問題解説の本をすでに10冊以上出版している。

◇イブヌ・ル・ムカッファイ /菊地淑子『カリーラとディムナ<アラビアの寓話>』 平凡社東洋文庫 1978  2400円  

アラビアの説話的寓話。読んで楽しい。しかし、アラブ本来のものではなくインド起源のものであり、その辺も興味深い。平凡社の東洋文庫は、値段は高いが、他にも、アラビアやイラン、トルコのものを多く収めている。

◇タハ・フセイン/田村秀治『わがエジプト コーラントとの日々』 サイマル出版会1976 2000 円  
エジプトの文豪、タハ・フセインの自伝的小説。サイマル出版会はイスラエル問題など、現代の政治物などを多く出している。

◇野間宏編『現代アラブ文学選』 創樹社 1974

  手に入りにくいかもしれないが、1冊でよくまとまっている。

◇『現代アラブ文学全集』 全10巻 河出書房新社 1978〜1989 2500円前後  
日本における唯一の現代アラブ文学の全集。解説も詳しい。
<英語の本で読みやすいもの>



◇EDINBURGH UNIV.PRESSの「Islamic Surveys」 のシリーズ

 ペーパーバックで、一冊、3500円くらい。このうち、

 1.W・M・ワット/福島保夫『イスラムの神学と哲学』紀伊國屋書店1976 2000円

 4.W・M・ワット/黒田壽郎、柏木英彦『イスラーム・スペイン 史』岩波書店1976 2000円  

前述の9.『地中海世界のイスラム』など、日本語に訳されているものも多いし、簡潔によくまとめられているので、特におすすめ。その他、インドやシチリアのイスラームを扱ったものなど、まだ日本語でまとまった本がない領域を扱っているものもあり、その意味でも興味深い。

◇「The Legacy of Islam」 First 1937 Second 1974 Oxford Univ.Press

イスラーム文化についての基本的な論文集。初版と、2版と執筆者も違い内容も異なるので注意。初版はほぼ手に入らないし、2版も、高いが一見に値する。必要な論文だけコピーすればよい。

◇E.W.Lane「Manners And Customs of The Modern Egyptians」 DARF PUBLISH ESRS LTD. LONDON 1986.Reprint  10000円

◇E・W・レーン/大場正史『エジプトの生活』 桃源社 1964    絶版  

下は上書の部分訳。19世紀のエジプトの風俗を知る絶好の書。図版が多く見るだけで楽しい。いずれも、手に入れにくいが、一見の価値あり。



   <まとめ>



出てくる都度にも触れたが、結構系統だったシリーズが、日本にも見受けられる。あと、新書類(岩波、中公、講談社現代など)や、選書類(新潮、オリエント、朝日、筑摩、NHKブックスなど)や、文庫(岩波、東洋、中公、教養、講談社学術など)には、結構関連した本が見受けられるので、こまめにチェックするといい。特に、新書などの古本で絶版のものは、絶対あとで手に入らないことが多いのでその場で買っておいたほうがいいと思う。
JUMP (上級編:目録を中心にあげる)


◆長場紘「中東関係参考図書ガイド」 アジア経済研究所 19

  図書館2Fの雑誌のところに、コピーが置いてある。参考資料のガイドで結構使える。

◆島田虔次他編『アジア歴史研究入門4(内陸アジア・西アジア)』同朋舎 1984  
このうち、西アジア古代(?)、イスラム総論、アラブ前期、アラブ後期、イラン、トルコなどが使える。とても高い(8800円)ので必要な部分だけをコピーすればよい。中世までに限るが、欧米の文献にまで非常に詳しい。

◆「イスラム講座」 全10回 日本ムスリム協会『イスラム世界』 3~8、11、13、14

  雑誌に掲載されたもの。トピックに従った文献解題。

◆東京大学史学会『史学雑誌』毎年5号「歴史学会の回顧と展望」

毎年の日本における研究のまとめとその紹介。1985年までの5号を、地域ごとに山川出版社がまとめたものもある。下記

◆史学会編『日本歴史学会の回顧と展望・19 西アジア・アフリカ  1949〜1985』 山川出版社 1988  5000円  

このうち「? 西アジア・北アフリカ」が、ほぼイスラーム研究にあたる。

◆日本アラブ関係国際共同研究国内委員会編『日本におけるアラブ研究文献目録1875〜1979』 アジア経済出版会 1981  10000円  

かなりもれも多いようだが、まとまっていて使いやすい。

◆『イスラーム関係資料総合目録』 アジア経済研究所 1961

  かなり古いが、原典資料が、日本のどこの図書館にあるのか分かる。

◆『東洋文庫所蔵アラビア語文献目録(増補・改訂版)』 東洋文庫 1985

1985年に、新版が出た。日本でもっとも多く原典を集めている所の目録。(マイクロフィルムも集めている。)

◆ハンス・ダイバー編『東京大学東洋文化研究所所蔵アラビア 語写本(ダイバー・コレクション)目録』東洋文化研究所付属東洋学文献センター 1988  

日本にある大型の写本コレクションのカタログ。

◆中村道雄、吉田寅編『世界史のための文献案内』 山川出版社 1982

高校の世界史用なので、レベル的には、初級〜中級。ただ、歴史をやろうとする場合、他の地域との兼ね合わせもあるので、手元にあると便利。


  <まとめ>

 あと、『エンサイクロペディア・オブ・イスラーム』や、『インデックス・イスラミクス』などは、当然ここで扱わなければならないが、前述の矢島『アラビア科学史序説』や、『アジア歴史研究入門4』の「イスラム総論」などを見ていただければ、丁寧に使い方が解説してあるので、それを参照してもらいたい。ある程度のレベルに達して、より詳しく調べようとすると、当然、本というより「紀要」などの論文、欧米の文献を使わなければならない。自分で資料が捜せるとみなして、ここでは補助資料のみを示した。やはり、詳しくは先生に相談すること。
  <あとがき>

 「湾岸戦争のせいで、廃版になっていたアラブ関係の本が、又、多く本棚に並ぶようになった。これは、私たちには、チャンスである。買う価値あり、と見たものにはためらわずに買う(図書館にリクエストしてもいい)べきではないか?と思ったりする。それと、今回の戦争で一般の人々が中東への関心を高めたり、今までの無関心ぶりを反省したりしている。これは、アラビア語科には、うれしいことであるが、さて、あなたは、アラブのことを一般の人に尋ねられたとき。どれだけ正確に、総括的な説明ができるでしょうか?

(私は、その知識の少なさに愕然としたものです。)」  (T.K)


 さて、最初でも断ったとおり、政治・経済、そして言語に関する本の紹介がほとんどできませんでした。それらに関しては、「辞書の紹介」や、他のひとの本の案内を参考にしてください。しかし、現代の問題を考えるうえで参考になりそうな本を一応あげておきます。

◇W・C・スミス/中村廣治郎『現代におけるイスラム』 紀伊國屋書店 1974

  少し古くなってしまったが、現代のイスラームを考える基本的文献。

◇山内昌之『現代のイスラーム 宗教と権力』 朝日選書 1980 1,200円  

最近売れまくっている山内さんの本だが、やや難しい。

 確かに現代的な問題にばかり眼がいってしまうのも無理がありませんが、せっかくアラビア語科に入ったのだから、その神髄にまで迫れるような勉強がしたいものです。いずれにせよ、ここに示したのは、基本的な本ばかりである。もちろん他にも古典的名著と呼ばれる本が、たくさんあります。でも、本は求める人のもとに集まってくるもの。これが、あなたの趣味にあったリストを作る始めの一歩になってくれたらわたしの大きな喜びです。

 なお、本の選定やコメントについて竹田新先生に全面的にご協力していただきました。またT.Kさんのもコメントをいただきました。記してお礼に代えさせていただきます。


  <その他>


 また、中東関係書籍取扱店と、本さがしの本?を下にあげておきます。


  <中東関係書籍取扱店リスト>


○?穂高書店  〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-15 杉山ビル4F 日・祝日休み

        電話:03(3233)0331 FAX 03(3233)0332 アラ語原書在庫有り

Eメール: info@hotakabooks.com URL: http://www.hotakabooks.com

(神保町すずらん通り中央角、内山書店の隣り) (2004年7月27日修正)

○?ナガラ図書 〒113 東京都文京区本郷4-37-13 漆原ビル705

        ・03(812)6679   振 東京6-172800 アラ語原書在庫有り

○?ビブリオ 〒101 東京都千代田区三崎町2-2-12エコービル 2F 土日休

・ 03(263)7189 ? 振 東京1-121472 アラ語原書在庫有り

○?北尾書籍貿易 〒530 大阪市北区中之島2-3-18 新朝日ビル(13階)

        ・06(203)5961 ? 振 大阪1-45074  在庫少 取り寄せ

 北尾さんの他は、カタログを出しているので取り寄せるといい。


  <本さがしの本>

☆東京ブックマップ編集委員会編『東京ブックマップ'91 −東京23区 書店・図書館徹底ガイド』 書籍情報社 1991 900円 毎年改訂版がでる。

  タイトルの通り、専門書店から図書館まで盛り沢山の内容で、地図も付いているので、東京で本を探そうと思ったら必携。残念ながら、大阪版はなさそうである。


  <イスラーム関係団体>

○(宗)イスラミックセンタージャパン

        〒156 東京都世田谷区大原1-16-11

        ?03(460)6169  振 東京6-67971  FAX 03(460)6105

  季刊誌「アッサラーム」を出していて(年間1,000円)、「イスラーム入門シリーズ」などの小冊子や、「ヒジュラ暦カレンダー」なども扱っている。日本に在住のムスリムたちや、普通の日本人へのインフォメーションセンターである。わたしは、ここを訪れた際に「キブラ・コンパス」なるものを買ってしまった。当然、「クルアーン」やそのテープも置いている。


*初出、大阪外国語大学アラビア語科
 新勧パンフ編集部編
 『アラビア語を学ぶ人のために』1991
第二部  リファレンスワーク入門


1.はしがき

2.資料の検索と整理術

3.第三部に関する文献案内とその補足


1. はしがき

 よい仕事をしようとすれば、当然、よいツール(工具)が必要になる。これは自明のことである。しかし、他の人文社会科学分野にも言えることだと思うが、日本ではビブリオブラフィー(書誌学)に関心が払われてこなかった。確かに、自然科学分野とは違い、研究者個人の感覚(センス)がより重要視され資料を探すのもセンスのうちなどと言われるのは止むを得ないし、否定もしない。だが、である。この状況に甘んじている事自体に、日本旧来からの学問のあり方、秘伝伝授や徒弟制度の名残を見るのは考えすぎであろうか。

 ともあれ、このアラブ・イスラーム学に限って言っても、年々、国内外を問わずレベルが上がってきており、全体像はおろか、専門的な個々の問題にいたっては、初学者には全く理解できないという状況になってきている。ここで、必要になってくるのが、書誌であり、リファレンスワークである。

 このリファレンスという面から見ても、欧米と較べると雲泥の差がある。あえて書籍の検索だけに限っても、まず図書館員からしてレベルが違う。欧米ではしかるべき大学の付属図書館では、教授クラスの研究者が司書をやっているという。学部の教授が書籍の購入を申し込んでも、司書に拒否されることさえあるという。それも、もっとよい本があるという理由で!

 つまり、欧米に於いては、書誌学(ビブリオグラフィー)と言うものが確立しており、学界まであり、ビブリオグラファーの地位自体も大学教授同様、非常に高い。以上、ある日本人研究者である某教授の話の受け売りである。しかし、このような情報の蓄積に関することについては、ビジネスやその他の分野に於いても日欧の違いが、近年、よく指摘されている。

 日本の学生と欧米の学生の学問的レベルの差というものが、実はこのような所から始まっているのかもしれない。ともあれ日本の研究者はもっと、後進の育成に心を砕いてほしいと思う。これは、学生の人格の形成うんぬんという問題ではなく、もっとツール(工具)の整備をしてほしいということである。

 実は、日本でも財団法人東洋文庫附置ユネスコ東アジア文化センターに於いて、佐藤次高(東大文学部教授)氏らにより、『日本における中東・イスラーム関連研究文献目録』が、1992年3月刊行をめざして編纂されつつある。明治から昭和までの、本や紀要のほぼ全てが網羅され、非常に有用なものとなることは明らかなのだが、価格的にもかなり高くなるであろう。しかし問題は、何よりもまず、研究者以外の誰がこの情報を知り得るのであろうか!

 当目録では、第一に書誌の書誌となるように心掛けた。次には、ずばり、購入する際のことを考慮に入れた。つまり、本の大きさによって分類している。本の背を読むとは、昔から言われていることだが、その効用の一つとして本の大きさや体裁を知るということが、挙げられると思う。本を探す際には、著者名題名、出版社名、出版年次が、必要なことは言うまでもないが、実際に古本屋で探す際には、大きさそのものが物を言う。例えば、最初から新書本だとわかっていれば、その棚の中から探せばよいのである。図書館では、もっと効果的な探し方があるが、いずれにしても、著者名と書名が判らないことには始まらない。そして、書名だけでは内容がよく分からないことも多い。やはり、本は実際に、自分の手にとって見ることが必要であろう。

 また、これは、断りでもあるのだが、この目録は私自身の基準で選んでいると言うことである。一部の始めでも述べたが、私は、かなり広範囲にわたって書籍を収拾している。現在、地中海に興味を持っているので、西洋史やヨーロッパに関するものも多く含まれている。このことは、逆に言えば、この目録のユニークな点でもあろう。ところで「イスラーム・アラブ関連」という自体、非常に曖昧な概念である。イスラームという点から言えば、中世のスペイン(アンダルス)や、現代の東南アジアは入るのかとか、分類自体に困難をともなう。だから敢えて、分類は試みなかった。

 以下に、リファレンスワークに関する、若干の文献案内を付けた。その次に当目録のお薦め文献を挙げたいと思うが、完全に私の独断と偏見によって、穴的な本をピックアップしたいと思っている。以上、よろしくご了承ください。
    2. 資料の検索と整理術

 まず、目録を使う前提条件として、リファレンスワークに関する本を紹介したい。はっきり言って、ビブリオグラフィーも、リファレンスも半分ぐらいは純粋に技術的な問題とも言える。そう割り切った上で、基本的なノウハウを押さえておくことは決して無駄ではなく、むしろ必要不可欠とも言えよう。

 最初に全体的な入門書にふれる。?は、資料の整理のついての古典的文献。?は、リファレンスワークに関する最も手近で実践的なものと言えよう。本論に一番関係があり、必読。?は、言わずと知れた、情報処理技術の古典。?はそのものずばりの本である。

 ?加藤秀俊 『整理学』 中公新書 1963

 ?加藤秀俊 『取材学 探求の技法』 中公新書 1975

 ?梅棹忠夫 『知的生産の技術』 岩波新書 1969

 ?斉藤孝ほか 『文献を探すための本』 日本エディタースクール出版部 1989

 「論文の書き方」のたぐいの本にも、示唆が多い。いずれも、新書版や文庫版で数多く出回っているので、1、2冊は手元に置いておいてもよい。

 ○板坂 元 『考える技術、書く技術』 講談社現代新書 1973

 ○澤田昭夫 『論文の書き方』 講談社学術文庫 1977

 ○保坂弘司 『レポート・小論文・卒論の書き方』 講談社学術文庫 1978


 文章の書き方として、非常に実践的なのが、以下の本である。

 ○本多勝一 『日本語の作文技術』 朝日文庫 1987

  これは、現実的な文章論として、ひとつの傑作とも言えよう。

 リファレンスブックの検索には、以下の非常に便利な本がある。当然、他分野の本も含まれているので、実際に関係あるのはその一部となるが、思わぬ拾い物もある。

 ○出版年鑑編集部編 『辞典・事典総合目録 1991』 出版ニュース社 1991

 大規模な目録として、以下のようなものもあるが、いずれも大部で、無駄のほうが多いであろう。

 ○『日本件名図書目録 77/84』 21編30分冊 日外アソシエーツ

   そのうち、?地域・地名(外国)、?歴史関係、?ことば関係、?哲学・心理学・宗教 ?社会・労働、?民俗・風俗、など。

 ○『20世紀文献要覧大系』 日外アソシエーツ

   そのうち、?文化人類学研究文献要覧、?東洋史関係研究文献要覧、?西洋史関係研究

文献要覧、など。

 したがって、新刊については、新聞や雑誌の書評や、実際に新刊書店の店頭でこまめにチェックするのがベストであろう。過去の本については、当目録やその他の本の、参考文献のページを参考に自分にとって必要な本のリストを個人個人で作っていくほうが現実的である。

 雑誌記事については、以下のものが、挙げられる。

 ○国立国会図書館参考書誌部監修 『雑誌記事索引/人文・社会編』

                      日外アソシエーツ

 また、歴史分野に限って言えば、『史学雑誌』の巻末の目録が、単行本のみならず、雑誌論文も掲載している点で、貴重である。

 洋書の検索には、以下のものが、毎年発行されている。これは、国内の主要図書館に収められた洋書を、著者名順に並べたものである。したがって、著者名が分からなければ、使えない。

 ○『新収洋書総合目録』 国会図書館+日外アソシエーツ+紀伊國屋書店

 さて、リファレンスの実際として、まず多角的に対象を概観することが必要であろう。どこに、拾い物があるか分からないからである。そして、徐々に研究対象が絞れてきたら、著者名をチェックする。研究書は当然、研究者自身が書いていることが多いので、その研究者自身の研究動向を確認するのである。そして、単行本から、紀要などの研究論文へと読み進む。また洋書について言えば、その過程で、参考文献や注を参考にピックアップしていけばよい。

 研究分野によれば、穴場的な所もないとは言えないが、結構、誰かがやっていることのほうが多い。だから、自分の問題意識が出発点であることは、当然であるが、先達の業績は、極力目を通すようにしなければならないし、それが礼儀でもあろう。
 さて、資料が集まってくると、その整理という問題が生じてくる。以下にポイントのみ列挙する。

    本の整理

?自分の蔵書については、関連分野の本は近くにまとめて置いておく。そして、一覧できるように、特定分野に限っての、蔵書リストを作製する。これは二度買いを防ぐためである。欲張って、全ての蔵書を書き込んでしまったら、まったく利用価値が無くなってしまうので注意されたい。以下の目録も、その手段によって作られた。

?書籍整理にカードを利用する場合、原則的に自分の持っていない本を中心にするべきである。以下に見本を掲げる。カードの大きさは、5*3インチカードが、手頃であろう。その大きさの図書整理カードも市販されている。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

例)・  著者名     作製年月日 ・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ・  書名(論文名)       ・

  ・                ・*一番下の欄に注目してほしい。

  ・  (出典雑誌)        ・この処置により、図書館の本も、

  ・  出版社    (総ページ数)・自分のものとして、存分に使いこ

  ・  出版年(月日)  (定価) ・なすことが出来る。

  ・  (ISBN)        ・

  ・*図書館名 分類番号/蔵書番号 ・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 図書の整理方法については、以下の本がある。

 ○日本図書館研究会編 『図書の目録と分類 改訂第11版』

                    日本図書館研究会 1989

    論文の整理

 実際に論文を集める場合、コピーをとるという形になるが、ここで気を付けたいのはその大きさである。その大きさとして、A4版の大きさでコピーを取ることを勧める。すなわち、本の見開き2ページを、A4版1枚にコピーするのである。その理由として、単行本では、A5版(教科書サイズ)、B6版が多く、紀要等、雑誌では、B5版かA5版が多いからである。つまり、どの大きさからでも、比較的スムーズに大きさを変える事が出来て、整理の段階ではA4版のままでも、ボックスファイルに入れる事ができ、2つ折にして製本すれば、A5版という手頃な大きさになるからである。

 論文のリストについては、著者名ごとに、ルーズリーフを作り、論文名、出典名、出版年次を控えるようにすれば、すぐに一覧できる。

 以上、簡単ではあるが、リファレンスに役立ちそうな文献等の、紹介をしてみた。是非、自分の技術として使いこなしてほしい。
    3. 第三部に関する文献案内とその補足


 分類方法については、「1.はしがき」を参照していただきたい。

 目録類は、<その他>の中の、事典、目録という項目で一括した。これらの他に、あと若干の専門の目録があるので、以下に列挙する。


○アジア経済研究所編『中近東関係資料総合目録』 アジア経済研究所1965

○長場紘編『中東−北アフリカ関係雑誌記事索引』 アジア経済研究所1978

○菊地忠純『中世イスラム時代アラビア語文書資料研究資料目録(1)』アラブ語センター 1987

 ○アジア経済研究所編『アジア経済研究所所蔵アラビア語文献目録 1988、12月末現在』 アジア経済研究所 1989

○「東アラブにおける社会変容の諸側面」研究会編 『東アラブ近現代史研究』 アジア経済研究所 1989

 最も網羅的な目録は、国内の研究状況に関しては、「1.はしがき」ですでに触れた1992年に発行される予定の、『日本における中東・イスラーム関連研究文献目録』となる事は間違いない。ただ、1988年のいわゆる昭和年間までとなる予定である。この手のものとしては、すでに『日本におけるアラブ研究文献目録』があるが、配列が、発行年代順での著者名順となっており、実際には著者名が分からないと使えない。現在においては、『中東地域の生活用品と関係図書目録』は、NDCによって、『中近東文化センター蔵書目録No,3 1987和書』が、独自の分類によって配列されている点で、最も利用価値が高い。


 事典類として、以下のものも補っておく。


 ○前嶋信次他編『シルクロード事典』 芙蓉書房 1975

 ○伊東俊太郎他編著『現代イスラム小辞典』 エッソ石油広報部 1986

 ○片倉もとこ他編著『現代イスラム小辞典』 エッソ石油広報部 1987


 西洋史関係の文献案内、事典類も見逃せない。

 ○前沢信行他編『文献解説ヨーロッパの成立』 南窓社 1981

 ○西川正雄編『ドイツ史研究入門』 東京大学出版会 1984

 ○ホーデン,G/掘越孝一監訳『西洋騎士道事典』 原書房 1991
 文献案内については、特に、講座イスラム4『イスラム・価値と象徴』の巻末の「文献案内」が、最も手頃でかつ網羅的であろう。なお、一部においても文献案内の充実しているものは特筆してあるので、そちらも参照されたい。

 外国語の辞書については、非売品であるが、大阪外国語大学生協刊の『辞書の紹介』が、もっともアップ・ツー・デイトである。同『新入生に薦めるこの十冊』も、レベルが高い。いずれも、大阪外大の大学院生、教員が分担して執筆しており、前者については、28種類もの世界の言語を掲載している。

 雑誌の特集については、別記してまとめ、さらに巻号も明記して、実際に図書館で調べれるようにした。なお、『包PAO』は、音楽雑誌である。

 情報誌は一例に過ぎない。別に、関連雑誌一覧を付けたので、そちらも参考にしてほしい。

 単行本で、特記したいものを列挙すると、イスラームの世界史における位置付けに関して飯塚浩二の一連の作品がおもしろい。なお、彼には平凡社から全集が出ている。歴史のおもしろさを語ったものとしては、前嶋『東西文化交流の諸相』がよいであろう。

 文庫本においては、前嶋『サラセン文化』と蒲生『イラン文化』が上げられる。いづれも絶版であるが、これほどコンパクトで内容の濃い本というもの珍しい。他文庫での、再刊を願ってやまない。川真田『アラビア物語』は、エジプトの「みどりの文庫」という絵本のシリーズを翻訳したもので、原典も比較的手に入りやすい。

 新書本で、題名が紛らわしい本の内容をいうと、小田『歴史の転換のなかで』は、パレスチナ問題を扱ったものである。また、原『集落への旅』は、地中海沿岸の集落の実地調査に基づくもので、北アフリカや、トルコ、イランの都市も取り上げられている。また、前嶋『アラビアの医術』、『アラビアンナイトの世界』、そして矢島『アラビア科学の話』は、いずれも、コンパクトにアラビア文化を扱っている点で貴重である。

 あと、近年、話題になっているイスラーム都市についての本を上げる。都市のハードそのものを扱ったものとして以下の本が上げられる。

 ○ハキーム,S/佐藤次高監訳『イスラーム都市−アラブのまちづくりの原理』 第三書館 1990

 ○陣内秀信『都市を読む イタリア』 法政大学出版局 1988

 ○岡野忠幸『シルクロード建築考』 東京美術選書 1983

イスラーム都市研究そのものの動向を探るものとして、羽田他『イスラム都市研究』を上げておく。

 以上、目録に載っていないものを、若干補う形で文献案内を付けた。一部とニ部で出てくる本を全て三部に掲載したわけではないので、それぞれ、お互いに相補うものとして、いわば、全体でひとつの文献案内となっていることをよろしくご了承されたい。本目録自体は、完全ではないが、有機的に利用することによって、かなりの量の資料にアクセスできると思う。

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