リハビリを考える会コミュのはじめまして。OTです

今日心に残ったのは、60代の片麻痺の女性の言葉。
　彼女は３年程前、脳卒中で片麻痺となった、重い障害が残り、片方の手足は殆ど動かない、座っていることもままならない、コミュニケーションは取れるが時たま、場に合わない突拍子もない発言をしてしまう、高次脳機能傷害も見られる。
　３年程前にうちの病院に入院してから、ずっと作業療法（OT）をやっている。最近担当OTが出来ちゃった結婚で妊娠したので、担当が俺になった。身体機能の回復はすでに平行線というのが妥当だろう。前の担当がやっていたプログラムを引き継いだけど、なんかしっくりこない、彼女に何かやってみたいことを聞くと「エレクトーン」と言った。たまたまうちの病院にはエレクトーンがあったので早速弾きにいった。麻痺のない方の手で彼女は、鍵盤を叩いたが思うように叩けない、俺が後について手をもってあげて一緒に弾く、でも俺は楽器全然ダメなので、ドレミファソラシドしか弾けなかった。でも彼女は「弾けただけでも楽しいですよ」と言った。
　前も書いたけど、障害は完全には治らない、その障害を背負ってこれから生きていく彼女のことを考えると、効果が現れているのかどうかわからない、リハビリを続けてはいけない。リハビリとは身体を動かしたり、平行棒を歩いたりすることではない。そんなことを忘れ、対象者本人を置き去りにし、ろくに患者と話もせずに自分勝手なリハビリをするセラピストが多い。
　今日、作業療法学会の冊子が届いた、読んでみて、「ちょっとだけ真っ直ぐ座れました」とか、身体機能に関するものが多かった、作業療法士なんだから、もっと作業に注目した発表が聞きたい。

コメント(5)

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[2] mixiユーザー 12月09日 19:44

えらいですね！学生１年目でそれほど立派な考えをもっていれば、この先勉強も楽しいんじゃないですか？
　OTには可能性があります。患者さんの人生を有意義にする。でも、働いて思いますが、自分の人生も上手くいかないことばかりなのですから、人の人生なんてそうそうお手伝いできるものじゃありませんね。僕が最近気にしているのは「喪失感」です、もし良かったら書き込みを見てくださいね。

[4] mixiユーザー 12月11日 02:20

　学生じゃないんですか！もっとすごいですね！学生じゃないうちにOTのことそんなに知ってるんですか！
　ホントにその通り、理想がないと、潰れますよね。この時代、資格目当てにこの業界に入る人が多いです、OTが増えること自体は良いことだと思います。しかし、理想がない人にとっては、面白くも何とも無い仕事になるでしょうね、そしていつかそのしわ寄せは患者さんに来るんでしょうね…

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