ゴスペルハウスコミュの「神様は聞かれる」2024.10.05

ゴスペルハウスメッセージ 2024.10.05
「神様は聞かれる」創世記21:8-20

8 その子は育って乳離れした。アブラハムはイサクの乳離れの日に、盛大な宴会を催した。
9 サラは、エジプトの女ハガルがアブラハムに産んだ子が、イサクをからかっているのを見た。
10 それで、アブラハムに言った。「この女奴隷とその子を追い出してください。この女奴隷の子は、私の子イサクとともに跡取りになるべきではないのですから。」
11 このことで、アブラハムは非常に苦しんだ。それが自分の子に関わることだったからである。
12 神はアブラハムに仰せられた。「その少年とあなたの女奴隷のことで苦しんではならない。サラがあなたに言うことはみな、言うとおりに聞き入れなさい。というのは、イサクにあって、あなたの子孫が起こされるからだ。
13 しかし、あの女奴隷の子も、わたしは一つの国民とする。彼も、あなたの子孫なのだから。」
14 翌朝早く、アブラハムは、パンと、水の皮袋を取ってハガルに与え、彼女の肩に担がせ、その子とともに彼女を送り出した。それで彼女は行って、ベエル・シェバの荒野をさまよった。
15 皮袋の水が尽きると、彼女はその子を一本の灌木の下に放り出し、
16 自分は、弓で届くぐらい離れた向こうに行って座った。「あの子が死ぬのを見たくない」と思ったからである。彼女は向こうに座り、声をあげて泣いた。
17 神は少年の声を聞かれ、神の使いは天からハガルを呼んで言った。「ハガルよ、どうしたのか。恐れてはいけない。神が、あそこにいる少年の声を聞かれたからだ。
18 立って、あの少年を起こし、あなたの腕でしっかり抱きなさい。わたしは、あの子を大いなる国民とする。」
19 神がハガルの目を開かれたので、彼女は井戸を見つけた。それで、行って皮袋を水で満たし、少年に飲ませた。
20 神が少年とともにおられたので、彼は成長し、荒野に住んで、弓を射る者となった。

アブラハムが１００歳の時に与えられた約束の子・イサクの乳離れの日、アブラハムは大きな宴会を催しました。
先週も大きな盛大な宴会の例えでしたね。
当時は３-４歳が乳離れと言われていました。

そこで、サラの女奴隷・ハガルの息子が、主人アブラハムの約束の子・イサクをからかったのです。
それで、サラが怒って、ハガルと息子を追い出せと、アブラハムに迫りました。
確かに失礼な奴隷の息子です。
ただ、この子はただの奴隷の子供ではなかったのです。
サラが神様の約束を待ちきれずに、自分の提案でアブラハムに女奴隷ハガルを与えて、生ませた子なのです(創世記１６：１-２参照)。
そして、生まれた子どもを自分の子として、つまりアブラハムの跡取りとして認め、愛し、育ててきたのです。

ところが、彼の誕生後１４年経って、サラから約束の子・イサクが生まれ、彼は奴隷の子という立場になったのです。
しかし、アブラハムにとっては、女奴隷から生まれたとはいえ、自分の息子なのです。
最初の息子なのです。
追い出すということは、苦しく難しい決断だったと思います。
なぜなら、力もない、経験もない、彼とその母親の女奴隷を二人だけで追い出してしまえば、荒野では生きていくことができないのです。
アブラハムは、たくさんの財産を持っていました。
しかし、女奴隷にとその息子に与えられた相続分は、パンと水だけだったのです(１４節)。
一人のしもべも、一匹の家畜も、一袋の金銀も、与えられてはいません。

サラの言い分はイサクを愛する気持ちから出たものですが、あまりにも残酷です。
自分の提案の結果なのに、神様の約束を待ちきれなかったためなのに、怒って少年と母を殺そうとするサラ。
確かに、ガラテヤ人の手紙４章２３節には「女奴隷の子は肉によって生まれたのに対し、自由の女の子は約束によって生まれました。」とありますけれども、それでも大切な命です。
アブラハムの心の痛みは、どれほどのものだったでしょうか。

しかし、神様は、サラの怒りの声もアブラハムの悩みの声も聞かれた上で、サラの言う通りにしなさいと、アブラハムに言ったのです。
神様の約束を待ちきれずにいた夫妻、その結果に怒る妻、苦しむ夫。
本来なら、神様に見捨てられ、滅ぼされても仕方がない状態です。
神様は、そんな不十分な彼ら夫婦の、怒りも苦しみも、受け入れて聞いたのです。

サラの身勝手な計画の被害者と言ってもいい、ハガルとその息子は追い出されました。
助け手もなく力もなく、案の定二人は死にかけています。
少年は乾き苦しみ、母親は息子が死ぬことへの絶望で泣きました。
人間の勝手な判断の結果、神様の計画を持てなかった結果、そして母子ともに慎みや謙遜を忘れた結果、二人で絶望の声を上げざるを得ない状況に陥ったのです。
人の罪深さ、人の醜さ、人の悲しさを見る場面です。

けれども、神様はハガルと息子の声を聞きました。
そして、彼らを生かしたのです。
神様の約束を待てなかった結果、自分に考えに頼った結果、つまり罪の結果、怒ったサラの声、悩んだアブラハムの声、絶望したハガルの声、苦しんだ息子の声、そのすべてを神様は聞かれ、しかも赦し、助け、祝福したのです。

この女奴隷・ハガルの息子の名前、皆さんは知ってますね。
そう、イシュマエルです。
では、イシュマエルという意味を知っていますか。
イシュマエルとは「神様は聞かれる」という意味です。
名付けたのも神様です(創世記１６：１１)。
神様は、イシュマエルを通して、神様は聞かれるということを表したのです。
いわば、神様の自己紹介です。
たとえ、肉の子であっても、神様はそれすら用いるのです。

神様は聞かれます。
あなたの怒りも、悩みも、苦しみも、悲しみも、絶望も。
そして、そのまま捨ておく方ではないのです。
イサクの乳離れの宴会からのできごとは、それを表しているのです。

あなたの自分勝手が、あなたの待ち切れなさが、あなたの肉の思いが、あなたの罪が、あなたに悲しみの声を上げさせることがあるでしょう。
だれかに、悲しみの声を上げさせることもあるかもしれません。
また、あなたの怒りの声や、だれかの怒りの声を引き起こすこともあるでしょう。

神様は、そのすべてを聞いてくださる方です。
聞くだけでなく、見捨てない方で、助け導く方なのです。
それは、神様はだれ一人滅びることを望んでいないからです。
マタイ福音書１８章１２-１４節です。

12 あなたがたはどう思いますか。もしある人に羊が百匹いて、そのうちの一匹が迷い出たら、その人は九十九匹を山に残して、迷った一匹を捜しに出かけないでしょうか。
13 まことに、あなたがたに言います。もしその羊を見つけたなら、その人は、迷わなかった九十九匹の羊以上にこの一匹を喜びます。
14 このように、この小さい者たちの一人が滅びることは、天におられるあなたがたの父のみこころではありません。

この羊は、だれかのせいではなく、自分で迷い出ました。
しかし、神様はそれを捜し出し、見つけ出し、大喜びするのです。
自業自得という言葉は、因果応報という言葉は、自己責任という言葉は、神様の愛の前では効力を持たないのです。
神様のその愛を成し遂げるために、イエスさまは十字架であなたの身代わりになりました。
ヨハネ福音書３章１６節です。
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」

神様は、だれも滅ぼしたくないのです。
すべての人を、愛したいのです。
赦したいのです。
喜びたいのです。

イシュマエル・神様は聞かれる方です。この約束を信じ、日々の生活で神様に頼りましょう。
怒りや悲しみに押しつぶされないで、神様の愛をたっぷり受けて歩みましょう。
あなたの毎日が、神様の愛を味わう日々となりますように。

【参考聖書箇所】
☆ 私の子だったのに
創世記
16:1 アブラムの妻サライは、アブラムに子を産んでいなかった。彼女にはエジプト人の女奴隷がいて、その名をハガルといった。
16:2 サライはアブラムに言った。「ご覧ください。主は私が子を産めないようにしておられます。どうぞ、私の女奴隷のところにお入りください。おそらく、彼女によって、私は子を得られるでしょう。」アブラムはサライの言うことを聞き入れた。

☆ １４歳違いの異母兄弟
創世記
兄・イシュマエル
16:16 ハガルがアブラムにイシュマエルを産んだとき、アブラムは八十六歳であった。
弟・イサク
21:5 アブラハムは、その子イサクが彼に生まれたとき、百歳であった。

☆ 肉の子
ガラテヤ
4:22 アブラハムには二人の息子がいて、一人は女奴隷から、一人は自由の女から生まれた、と書かれています。
4:23 女奴隷の子は肉によって生まれたのに対し、自由の女の子は約束によって生まれました。

☆ ハガルに謙遜を求めた神様
創世記
16:8 そして言った。「サライの女奴隷ハガル。あなたはどこから来て、どこへ行くのか。」すると彼女は言った。「私の女主人サライのもとから逃げているのです。」
16:9 主の使いは彼女に言った。「あなたの女主人のもとに帰りなさい。そして、彼女のもとで身を低くしなさい。」

☆ 彼の名は、イシュマエル
創世記
16:11 さらに、主の使いは彼女に言った。「見よ。あなたは身ごもって男の子を産もうとしている。その子をイシュマエルと名づけなさい。主が、あなたの苦しみを聞き入れられたから。