ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

SF小説■携帯電話■コミュの第3話■ヨシオとマチコ■6

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
たった5〜6分のデート
携帯電話で話すだけ
何を僕は見出しているのか
彼女は僕の何に感じてくれたのか
問いただす事も無く
ただ続いた
あるいは、たずねる事が恐かったのかも知れない。
結果が出る事が恐かった。
知る事が恐かった。
そうなると何もかもが恐かったのかもしれない。
しかし、彼女は僕とのこのデートに付き合ってくれたし
もちろん彼女も何がしかの楽しみを得ている事もわかっていた。

今日は何だかいつもと空気が違っていた。
彼女は携帯を切ると僕に向かって突然話し始めた。
「少し前の話。携帯電話の大好きな女の子がいました」
「ん?うん」
「彼女の名前は美智子。私のお友達。
いつも携帯を片手に車を運転していました。
二人はいつも他愛の無い話をして
笑い合っていました。そんな或る日。
彼女は聞いたのです。
『きゃっ』と小さな叫びの後とてつもない物音が
携帯の中に響きました。
とっさに『大丈夫!』と叫びましたが
答えはありません。『どうしたの?今何処?』
しばらくしてささやく様に返事がありました。
『へへ・・事故っちゃった』ああああ・・・・・・
ほんとに大丈夫?
『う・・ダ・メ・か・も・今タンカで運ば・れ・て・る』
何処?何処?
『上・・野の丸井のとこ』
すぐ行くから!
『忘れないで・・ね・・私のこと』それが最後の言葉でした。
彼女はダンプの運転手をしていたのです
それがそこの場所なの」
彼女は近くを指差した。

「あれから一年たったわ。今日が彼女の命日」
思い出した。
一年前ここで大きな事故があって
23歳の女性ドライバーが亡くなった。
「あの事故か・・」
「あの日。なくなった彼女のお父さんと待ち合わせをしていたの。」
「ああっ!?・・ああ・・・」
私の父にその話をしたら是非自分も弔いたいって・・
「ああ・・ああ・・」
「そしてあなたと話をした時、思ったの・・。
もしかして、ここで一年間こうしていられたら
私の彼女に対しての弔いになるかなって思ったの・・」
「それで・・」

その時、時計は12時42分を差した。
ほんの少し軽いめまいを感じた。
と、その時携帯が鳴った。

コメント(1)

昼飯まだだからかな?
早く食べた方がいいよ。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

SF小説■携帯電話■ 更新情報

SF小説■携帯電話■のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング