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人と自然コミュのもう牛を食べても安心か

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(このコミュニティの8月25日に同著者の「プリオン説はほんとうか」を紹介していて、この文はその続編に当たります)


福岡伸一「もう牛を食べても安心か」文春新書 ¥756
          ------動的平衡論の紹介も

 数日前、米国産牛肉輸入が再開されて吉野屋の牛丼が売られるようになったことが報道されていた。この本は2004年12月に出されて、それまでの狂牛病(BSE)の経過をたどり、問題点を解説している。狂牛病は1)羊・牛などの感染体の肉・内蔵を食べる、2)大脳手術時に使われる硬膜移植による薬害、3)原因不明の弧発性・100万人に一人の割合で発病、の形で起こる。イギリスで大発生したのは、肉骨粉製造過程で罹患牛・死亡牛が使われて、製造法が簡略短縮化されて病原体が肉骨粉の形で牛に与えられたことが始まりだった。イギリス国内での使用禁止後も欧米それからアジアに輸出されて、それが日本での発病につながった。
 日本では、全頭検査が実施されているが、アメリカの圧力で20ヶ月齢未満の牛は検査限界との理由付けでアメリカ牛肉が輸入解禁された。これを著者は強く批判している。病原体異常タンパク質が集まりやすい「危険部位」をはずしたからと言って安全とは言えない。病原体が消化器から大脳中枢神経に移動する途中経過も明らかでない。筋肉からも発見されている事例がある、と著者の報告である。
 21ヶ月齢、23ヶ月齢の発病牛の例が国内にある。いつ感染したかが問題なので生長月齢とは関係ない。検査の精度を高めて若年牛でも検査出来る体制をとるべきだ、というのも著者の主張。

 ところで、この本の半分は狂牛病に直接関連の文章だが、あとの半分は「動的平衡論」の解説になっていて、これは私には初めて出会う環境理論だったので、実はこの本を再度読み返したのです。
 あらゆる元素、たとえば炭素C、酸素O、窒素Nなどは地球上で一定量であって、それが分子という形を変えて地球上を循環し、流れている。体内の諸器官も分子レベルで数ヶ月で入れ替わる、つまり人の体内も分子の流れの中にある、というものだ。だから、ヒトはタンパク質を食べなければならない、と。消化は元の生物情報(遺伝子情報も)を消す(消化)ことであって、そうしないと体内に分子として取り込む事が出来ない。その消化をかいくぐったのが狂牛病病原体物質で、数年から数十年後に発病する致死病である。
 「脆弱性の窓」という概念がある。母胎からの抗体が無くなり、赤ん坊の本人の免疫がまだできていない時期にスルリと病原体が入り込む可能性のこと。赤ん坊が風邪を引きやすい時期があるとか、アトピーとかの原因にも説明されている。

 分子の流れにひずみ・異常が生じたり、干渉すると、必ず中長期的に元に戻そうという反動が出てくる。これが動的平衡論です。分子の流れに干渉してはならない。
 速度短縮、遺伝子組み替え、子牛を牛乳でなく肉骨粉で育成するなど、は後々に揺り戻しが起り、起こったのではないか、という警告です。

 また、リスクという数量表示は、狂牛病は人為の結果なので、リスク分析など、おかしいとも。

 万物流転が分子レベルで、すべての生物を巻き込んで起こっている、という動的平衡理論には、感動するくらいでした。

 安全か、という問いへの答えは、現在の全頭検査継続条件で国内産ならば、ということになるでしょう。

(付則)
「動的平衡論」は1938年、ユダヤ人研究者・コロンビア大学研究員のシェーンハイマーが発見した。

 分子の流れは「気」の考えに通底すると思った。

 人体内の平衡論は、東洋医学の基本であり、自ずと備わっている治癒力を使って、揺らぎを元にもどすということではないのだろうか。

コメント(2)

万物流転が分子レベルで、すべての生物を巻き込んで起こっている、という動的平衡理論。わかります。すばらしい。
ブッダやキリストが呼吸した分子もいま、我々が呼吸しているのだそう。
こんにちは。
動的平衡というのは、仮説や理論でなくて、科学的に実験・証明された「現象」です。詳しくは、本書をお読みください。

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