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BOOK OFF 会員交流コミュの【購読日記】長久手店『E=mc2』

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こんな面白い本をBOOKOFFで105円で手に入れた。

『世界一有名な方程式 E=mc2』(早川書店)
目次
第1部 誕生(1905年、ベルン特許局)
第2部 E=mc2の先祖(エネルギーのE=(イコール) ほか)
第3部 若かりし頃(アインシュタインとE=mc2 原子の内部へ ほか)
第4部 成熟期(先手、ドイツ ノルウェー ほか)
第5部 時間が果てるまで(太陽の炎 地球をつくる ほか)

「はじめに」で、本書の執筆動機と内容の説明がこんなふうに始まる。

「先日、ある映画雑誌に掲載されていたキヤメロン・ディアスのインタビュー記事を読んでいた。最後の質問で、何か知りたいことがあるかと尋ねられた彼女は、《E=mc2》がいったい何を意味するのか知りたいと答えていた。ふたりは笑い、そしてディアスの「本気よ」という言葉で記事は終わっていた。
「本気で言ってると思うか?」わたしがその箇所を読みあげると、友人のひとりが言った。わたしは肩をすくめたが、部屋にいたほかの者たち建築家数名、プログラマー2名、さらには歴史家1名(わたしの妻だ!)は真顔だった。彼らはディアスの気持ちが心底わかっていた。彼らもまた、あの有名な方程式を理解したいと思っていたのだ。
 そのときわたしは思った《E=mc2》という方程式が重要な意味を持つことは誰でも知っているが、意味を真に理解している人は少ない。この方程式は非常に短くて理解できそうに思えるだけに、わからないというのは実に歯がゆいことだ。
 この方程式について、説明を試みる書物は数え切れないほどあるが、そこに書いてあることを理解できたと胸を張って言える人がどれだけいるだろうか。(略)
違ったアプローチの仕方はあるはずだ。相対性理論について詳細に説明している本が失敗したのは
書き方が悪かったのではなく、あまりにも多くのことを書きすぎたからだ。
 誰もが知っているように、伝記には主題となる人物の先祖、幼少期、青年期、成人期が書かれる。この方程式についても同じように進めればいいのではないか。(略)
 したがって、本書はこの方程式を構成する各要素《E、m、c、2》という記号の歴史から始まる。この方程式の「先祖」とも言うべき記号を説明するにあたっては、現在わたしたちが理解しているこれらの記号の意味の確立に頁献した個々の研究者や研究者集団に焦点を合わせた。
各記号の性質を明確にしたあと、方程式の「誕生」に移る。いよいよアインシュタインの登場だ。

興味深かったのは、「2乗」の説明がある6章で出てくる「エミリ・デュ・シャトレ」という女性である。恥ずかしながら、この本を読むまでこの女性のことを知らなかった。
エッセイスト作家辻由美[ツジユミ]さんの「火の女 シャトレ侯爵夫人―18世紀フランス、希代の科学者の生涯」という著作も出ている。その紹介文によると
エミリ・デュ・シャトレ:18世紀フランス、男の牙城の重い扉を力づくで開けて科学界に足を踏み入れた最初の女。彼女は、並はずれたエネルギーをもち、何事も中途半端にはできない火のような女だった。愛人ヴォルテールがフランス社会に突きつけた糾弾の書『哲学書簡』の筆禍で投獄の危機にさらされたとき、エミリは彼を辺境のシレー城に匿う。かくして、エミリとヴォルテールの密度の高い学究と執筆の生活がはじまる。18世紀は、科学の時代にして女の時代であった。地球は宇宙の中心にあるという教会が堅持してきた宇宙観が崩れ去ったことで、天文学ブームがおこり、火星人や水星人の存在について議論が沸騰した。エミリは論文や著作も残しているが、歴史的業績となったのは、ニュートンの『自然哲学の数学的原理』(通称〈プリンキピア〉)をはじめてラテン語からフランス語に翻訳したことである。当時、宇宙の体系にかんして、フランスの科学界で権威があったのはデカルトの渦動説であり、ニュートンの万有引力説はなかなか受け入れられなかった。ニュートンの大著を翻訳するということは、そこに書かれている命題や定理のすべてを独自に計算しなおし、その正しさを証明することでもあり、現在考えられる翻訳という作業をはるかに超えるものであった。この仕事が終盤に近づいていたとき、43歳のエミリは再び恋に陥って身ごもり、産褥熱で亡くなった。学究と恋愛、それは彼女を深いところからつき動かし引き裂いていた二つの情熱であり、そして彼女の命を奪ったのも、この二つの情熱であった。

『世界一有名な方程式 E=mc2』では、「エミリ・デュ・シャトレ」を評して、「ベルサイユ宮殿などの社交の場でも浮いていた。たとえば、メンサの会員であり、元アクション映画女優のジーナ・デイヴィスが18世紀初頭に迷い込んだようなもの」といっている。
余談だが《メンサ》とは知能テストで全人口2パーセントに入るエリートからなる国際組織らしい。
レコードプレーヤーを使った殺人トリックの「刑事コロンボ/殺しの序曲」でも出てきた組織かな〜?
http://www.clapstick.com/columbo/ndatabase/index.html

科学という学問を無意識に男性中心に考えていたが、これを機会に、女性科学者について調べたいと想う。こんな本もあった。
『科学史から消された女性たち』
http://www.kousakusha.co.jp/DTL/kagakushi.html

2007年2月にNHKで本書のドラマ化した番組を放送したようです。
http://www.nhk.or.jp/frontier/archives/20070208.html
http://www.channel4.com/science/microsites/E/e=mc2/index.html

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