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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第九章 お祝い8

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第九章「お祝い」8 内緒




ほんの少し開いたまどから、そよそよと風が漏れ、呼応するようにカーテンがふわりと舞い上がっては、下りていく。
チラチラと見える朝陽の光が眩しくて、どうしても眉間に皺がよってしまう。

寝ぼけ眼で、眩しさに耐えかねて起き上がろうとするが、その寒さで、また布団をかぶる。


眠い…もうちょっと眠ろう…
あぁ…布団が私を放してくれないのぉ…なんちゃって。
おやすみなさい……


今日は日曜日。どえれだけ眠っていようが、誰にも注意される事はない。

レナスは、布団の中でまどろみ、夢の中に足を踏み入れようとした……



が………



「レナス起きて!!」

「うっわ!!さっぶ!!こらっアル!!布団返せぇ〜!!」


アルティアが急にレナスの掛け布団を剥いだ。あまりの寒さに、飛び起きるレナス。

既に着替えを済ませたアルティアと、パジャマのままのレナス。
そして、寮にはこの2人以外は誰もいない。


「寒い!!マジで布団返して!ってか、何で窓あいてんのさ!」

「え〜?だって〜。そのほうが換気できるし、気持ちいいじゃない?それより早く着替えよ!朝ごはん無くなっちゃう。皆はもう行っちゃったよ?」


布団を巡って追いかけっこをする、レナスとアルティア。
ようやく、アルティアを捕まえたレナスだったが、その頃にはすっかり体が温まり、眠気も何処かへ飛んで行ってしまっていた。


「朝ごはんより、眠ってる方が大事だってのに…。」

「朝ごはんは大事なの!ちゃんと、しっかり食べようね!」


元気よく笑いながら、アルティアがレナスの私服を手渡す。


「はい。ちゃんと着替えて、早く行こう!」

「…なんか、今日ご機嫌じゃん?」


ニコニコ笑うアルティアの様子は、舞い上がったようにウキウキと楽しそうだった。


「えへへ。実は今日ね、ビルとホグズミードに買い物に行くの!」

「ビルと?良かったじゃん!」


頬をばら色に染めて、恥ずかしそうに、しかし幸せいっぱいと言った顔で、アルティアが笑う。
その表情を見て、ようやくデートにまでこぎつけたのか!と、レナスの顔も明るくなる。
さすがに邪魔をしてはいけないと思い、一緒に行こうかな…と思った気持ちをひっこめたレナス。


「あ、レナスは、今日ダンブルドア校長が呼んでたから、校長室に行った方がいいよ?」

「え?ダンブルドアが?」


手をポンッと叩いて、今思い出したと言わんばかりに、レナスを見上げて来る。


「何の用か聞いてる?」

「ううん。私は聞いてないけど…。なんだろうね?言ってみたほうがいいよ?」

「うん…。わかった。」


何だろう?そう思って、自分の顎に手を当てて考えて居たとき、突然手を引かれた。

早く行こうよ!
そういって、レナスの手をとり、ニコリと笑うアルティア。


白くて細くて長い指。爪は
少し力を入れただけで、折れてしまいそうなほど脆そうに見えるのに…。
こんなにも、暖かい手。


「じゃあ、朝ごはん行こっか?」


照れながらもそう言うと、アルティアの手を優しく握り返すレナス。そのレナスの一連の動作に、嬉しそうに笑って頷くアルティア。


あまりにも可愛い親友の笑顔に、内心レナスは、焦る。




私が男じゃなくてよかった……かも…。



********



朝食が終わり、アルティアとビルがホグズミードに向かう背中を、笑顔で見送る。

気をつけてね〜!なんていってみるものの、その2人の楽しそうな背中を見て少し寂しくも思った。

レナスは、いわゆる、【お付き合い】というものが進んでいるのだろうと思い、その感情を押し込める。
そんな、たいそうな物では無いと言うのを知らないまま…。


レナスは、3階に続く廊下に差し掛かっていた。
いつもの黒い私服に、あの時買った、お気に入りの黒のロングマフラー。
それを翻しながら、足早に歩く。校長に呼び出され、一対のガーゴイルの像に乗り、そこへ向かうために。


「レナスでねぇか!?」


ガーゴイルの像を動かす為の合言葉を言おうとした瞬間、背中から野太い声に名前を呼ばれたレナス。
振り返ってみると、そこには、ぼさぼさの長い髪に、もじゃもじゃの髭。
2メートルを軽くこえる身長に、大きな体。


「ハグリッド?!どうしたの?」

「いや…。ちょいと、校長に呼び出されちまってな…。それより、お前さんに今会えてよかった。実は…」


大きな体から覗く優しい瞳は、少し困ったような顔をした。
その瞬間レナスは、思ってもいなかった事を口にする。


「シオンに何かあったの?!」


どこからとも無く出てきた疑問。
考えてもいなかった。
いや、考えるより先に言葉が出てきてしまった。


なんで、ここでシオンが出てくるんだ……?


「もしかして、知ってるのか?あいつ今大変な事になっとるんだ。」


え………?


「どういう…事……?」


シオン……!!!


有無を言わさず走り出そうとするレナス。

彼女の頭の中の思考は停止したままだった。
しかし、彼女は走り出す。
今現在、どこに居るかも知らされていない使い魔のために。


「ちょいとまった!!」

「放して!!あいつに何があったの?!放してってば!!行かなきゃ!」

「待てって!」


ハグリッドの大きな手に、がっちりと掴まれるレナスの細い手首。
引き剥がそうと、もがくが巨人の血を引いた半人間のハグリッドに、力で勝ることができるはずが無い。


「落ち着いてくれレナス!そうじゃねぇんだ!」

「あいつにもしもの事があったら、私がなんとかしなきゃ!!あいつはっ……」




あいつは……





あいつは……私の………





私のっ……――――!!




「少し落ち着くのじゃ。」


肩にポンと手を置かれて、その方向に目をやる。


「ダンブルドア……?」


レナスの目に飛び込んで来た人物。
他でもない、ホグワーツの校長であり、今から話をしに行こうとした人物その人だった。


「彼なら大丈夫じゃ。その事で、少し話をしようかの?まぁ、レモネードでも飲みながら…。ハグリッドも来るのじゃ。」


ダンブルドアの言葉に、未だにレナスの思考は停止したままだったが、抵抗しようとはせず自然と体の力を抜いた。



シオン…何があったの…?



一対のガーゴイルの像にまとめって乗った3人。
ぐらぐら揺れながら、校長室の扉の前にやってくると、ダンブルドアは、レナスとハグリッドを、自室に招きいれた。


温かいレモネードの湯気が立ち上る。
甘酸っぱい良い香りが充満する不可思議な部屋。

校長室の作りというのは、奇怪な構造をしている。
螺旋階段があったと思ったら、窓ガラスのない壁に備え付けてある望遠鏡。
隠し扉のような壁の亀裂。キャンディーがあると思ったら、そのキャンディーは意思をもち、ヒソヒソと話をしている。


レナスと、ハグリッドは、校長室にあるテーブルに腰掛ける。
しかし、レナスはレモネードを差し出されても、口をつける気にはなれず。ただ、カップを持ち、それを両手で覆い、まるで暖をとるような仕草をするだけだった。

ダンブルドアがちょうどレナスの向かいに座り話しだす。


「ハグリッドや。レナスに誤解を招くような言い方をしては困るでのう?」

「すんません…。校長……・。」


何事も無いかの様に、話をする2人を見て、レナスが口を開いた。


「あの……。シオンに何があったの?!」

「少し聞きなされ。」


詰め寄るようなレナスの質問を制するダンブルドア。
一呼吸おいて言葉を放つ。


「実は、お前さんの使い魔じゃが………。」




*******



賑やかな日曜の街。
粉雪が舞い、ホグズミードは、活気に満ちる。


「ねぇ?今度は、何を買うんだっけ?」

「次は……花束なんてどうだい?」

「2月まで持たないんじゃないかなぁ…?」

「魔法をかければ大丈夫さ!」


雑踏の中、なにやら両手に大きな荷物を抱えてながら、楽しげに話をする、アルティアとビルの姿があった。


「あとは…やっぱ、ケーキ?」

「レナスって、あんまり甘いものは食べないみたい。」

「そういえば、肉も嫌いなんだよな?」

「食事は考えなくていいと思うよ。夕食は大広間で済ませる状態になると思うし。あ!あとはバタービールかな?でもそれは後々買えばいいと思うから……」

「なんたって、誕生日なんだから、盛大に祝わないとな!!」


どうやら、この2人、もうすぐ誕生日だというレナスのための祝いの準備をしに来たよだった。


2月4日は、レナス・ヴァルキュリアの17歳の誕生日だった。
人と関わることを遠ざけて来たレナスはあまり祝われたことがない。それをアルティアは知っていたため、今年は盛大に。
そう思って、この話をビルに持ちかけた所、祭り好きなビルは話に乗ってきた。という経緯だ。


「なんかさぁ…楽しみだね!」

「絶対内緒だからな!あ、他にも言いそうな奴に口止めしないと。チャーリーにも声かけるかな。」

「チャーリーって、確か弟さんだよね?」

「うん。来年にはもう一人新しく入ってくる弟もいるよ。」


アルティアは呆気に取られた瞬間。思わぬ事を口にした。


「ビルの家って、兄弟沢山いるんだね!」


兄弟がいないアルティアは、2人も弟がいるビルが羨ましく思えた。だが、ビルからは、もっと驚く事実を聞かされる。


「いや…俺のほかに、2人じゃなくて……あと、4人いる。チャーリーの下が、パーシーって言って6歳放れてて、フレッドとジョージは双子で俺より8歳年下で、その下がロンって言って10歳年下の弟。一番下が11歳離れた妹、ジニーがいる。」


目を丸くしたアルティアの口からは、感動以外の言葉が出てこなかった。


「すごーい!!大家族!!」

「だけど、兄弟が多いと大変さ。俺が弟達の面倒いつも見ないといけないし…。夏休みなんか、家で戦争だから……。」


少し、げんなりしながらも、ビルは言葉を続ける。


「チャーリーは、ドラゴンに夢中で他の話には、一切興味が無いみたいだし。パーシーに至っては真面目過ぎて、兄貴のこの俺に髪型の事で煩く言ってきたり…。フレッドとジョージは、悪戯好きで、スキがあれば、人が寝てるベッドに蛙だの、ミミズだの入れてくるし……。ロンとチェスの勝負して俺が勝つとビービー泣きだすし…。唯一妹のジニーは、それ見て泣いてるし…。父さんや母さんは忙しいから、毎日の様に、兄弟を俺に預けて仕事に行っちまうし…。」


そんな事を、くどくど言うビルに対して、アルティアは優しく答える。


「でも、それって、信頼されてるお兄ちゃんだから甘えたくて仕方ないんじゃない?頼りになるって、慕ってくれてる裏がえしなんじゃないかな?頼りにならなかったら、お父様や、お母様は、きっと放って置けないって思うの。信頼されてるから、安心してお仕事に行けるんじゃない?」


そんなアルティアの言葉に、照れて笑うビル。
そんな笑い方を見たことがないアルティアは、ビルの顔を見る度に、頬を薔薇色に染めてしまう。


「すごいな…アルティアは…。」

「え?なにが?」


いきなり真面目に答えられたため、驚くアルティア。しかし、聞き返した後もビルは真剣な顔つきだった。


「俺さ…実は……、兄弟って手がかかるばっかりで、良い事なんて無いって思ってた。でもさ、なんかアルティアって、なんていうか……説得力あるよなぁって思って。」


今までの自分を省みてるのか、少し眉を寄せるビル。


「説得とは違うかも知れないんだけど、アルティアにそんな風に言われるまで、気がつかなかった。今思うと、その通りなんじゃないかって思った…。」


頬を少しぽりぽりと掻きながら、ビルは言葉がまとまらないようだった。しかし、締めくくりの言葉は、単純…しかし、一番難しくて、生きていく中で、最も大切な言葉。


「なんていうか……」





・・・・・ありがとう・・・・・





この時、アルティアは思った。





何があっても…





この人を好きでいよう





****続く****

コメント(12)

いきなりだね〜〜。
シオンに、何があったのだろうか…?
って、何でダンブルドア落ち着いてるのさ?

ハグリッドが言った、大変なことって何?とかね( ̄▽+ ̄*)


ってか、最近、アルとビルが急接近してる気がしてならない…。
もういいじゃん!ビル!アルティアと付き合っちゃえよ!
って思う今日この頃…。

そして、アルティアちゃんは、一途なのです。
次回から、かなり波乱の幕開け☆☆

おたのしみにね☆☆o(*^▽^*)oエヘヘ!
あぁ〜〜んもぅ・・・潮ンったらぁ揺れるハート

ほら、
大変な事になっちゃってるじゃなぃのぉ〜〜?

ってか?!(違)

|Д^)σ プギャー
しらけさん

いやーんハートハートハートハートハート
シモいわ〜ハートハートハートハート

そうやって、何でもシモい方にもってっちゃうんだからぁ〜ハートハートハートハート←嬉しいらしい

まあ、シオンくん、今回は…あるいみ大変です。

ええ、そりゃもう!
ビジュアル系シオンにあるまじき…。
シオンファンの皆さんすみませんm(_ _)m

しかし、私はシオン好きだ。←意味不明
なるほど〜

潮ン|ョ∀=) =ャリ

|彡タプッ!!
兄弟たくさんのビルにビックリふらふら
アルもビルも優しいにゃハート
アル〜、頑張れ〜ハート

そして、シオン君はどうしたのでしょう…冷や汗
若干の不安を残しつつ、待て、次号!(←コラげっそり)
しらけさん

うふふふふ☆
楽しみにしてね☆

って、シオンが覗いてる…。

君は、まぁ次回のために、



ひっこんでなさい!←鬼だ?( ̄[] ̄;)!
みけちゃん

ビルは、ハリポタに出てくる人物なので、
ビルの兄弟も、必然的に、ハリポタにいるという存在になります。

一番有名なのは、ロンですね。
ハリー・ポッターの親友になる人物だから。

まぁ、こんなところで繋がってるのよ〜〜☆


シオンはねぇ…。どうしたのかねぇ〜?←鬼( ▽|||)サー

まぁ次回のお楽しみに☆
シオンがどうなってるのか非常に気になりますあせあせ(飛び散る汗)

そういやビル家は大家族でしたね(笑)
ロンが9歳年下ってあたりからだいたい本編との年代差が見えてきました(^ω^;)
シオンはね…
もう彼は…あぁもう…。

肝心な時に…(>_<)



あ、ごめんなさい(〇□〇||;)
ロン&ハリーと、レナス&アルティアは年の差10歳ですo(^-^)o

って、セブルスとの年齢差しか出して無かったですね(ToT)
すみませんm(_ _)m←あぁ情けない。
シオンの身になにが。。。。!?次が気になります。



ビルみたいなお兄ちゃん良いですよねー。ロンたちがうらやましー。
映画に出てきてくれないのがひじょーに残念でなりません。あの長髪ロッカーなビル兄がみたいのにー。
セブルスさん

シオンは…もうアレです。
彼らしからぬ感じです(笑)


ビル兄ちゃんは、いいっすよねハートハート
なんでもっと出てきてくれないんだろう(ToT)

私なんて勝手に彼をつくっちゃったくらい、ビルに会いたいのにぃ〜(>_<)

でもレナス達より、年下(爆)
すみません…。ちゃんと計算しなおしたら、パーシーって来年入学ジャン。って事で、内容を直しました。

すみません。

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