ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

FFXI_NovelコミュのEpisode#3 "Final Warning"

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Episode#3 "Final Warning"

 この世界ギルガメッシュには3つの国が存在し、それぞれサンドリア、バストゥーク、ウィンダスという。また、この世界の人種はヒューム、エルヴァーン、タルタル、ミスラ、がルカの5種族である。これら5つの種族が3つの国に混在しているが、サンドリアにはエルヴァーンが、ウィンダスにはタルタルとミスラが多い。ジュノは他の3国の中心に位置しており、さまざまな目的で人が行き交う特別な町である。
 物語の中心となる集団にはPozという名前がついている。特に名前の由来にこだわる者はいないが、彼らのような冒険者の集団はこの世界でリンクシェル(LS)、と呼ばれる。数人でウィンダスから始まったPozも、この頃になると数十人の規模に膨れ上がっていた。さまざまな種族の、さまざまな職業のメンバーがいる。多くはベテランの冒険者だが、中には駆け出しもいる。
 もともとPozはウィンダスの青年たちの集まりだった。カフィをはじめとして、エル、ロック、ハルネ、シキ、コダック、リシアン、ヒメ、ヘイキチ、ミヤモトといった寄せ集めの小グループだった。ウィンダスにはタルタルが多いものだが、彼らの中でタルタルはロックただ一人。カフィ、シキ、ヒメはエルヴァーンであり、コダックはガルカだった。流れ者が多い集団で、もともと故郷というものを持っていなかった彼らの中で誰かが

「なあ、ジュノいかね?」

と言い出した。いいね、いこう、という声が大勢を占め、一行はジュノを目指すことになった。しかしまだ年若く、冒険者というにも未熟すぎる彼らにとってジュノはあまりにも遠かった。だいたいジュノがどこにあるかもわからない。サルタバルタでマンドラゴラの親玉に蹴散らされ、タロンギでヤグードに追いかけられ、メリファト山地では大トカゲが吐く火の玉に瞠目した。ソロムグ原野では、当時の彼らでは相手できないモンスターの目を盗んでこっそり移動した。
 一同がジュノにつくころには、まだまだ未熟でも顔だけはもう一人前の冒険者の顔になっていた。しかしその顔がジュノにつくや、子供の顔に戻った。
「すげえええええええええええええ!」
人がこんなにいる光景はみんな初めてだった。ウィンダスと違い、ジュノを行き交う人の歩みは速く、すべてが忙しく、めまぐるしく動いていた。やっとのことでジュノにたどり着いた彼らはどうしていいかもわからず、ただこの光景に呆然と見入っているだけだった。夕暮れ時がきて、街灯に油がさされ、灯火がともる。夜もジュノは賑やかだった。
 そこはジュノ下層と呼ばれる場所で、商工会議所やさまざまな店があり、その近くにある競売所も相まって非常に多くの人が行き交う場所になっている。一同は下層を抜け、上層に出た。夕闇の中でほのかにステンドグラスが光る教会が目にはいった。教会は、近づいて見上げてみると言葉を失うほど美しいたたずまいを見せていた。
「きれいだな・・・」
 リシアンがぽつりと言った。
「そうだな。ここから始めることにしないか?」
カフィが答えた。
「ん、それってどういうこと?」
「つまりさ。俺たちのここの生活は今日から始まるわけだ。だから今日ここを始まりの場所にして、明日もあさっても集合はここ。どう?」
「けどここ教会も競売所も近いから他の人に迷惑じゃないかね?」
「迷惑がられるくらい大きなグループになれば、それもいいじゃないか」
「それいい!」
「いいねぇ〜」
 それ以来、上層の教会はPozの集合場所として利用されるようになった。なんとなくここにくれば誰か知った顔がいた。時が経ち、LSは大きくなったがこの集合場所は相変わらず「たまり場」となり、今でも誰かがいて安心できる場所、となっている。
 それからまたたくさんのメンバーが増えていった。中にはベテランもいたが、多くは当時のPozと同じかけだしの冒険者だった。国籍も種族も問わず。やりたいこともやってきたこともそれぞれ違うメンバーたちだったが、不思議とこの集団は大きくなり、わずか半年を待たずして数十人の規模まで膨れ上がった。リシアンが案じたとおり、多少人の迷惑となることもあったが多くのメンバーはすぐどこかに狩りや冒険に出かけてしまうので、心配するほどではなかった。ごくまれにメンバーの家に抗議の手紙がはいっていたり他愛無い悪戯をされることがあったり、町の掲示板に中傷めいたことを書かれることもあったが、まず問題ない類のものであった。

話を戻そう。

 ジュノから各地に散って情報を調べ始めたメンバーもまた、あまり大きな希望は見出せていなかった。ウィンダスの古めかしい図書館で本に埋もれるもの、サンドリアの聖堂で聞き込みをするもの、バストゥークの大工房で科学者に話を聞くもの、多くの手を尽くしても得られた情報は乏しかった。
 それでも懸命に調査を続けていたメンバーの一人の家に一通の手紙が配達された。
「郵便です」
「はい、ご苦労様」
 白のリシアンである。彼女の家にはあまりモノはない。かわりにジュースを絞るための果物が山積みになっている。昨日も巨大なメロンが就寝中に落下してきて部屋中に転がったために寝不足な彼女である。
「なんだろう。また魔法屋のチラシかな。。。もう魔法いらないんだけどなぁ。。。」
大き目の羊皮紙に書いてあるのは、読んだことがない文字、いや模様だった。ただ、一面に不思議な模様が書いてある端に、「ボスディン氷河A-11」という記述がある。通常、アルファベットと数字の組み合わせは地図上の位置をあらわす場所の記号である。しかし、ボスディン氷河のA-11などという地域は聞いたこともない。裏返してみたが、差出人は不明。あて先だけが書いてある。Ms. Lisianthus, 5-2-103,Churchstreet,UpJeuno,Jeuno。それだけである。よくこんな怪しい荷物届けてくれるな、、と思いつつ目をこらしてみるが、他に何も書いてありそうにない。この不思議な模様を読み解こうともしたが、今までに見聞きしたあらゆるものからもその意味は想像できなかった。
誰かに相談しようにも今皆出払っているし、特に意味があることとも思えなかったので手紙をポケットに突っ込み、買い物に行くことにした。調査活動で疲れていたし、思えば今日は昼食も食べていなかった。酒場に食料の買出しに行こうと思い、ふらっと上層の通りに出る。ふと、教会の方を見やって昔のことを思い出した。
「まだそんな昔じゃないんだけどな。。。ウィンダスはどうなってるかな」
ジュノに来て以来、思えばウィンダスに帰ったことがない。依頼を受けてバストゥークやサンドリアに出張することはあったが、なぜかウィンダスには近づいていなかった。そんなことを考えながら酒場を目指して振り返ったとき、大柄なガルカとぶつかってしまった。

どん

あっと思ったときにはもう遅かった。バランスを崩した彼女は石畳に体を投げ出し、したたかに腰を打ってしまった。
「つっ!」
もともと身のこなしが軽いほうではない彼女は、けっこうな痛みを腰に覚えていた。これは明日腫れるなぁ、、、と思いながら、ガルカに声をかける
「どこ見て歩いて・・・」
ガルカが彼女の抗議を制止した。
「どこでこれを?」
見ればガルカの手にはさきほどの手紙がある。大きな手で器用に小さな手紙を持って読んでいる。読んでいる・・・?さっきの手紙には場所しか書いていないはずだが、何をこのガルカは一生懸命読んでいるのだろう。
「しらないよ。今日ポストに入ってたのさ」
「あなた、これを読めるのですか・・・・?」
「ばっ・・・馬鹿にしないでよね!氷河のA-11でしょう?それより人にぶつかっとい」
「やはり読めないのですね」
「なっ・・・何いってんの、だから氷河」
「私が言ってるのはこっちのことです」
と言ってガルカは模様の方を指差した。あっ。やはりあれは文字だったんだ。しかし今まで見たことがない字だな。。。
「こう書いてあります。『約束を果たしに来い。』そうか、答えはそこにあるのか、、、。」
言って、またガルカは考え込んだ、リシアンはしりもちをついたまま悪態をついた
「何なのよソレ!だいたいあんた何者なの」
「私のことなどいいのです。それより、もしかしてこれは・・・」
「これは、何?」
「いえ、いいのです。何でもありません。では、失礼」
「ちょ・・・ちょっとあんた、待ちなさいよ!」
言っているうちにガルカは人ごみに消えていった。この腰の痛みをどうしたらいいのだろうか。とりあえず座ったまま女神の印を結び、ケアルを詠唱してみる。いくらか痛みが和らいだ。気休めにエスナを詠唱したが、本当に気休めだった。
「まったく・・・」
ようやく立ち上がった彼女は怒りですっかり食欲も失せ、先ほどの手紙を拾い上げた。何度見ても読めない文字だ。こうなったら実際に行って確かめてやるか・・・。そう思い、彼女はチョコボ厩舎へ向かった。

 チョコボを飛ばし、ラングモント峠を抜けて氷河についた彼女は、あまりの寒さに身震いした。この先はチョコボでは移動できないと判断した彼女はチョコボを待機させ、徒歩でA-11を目指した。道すがら、吹雪より大きな音が響き渡った。サイレンのような、地響きのような。気味が悪いな、と思って彼女は冷静に戻った。何をしてるんだろう。今は調査活動のまっ最中なのに、投げ出して思わずここまできてしまった。しかも、危険区域のど真ん中でたった一人。今来た道を振り返ると、自分が雪を掻き分けて作ってきた道がもう真っ白のパウダースノーで覆われている。思えば、ここ1時間ほどは、1分に1メートル進めばいいペースだ。
「やっちゃった・・・」
 後悔したときは遅かった。目的地にたどり着く直前、1体のゴーレムが彼女に目を留めた。侵入者に反応して動く巨大な石像は、しかし石像だけにそれほど動きが速くない。ゴーレムの反応に気づいた彼女はまず逃げることにした。今来た道は豪雪で、かつ隘路のために逃げ切れない。ゴーレムに相対してみると向こうには開けたスペースがありそうだ。しかもそちらのほうが雪が薄い。これだ、思ったリシアンはゴーレムの一撃をかわしつつ股下をくぐりぬけ、ゴーレムの背後に回った。すでにアクティベートされてしまったゴーレムではあるが、なるべく刺激しないようにしながら逃げ続けた。それから走りに走り続け、どこまで来たのかわからなくなってきたが、おかげでゴーレムからは逃げおおせたようだ。思い足音が近づいてこない。ほっとして何か食べようと荷物をあさっていると、前方の岩山が鳴動しはじめた。どどどどどど、、、と、地面の底から何かがせりあがってくるような重低音がする。いやな予感がする、というよりもういやなことが起こっている、とリシアンは思った。
 いやな予感は的中した。いや、すでに起こっていた。岩山の鳴動の次はえもいわれぬ恐ろしいうめき声だった。しかも複数の。甲高い声、地獄の底から響いてくるような低い声、どれも人間のものではないし、地上に存在する動物のものでもない。
 動物的な本能がリシアンの体を縛り付ける。動けない。この場から逃げなくてはいけないのに、あまりに圧倒的な状況にパニックを起こしている。
 岩山が崩れ始めた。崩れ始めてからわずか4秒ほどで轟音の主が姿を現した。こげ茶色の皮膚。まず巨大な頭部が見える。そしてアンバランスな細い胴体に太い手足、胴部に巻きついた長大な尻尾。目は鈍く光り、大きく開けた口から咆哮がこだまする。
「・・・ドラゴン?大きすぎる」
言いながら、ようやく体の自由を取り戻したリシアンはまたも走り出した。あんなドラゴンは見たことがない。形こそドラゴン族のそれだが、色にせよ大きさにせよ、今までみたものとはまったく違うものだった。ドラゴンは次々と岩山の裂け目から姿を現し、4体が出現したところで地響きが止まった。相変わらず大音量の咆哮は止まらない。リシアンは一目散に逃げた。「ああもう、シーフになるんだった」シーフならばとんずらの術を使ってもっと早く逃げられるのに。
 ドラゴンは追ってくるようだった。あまりの恐怖に振り返ることができないので、ひたすら背中に恐怖を背負いながら走りに走った。雪が少ないところを選んで走りまくった結果、少しドラゴンからは離れることができたようだ。彼はが細い崖沿いの道にさしかかった。またしばらく走って、咆哮も聞こえなくなった。もう大丈夫かな、と後ろを振り返ったとき、彼女の目の前にいたのはゴーレムでもない、ドラゴンでもない別のものだった。
 その異形のものは大きな四角形に近い形をしており、その上半分を目玉が占めていた。羽をもち、小さな手足が4角形から生えている。アーリマンと呼ばれるモンスターによく似ているが、これまた先ほどのドラゴンと同様、巨大で、かつ通常のアーリマンとは色が違っている。
「ぎゃあああああああ!!」
 肝をつぶしたリシアンは、あとずさった、いや、後ろにとびのいた。その瞬間に左足が空をきった。
「ひぃっ・・・!ぎゃああああああぁぁぁぁ。。。。」
足を踏み外した彼女はバランスを失い、氷河の深い闇の谷底へ落ちていった。。。。

 氷河から程近いザルカバードのガードポストではエルがサンドリアの衛兵と渡り合っていた。
「良くないことが起こります。必ず起こるんです。」
「だから何が起こるって言うんですか。俺たちは仕事でここにいるんだ。そう簡単に出るわけにいかんのですよ」
「ああもうわからない人たちだなぁ。」
エル、ムアラ、イセの3人はガードポストに派遣されていた。「何かよくないこと」が起こる
「俺たちが発見したものを教えたでしょう!それにあなたがたの話では、ここ最近モンスターの数が増えているということだし。それよりなにより、あの轟音をどう説明するっていうんだ!」
ザルカバードでは引き続き、時折轟音が響く。耳をつんざくような音がする。
「どう説明っていってもなあ。。。とlにかく上からの指示でもなきゃ動くわけにはいかないよ。」
「本当にここは危ないよ!マツリさんの夢は当たるんだから!」
イセが割り込む。瞬間、エルの顔に「まずいこと言ったな」という表情がよぎる
「ハァ?夢?誰かしらんが、夢の話なんかで動けるわけないでしょ。帰った、帰った。」
衛兵たちはやっとおかしな冒険者を追い出せる、と安心したように立ち上がり、3人をガードポストの外に追いやって扉を閉めた。
「ご、ごめん、まずいこと言ったね・・・」
イセがめずらしくしょんぼりしている。
「困りましたねぇ。」
ムアラが座り込んだ。
「仕方ないよ。半分こうなると思ってた。」
「ええーっ、私があんなこと言うって思ってた?」
「いや、そうじゃなくて、いきなりここで説得するのには無理あるなあって。かといってサンドリアの王国議会まで行くのも無理だろうしねえ」
「じゃあしょうがないのかぁ」
「まあ しかたない ですよ」
そこへタルタルが二人駆け寄ってきた。ともに、高位の白魔術師なのだが女性タルタルの見た目からはその偉大な経験を想像できない。
「キララ、ユメ。」
「撤退だって!3人ともはやく!」
キララが言う。ユメは隣で小脇にかかえたマンドラゴラの芽をぶちぶち抜いている。抜かれるたびにマンゴラゴラが「ピギャアアアアア」悲鳴をあげている。ユメは何をしにきたのだろうか。友達の用事につきあいで来た感満点である。
LSでの部隊命令は絶対である。仕方なくあきらめた3人は2人の小さな背中について、とぼとぼと歩き始めた。国境に近づいたときにはマンドラゴラが鳴かなくなっていた。殺してしまったのだろうか。ユメは少し残念そうにしている。また犠牲になるマンドラゴラが出るのだろうか。
 ザルカバードの出口で部隊が集結していた。全員そろっていることを確認すると、Pozの一行はジュノに向かって移動を始めた。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

FFXI_Novel 更新情報

FFXI_Novelのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング