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日記ロワイアルコミュのモテない男のRHAPSODY

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16歳の男子高校生。共学とは名ばかりの工業高校に通っている。

ファッションには興味なし。髪形も気にせず、典型的な「モテない男」だ。



1年生の夏休みに酒屋でバイトを始めた。

別に長く続けようとは考えてなかったが、結局高校卒業まで続ける事となる。



高校最初の冬休み。

店長が「今日は女の子が面接に来るから」

モテない男でも、心は躍る。

現れたのは、髪の毛を少し染めてて、ちょっと化粧の濃い女の子だった。

見た目は確かに可愛い。しかし所謂「苦手なタイプ」だ。

どうやら同い年らしい。

「ああ、俺とは違う世界に住む人だ。」

直感がそう告げた。



「同じ曜日のバイトになったら嫌だなぁ」

見事にその願いは打ち砕かれた。

バイト先はシフト制ではなく曜日固定なので、週に3回は会うことが確定したことになる。



いざ一緒に働いていると、意外と優しい子だった。

明るくて、無邪気に笑う。

俺のくだらない話にも耳を傾けてくれる。

何より、俺みたいな奴も邪険に扱わない。

最初は半信半疑だったけど、この子は上辺じゃなく、心の底から

仲良くしてくれているんだ、と思った。



個人経営なだけあって、かなり自由なバイトだったと思う。

仕事中でもヒマだったら、お店にあるお菓子を食べる。(勿論お金は払う)

二人でポテチをパリポリ。

二人でふ菓子をさくさく。

冬の寒い時期は、店長を含めて、暖かい飲み物を誰が買うかのじゃんけんをした。

たとえ負けても、飲み物を渡した時の笑顔があれば損した気分にはならなかった。



ある日、お店の前で彼女が呼んでいる。

「キャッチボールしよう!」

彼女は笑顔で軍手を丸めている。

途惑いながらもお店の前の道に出る。

彼女が「いくよ!」と振りかぶる。

俺は「ちょっ、足と手が同時にあがってる」と笑う。

店長は「へたくそだな〜」と笑う。

いや、怒れよ。仕事中だぞ。と自分の立場を忘れて、心の中でつっこむ。



彼女に「もっと服装に気をつかったら?」と言われれば、友達と服を買いに行った。

「髪形とか変えてみたら?」と言われたら、美容室に行ってみた。



それは必然だった。

普段の生活で接する女の子なんて彼女しかいなかった。

普通に接してくれるだけでもありがたかった。

おこがましいと思いながらも、小さな恋心が芽生えた。



彼女には恋人がいた。

仕事終わりにたまにバイクで迎えにくる。

その男は、俺の小学校のクラスメイトだった。

よくサッカーをして遊んだな。

チーム決めの「取りじゃん」ではいつも二人で1、2番を争ってたな。

会わない内に、君は大人になったな。

周りに置いていかれる感覚を始めて味わったのはこの時かもしれない。



彼女との友達付き合いは高校を卒業した後も続いた。

いつも彼女が「飲みに行こう!みんな集めて!」とメールを送ってくる。

俺は「はい」と二つ返事で承諾する。

年齢も性別も違う。みんなそれぞれの仕事を始めている。

それでも彼女の一声で、昔のバイト仲間が集まる。決して多くはないけれど。

その関係を壊したくない。

「友達として長く付き合いたい」「これは恋心じゃなくて、ある意味尊敬かな」

そう言い聞かせる。



時間は少し流れ、彼女が彼氏と別れたらしい。

以前からの会話で、そうなるだろうと大方の予想はついていた。

それでも自分に言い聞かせる。

「どうせ無理なんだから、このままの関係が続けばいいや」

数少ない異性の友達。そして仲間。

リスクを冒す理由は無かった。



また時間は流れる。

俺は「浮気」をした。

ある女性に一目惚れをした。

でも、まともな恋愛をした事のない男に、それはあまりにも高いハードルだった。

同じ時期に彼女も新しい彼氏と上手くいっていなかったようだ。

お互いがそれぞれの悩みを打ち明け、いつしか相談する回数も多くなった。



ある日、日にちが変わる直前に携帯が鳴った。

「いまからいつものファミレスに来てくれない?」

それはいつもの彼女の声じゃなかった。

普段乗らない車を飛ばす。

うれしかった。

頼ってくれる。


「こんな俺を頼ってくれる」


再び「恋心」が芽生える。

一目惚れした女性にフラれても全然悲しくなかった。

「ああ、俺が本当に好きなのは彼女なんだ」

時間は大分かかったけど、ようやくそう確信した。

暑さがひと段落した季節だった。



その後、彼女はその彼氏とも別れる。

しかし、いくら自分の想いを確信したところで、いきなり積極的に動ける訳がない。

またちょっとだけ、時間は流れる。

ようやくバイト仲間に相談した。彼女が好きだと。

みんなが笑う。

「いまさらかよ!」

出会ってから6年目、12月の事だった。



年が明け、1月は彼女の誕生日。

彼女と食事に行く。

それはいつもと変わらない光景。

ちょっと違ったのは、プレゼントを用意していた事。

1月の誕生石「ガーネット」をあしらったピアス。

受け取った彼女は笑顔になった。

でも、変なところで敏感なんだな、俺は。

あの時の笑顔とは少し、ほんの少し違ってた。

戸惑い?申し訳なさ?



4月。彼女は長野へ引っ越した。

旦那との新たな生活の為に。

旦那が長野で就職が決まった為、一緒に行くのは当然だ。

彼女本人から聞いた話だと、旦那は同い年の人らしい。

とても積極的にアプローチされたそうだ。

そこから僅か半年ほどで結婚する運びとなった。


やはり「大人」はすごい。

また置いていかれちゃった。

一歩ずつ歩く俺の横を、人々は早足で駆けていく。

いとも簡単に、追い抜いていく−−−



彼女に「希望」をもらいました。

彼女に「恋心」をもらいました。

彼女に「悲しみ」をもらいました。

彼女から「諦め」を教わりました。


約6年間の片思いが終わりました。



あれから早2年と少し。

「俺にも彼女が出来ました」

なんて事にはならず(笑)

現実は小説や映画の様にはならないんだよなぁ。

やっぱり、俺には「恋愛」ってハードルは高すぎるなぁ。

当時の記憶を遡り、これを書きながらつくづくそう思いました。

前向きな人は、きっとこの経験を糧に幸せを掴めるのかな。

ちょっと自分には難しそう。

今はただただ、彼女の幸せを願っています。




最後まで読んでくれた方。いるのかな?

ハッピーエンドじゃなくてごめんなさい。
(途中まではそんな雰囲気が出てたかもw)

事実だからしょうがないですね。

モテない男に救いの手を。。。

コメント(102)

その内、素敵な恋が出来るといいですね。

1票です。
同じようにアナタの事想っている人がすくそこに・・・
一票
一票!あなたに幸あれ。そして僕にも…(笑)

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