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言語学コミュの「が」と「は」の使いわけ 事例(4)

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  ★ 私【は】頭【が】痛い。

  ★ 象【は】鼻【が】長い。

  ★ この教室【は】他と違って窓【が】きたない。

  ★ 運動会の騎馬戦で【は】白組の男子【が】健闘して紅組を圧倒した。

  ★ 朝【は】早うから 川辺のあしに
     蟹【が】店だし 床屋でござる  (北原白秋『あわて床屋』)

  ★ 反作用【は】つねに作用と方向【が】反対で大きさ【が】等しい。


 先に「が」は個別性の認識を表し、「は」には特殊性と普遍性の認識を表す二種類があることを明らかにしましたが、これらを組み合わせることにより対象の立体的なあり方に対応した認識の立体的なありかたが「は」と「が」の組み合わせにより表現されます。

 一つの立体的な対象を扱う場合に、先ず「は」で【大きく広く扱い】、次に「が」で小さく狭く扱ったり、あるいは先ず「が」で【小さく狭く扱ってから「は」で大きく広く扱ったりするように、無自覚のまま習慣づけられる】ことになります。

上記は前者の例で、後者の「【が】で小さく狭く扱ってから【は】で大きく広く扱う」場合は、民話などによく見られます。

  ★ 昔々、お爺さんとお婆さん【が】ありました。お爺さん【は】山へ柴刈りに、お婆さん【は】川へ洗濯に行きました。


 このように、「が」は主語を表す、「は」は主題を表すなどと、特殊な文での機能だけを問題にしても「は」と「が」の意義の解明にはなりません。■

コメント(9)

 この、「〜は〜が〜」の構文は下記のように、見出し文などでよく使用されます。


 自動車メーカー5社で発覚した不正。トヨタ自動車で【は】「型式指定」の認証試験を巡り、2014年から今年4月末までに出荷された7車種の合わせて約170万台に影響【が】あったと確認されました。


 女子ゴルフの今季海外メジャー第2戦・全米女子オープン(OP)【は】現地時間2日、米ペンシルベニア州のランカスターCC(6629ヤード、パー70)で最終日が行われ、2打差4位から出た渋野日向子(サントリー)【が】通算1アンダーの2位。4アンダーで優勝した笹生優花(フリー)との日本勢ワンツーの快挙を達成した。
 「――は――が――」構文について、三浦つとむは次のように述べています。

 日本語の表現構造には「――は――が――」というかたちをとる場合が非常に多い。英語の文法などを学んだ人びとにとっては、これが奇妙に映るようである。「象は鼻が長い」について、草野清民が「象は」を総主となづけて以来、この構造は文法学者の間でいろいろ論議されている。たしかに、文は主語と述語とから成立するものだという考えかたでこれを見ると、三つの項から成立していて主語らしきものが二つもあるから、異常に見えることはたしかである。

 だが主語に対する述語という考えかたは、いわばスーツケースの標準規格のようなもので、風呂敷を使うときにはスーツケース的に見えるときもあるがそうはみえないときも多いから、形式論をふりまわして日本語の表現構造を解釈しようとすることに問題がある。内容のどのような構造がこの形式としてあらわれているのか、それを考えなければならない。われわれの言語表現は、立体的な認識構造を線条的に単純化してとりあげるという要求にこたえるように努力している。

 判断のちがいに対して係助詞といわれるものを使いわけるのは、対象の構造に主体的表現を対応させる日本語の特徴的なありかたであって、これを利用するところに立体的な対象に対する立体的な認識構造を単純な文で示すという独自な形式が生れたわけである。前にも述べたように(『認識と言語の理論 第二部』第四章の三(p.474)――引用者)、これには二つの系列があって

   父は頭が白い。

   紳士は金髪がお好き。

は認識構造がちがう。「父」と「頭」は一つの実体の全体と部分の関係にあるが、「紳士」と「金髪」とはそれぞれ別の実体である。ここでの「は」は特殊性をとりあげるものであって、「父」のからだの特徴的なありかたや「紳士」の生活の特徴的なありかたについて語ろうとするのであるから、一方は「頭」に他方は「お好き」にむすびついている。そして「が」はそれらの特殊性そのものをさらに目に見えるような現象の面からとりあげ、個別的なありかたにおいて扱うのである。

 「頭」を見るならば現象的に「白い」し、「お好き」なのを見るならば現象的に「金髪」なのである。対象はまずその特殊性において、さらに特殊性の側面の個別性において、二重にとらえられながら一つの文に統一して(3)表現され、立体的な認識が「は」と「が」の使いわけで区別して示されている。

 「反作用はつねに作用と方向が反対で大きさが等しい」という科学の法則の表現も、やはり立体的な認識を扱っている。「は」は普遍性をとりあげて「つねに」以下にむすびつき、普遍性の中での部分的な現象をとりあげるときに「が」が使われている。

いうならば「――は――が――」の形式は、日本語的なスーツケースとして独自性を持つと見るのが適当であろう。助詞について説明しながら、この形式について正しく解説することが、文法書の任務であるように思われるのである。          (『認識と言語の理論 第二部』 p.484)

>>[2]

>「は」には特殊性

誤りです。

限定辞「は」【の定義を】特殊性を表すとしてしまうと、他の限定辞と区別ができません。「だけ」「など」「しか」「ばかり」「くらい」も特殊性を表します。限定辞「は」【の定義は】他との区別を表すことです。

>(三浦、認識と言語の理論2、1967年、483ページ) 限定ということが特殊性を意味する

補足ですが、「副助詞」という名称は「陳述副詞」に用いるものです。副辞です。

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