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日米安保を破棄し自主防衛を!コミュの「敵基地攻撃」と自衛隊の偵察能力の知られざる現状

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コミュ内全体

地上イージス中止で注目「策源地攻撃」案の落とし穴
自衛隊の偵察能力の知られざる現状
2020.7.3(金)
数多 久遠

1.イージス・アショアの配備計画中断により、にわかに「策源地(敵の出撃地)攻撃」、あるいは「敵基地攻撃」能力が話題となっています。

 策源地攻撃能力を持つことにはもちろん賛成なのですが、私を含めた多くの識者は、イージス・アショア導入を止めて策源地攻撃、という方向には疑問を呈しています。

 その理由はいくつもありますが、策源地攻撃、もっと具体的に言えば、日本を狙う弾道ミサイルや超音速滑空弾のランチャー(発射機)を破壊するための偵察能力が不足していることがその1つです。

 日本が保有する策源地攻撃のための偵察機能を担うのは、情報収集衛星と、偵察機RF-4E/EJからバトンタッチされるグローバルホークです。情報収集衛星を数多く飛ばし、さらに最新の偵察用UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)であるグローバルホークがあれば、十分な偵察ができるのではないかと思う方が多いかもしれません。しかし、これだけでは、はなはだ不十分なのです。

 そこで以下では、日本の偵察能力で、何ができ、何ができないのかを概括し、策源地攻撃の実現性と弾道ミサイル防衛のあるべき姿について考えてみたいと思います。



2.[衛星が見つけるのはミサイル関連施設“候補”]

 まず、情報収集衛星について説明します。情報収集衛星は、高度約490キロの低軌道を周回しており、複数の衛星により、観測したい任意の点を1日に1回は撮影できる態勢をとっています。

 計画では、情報収集衛星を倍増させることで、撮影回数を増やす計画となっています。しかし倍増できたとしても、単純計算では任意の点を12時間で1回しか撮影できません。

 北朝鮮の弾道ミサイル等のランチャーの多くは車載され、隠している場所から移動した後、発射態勢を整えて発射します(一部は、サイロと呼ばれる格納庫に隠して運用していると見られます)。発射準備にどの程度の時間を要するかは、現在多数が運用されているノドンでもはっきりしたことは分かりませんが、北朝鮮は、準備時間を短縮するために固体ロケットモーターなどの開発を進めており、ほとんどのミサイルは数十分で発射して再移動できるものと思われます。

 つまり、情報収集衛星を倍増したとしても、移動し始めたランチャーを発見することはほぼ絶望的です。

 しかも、たまたま撮影できたとしても、現在の情報収集衛星では解像度(高いもので30センチ程度)が低いため、ランチャーを判定できる確率は高くないと思われます。

 特に、有事においては「デコイ(ダミーバルーン)」と呼ばれる偽目標が使用される可能性が高く、北朝鮮も多数のデコイを保有していると思われます。戦車のデコイ(ダミー戦車)などは、中国の通販サイト「アリババ」などで販売されていることもあり、非常に安価です。金属を蒸着することで電波衛星に反応したり、内部にヒーターを入れることで赤外線を発するなど、高度なデコイもあります。衛星の解像力では、デコイと本物のランチャーを区別することは事実上不可能なため、下手をすると衛星による偵察結果は自衛隊に混乱をもたらすことになるかもしれません。

 ですが、本来、情報収集衛星は弾道ミサイル等のランチャーを追跡するためのものではありません。正しい活用をすることで策源地攻撃にも有用となります。

 情報収集衛星の強みは、継続的に情報を収集できることです。衛星のデータから「先月存在しなかったものが今月は存在するようになった」といった分析を行うことで、ランチャーや予備ミサイルを隠している場所、あるいは製造施設を発見できる可能性があります。

 そうした分析は、防衛省の情報本部内にある画像地理部が行っており、防衛省は既にランチャーの隠匿施設・予備ミサイル集積施設・製造工場などを把握している可能性があります。こうした施設、設備は、策源地攻撃の手段として検討していると噂される巡航ミサイルなどで破壊できる可能性があります。



3.ただし、情報収集衛星の継続監視によって施設を特定する確率を向上させられるとはいえ、決して高い確率にはなりません。湾岸戦争、イラク戦争で米軍が同様の目標を攻撃していますが、イラクのスカッド発射を止めることはできませんでしたし、「誤爆だった」としてイラク側の米軍を批難する宣伝活動に使われました。

 つまり、情報収集衛星による偵察で見つけられるのは、あくまでもミサイル関連施設の“候補”ということなのです。

[自衛隊の戦術偵察能力が低下]

 RF-4E/EJを運用していた偵察航空隊は、本年(2020年)3月に部隊廃止となり、今後は、グローバルホークを運用する新たな部隊で偵察任務が行われることになっています。

 最新機材であるグローバルホークは、ほとんどの偵察手段が光学機器だったRF-4E/EJと異なり、合成開口レーダーを用いた電波での偵察ができるなど、最新の偵察装備を搭載しています。そのため偵察能力は強化されるのですが、実は一部の能力は低下してしまうということがあまり知られていません。

 そもそもグローバルホークは、開発元のアメリカにおいては、RF-4Eやそれに類する偵察機の後継ではありません。

 グローバルホークは、アメリカが現在も使用を続けている偵察機U-2の後継として開発されました。ただし、グローバルホークの能力不足や高価格であることなどの理由から当面は完全に代替されず、アメリカはU-2の利用も続ける予定です。

 U-2およびグローバルホークは、RF-4E/EJと同じく“偵察機”という大きなカテゴリーに含まれますが、アメリカでは、RF-4E/EJとは小カテゴリーが異なる偵察機として使い分けられています。


4.[グローバルホークの限界とは]

 衛星とRF-4Eの中間的偵察手段であるグローバルホークの限界について、詳しく見ていきましょう。

 グローバルホークは、長時間の滞空性能、最新の光学・レーダー偵察装備を持ち、通常の航空機では飛行困難な成層圏も飛行できる偵察用UAVです。しかしながら、グローバルホークと飛行性能がほぼ同じU-2は、1960年に撃墜されたことを皮切りに、何度か地対空ミサイルなどで撃墜されています。つまり、グローバルホークは滞空時間は優れていますが、攻撃に対して脆弱なUAVであるということがわかります。

 U-2に比べると小型で、若干ステルスを意識した形状にはなっていますが、飛行高度が高く背景ノイズが少ないこともあり、レーダーが発見しやすい環境を飛行するため、発見はそれほど難しくありません。そのため、グローバルホークは、国際法上攻撃を受けることのない領空外を飛行するか、イラク戦争などのように絶対的な航空優勢がある状況でないと運用できません。

 北朝鮮の空軍は決して高い能力を持っているとは言えませんので、有事において日米がある程度の航空優勢を取ることは難しくないと思われます。しかし、地対空ミサイルは隠しやすい武器であるため、絶対的な航空優勢の獲得には相当な時間がかかると見られます。グローバルホークを北朝鮮の上空で飛行させられるのは、ある程度時間が経過した後になるはずです。

 このように有事においてグローバルホークによる偵察にはさまざまな制約があります。では、平時に領空外からどれだけの偵察ができるのでしょうか。結論を言うと、沿岸部の極めて一部しか偵察できないというのが、グローバルホークの最も重大な限界です。

 グローバルホークは、通常の飛行機が飛行できない2万メートルの高空を飛行できます。上空から見える範囲は通常の航空機と比べれば格段に広いと言えます。ですが、2万メートルというのは、キロに直せば20キロしかありません。地球の大気というのは非常に薄っぺらなのです。領空の範囲は、領海と同じく基線から12マイル(約22.2キロ)です。つまりグローバルホークが領空外を飛んだ場合、斜め下45度の範囲では海しか見えず、陸地上はかなり斜めにしか見えないのです。

 しかも、北朝鮮は、日本と同様に地勢がかなり山がちで、平野部はわずかです。結果的に、グローバルホークでの平時、領空外での偵察では、海岸線近くの極めて狭い地域しか偵察できないことになります。北朝鮮がミサイルランチャーを隠しているのは、平野部ではなく恐らく山間地の中でしょうし、山をくり抜いて要塞化した場所である可能性も高いと思われます。グローバルホークでは、平時はそうした地域の偵察が望めず、有事の際もある程度時間が経過しないと撃墜される可能性が高いのです。

 弾道ミサイルの製造施設は平野部の工場にある可能性が高いため、高い解像力をもつ偵察機材により、グローバルホークは衛星よりも高い確率で製造施設を確定することができます。そこからの出荷されたミサイルなどの移動状況を衛星で監視することにより、衛星だけを用いた場合よりも隠匿施設などを高い確率で特定できます。つまり「衛星+グローバルホーク」の組み合わせによって、従来よりも高い確率でミサイル関連施設を把握できるようになります。

 ところが、発射のために移動を始めたランチャーをミサイルの発射前に発見することは極めて難しいと言えます。もし、この偵察結果をもって策源地攻撃を行うならば、予防的に隠匿施設を攻撃しないと弾道ミサイル攻撃は防げません。



5.[低下している写真の解像度]

 グローバルホークの偵察精度にも問題があります。具体的には写真の解像度です。

 RF-4E/EJが搭載していた偵察装備は、その精度(解像度)という点では今でも一線級と言えるものでした。その理由を一言で言えば、光学撮影を行うカメラの能力が実はさほど進歩していないためです。現代の50万円もする高級一眼レフデジカメを使えば50年前のライカよりも格段に美しい写真が撮れるかと言ったら決してそんなことはないということは写真を撮る方ならお分かりでしょう。もちろん、発色などは良くなってはいるでしょうが、記録写真を撮ることに関してはほとんど変わりません。

 偵察で必要な能力は解像度の高さです。偵察用カメラの解像度は、レンズとフィルム(デジカメであれば撮像素子)によって決まります。

 レンズの材料である硝材は、以前よりも均一度や加工精度が向上しています。しかし材料そのものには大きな進歩が見られません。画期的な新しい材料は登場しておらず、根本的な変化が起こっていません(屈折率の高い硝材が発見されれば、解像度は上がるでしょう)。

 一方、フィルムに関しては大きく進歩しました。CMOSやCCDのような撮像素子に変わり、画像がデジタル化されました。これによって偵察機がまだ飛行中でも、撮影データを送って偵察結果を利用できるようになりました。

 ところがフィルムから撮像素子への変化は、解像度という点においては実は低下しているのです。その理由は、撮像素子上にある素子一つひとつのサイズがフィルムの粒子よりも大きいことに加え、撮像素子全体のサイズが小さいからです。

 デジタルカメラに使用される撮像素子にはさまざまなサイズがありますが、デジタル一眼レフカメラが出始めた頃、35mmフルサイズではなかったことを覚えている方も多いと思います。現在では、デジタル一眼でも35mmフルサイズが当たり前になっていますが、それ以上の撮像素子は製造難易度が高くなることから、特殊な用途に向けたごく一部のカメラに留まっています。

 では、RF-4Eの偵察用カメラがどんなフィルムを使用していたかと言えば、短辺5インチ(127mm)のものと、短辺9インチ(228.6mm)の巨大なものでした。この9インチフィルムと比べれば、中判カメラのフィルムサイズは長辺43.8×短辺32.8mmですので、長さで比較しても1/7、面積で比較すれば1/50しかありません。35mmミリフィルムだと、長さで1/9.5、面積では1/90ということになります。

 もちろん、コストを度外視すれば、大きな撮像素子は作れます。しかし、これほどの差違があると、短辺5インチ、9インチといったサイズの撮像素子の製作は難しいでしょう。つまり、1回で同じ面積を撮影した場合、レンズにはさほどの技術進歩がないため、解像度が低下せざるを得ないのです。

 ただし、撮像素子の感度が上がっていることもあり、連写性能ではデジタルの方が上回っています。そのため、1回の撮影範囲を狭め、スキャンするようにカメラを振って連続撮影することで解像力を補うことが可能です。U-2は、非常な高高度を飛行するため、この撮影範囲を狭めて連続写真を撮る方法によって解像力を補うことができたと思われます(U-2はRF-4Eと同じフィルムを利用していましたが、すでに搭載カメラをデジタルに換装しています)。しかし、RF-4E/EJは、基本的に低高度を飛行することでミサイルや対空砲を避けるということもあり、連写性能で解像力を補うことは不可能だと思われます。最後まで、フィルムを使用していました。

 筆者は、前述の東芝によるRF-15用偵察機材の開発失敗は、恐らくこの点に原因があったのではないかと想像しています(無茶な要求をした自衛隊と、カメラメーカーではなかった東芝が安易に仕事を受けてしまった結果ではないかとの予想です)。

 グローバルホークによる偵察精度(解像度)は、U-2と同様の高度を同様の偵察機材を用いて行うため、ほぼU-2と同じです。RF-4/EJには及ばないのです。


6.余談になりますが、偵察航空隊が部隊廃止になり、RF-4E/EJが退役する理由は、機体の老朽化だと言われていますが、実は上記の巨大フィルムや関連装置類を作る国内メーカーが製造を継続できなくなったことも大きな理由なのです。世界の写真用フィルムは、コダックが倒れた後、日本メーカーがシェアを握っていましたが、この偵察用フィルムもU-2が使用しなくなり、RF-4E/EJだけでは需要が少なすぎたということです。偵察航空隊の最後の時期はフィルムの在庫を細々と使用していたようです。

[戦術偵察能力と策源地攻撃の関係]

 最後に、戦術偵察能力と策源地攻撃の関係について見ていきましょう。自衛隊の戦術偵察能力が低下すると、何が問題になるのでしょうか。

 戦術偵察能力で何ができるかと言えば、衛星などのデータ分析で発見していたミサイルの隠匿施設などの“候補”を、高精度で確認できることです。ダミーバルーンを利用したデコイが使用されていても、低高度から高解像力で撮影すれば判断できますし、周辺にある付帯設備が本物なのか偽装なのか判断することができます。

 また、それにも増して、戦術偵察がいわゆる威力偵察でもあることが重要です。本物のミサイル隠匿施設と偽装施設の違いは、周辺の対空防護態勢の違いでもあります。北朝鮮は、本物の隠匿施設などの周辺には、偵察機の接近を阻む地対空ミサイルや高射機関砲を配備しているでしょう。ミサイル関連施設の“候補”を戦術偵察しようとして、厚い対空火網に阻まれた場合でも、たとえ途中で偵察を断念する結果になったとしても、その“候補”は“当たり”の可能性が高いと言えます。

 つまり、戦術偵察能力があれば、策源地攻撃を行うべきミサイル関連施設の“候補”を絞り込み、偵察・分析の精度を上げることが可能になります。これが実現できない場合、イラク戦争で発生したような誤爆が起きたり、北朝鮮が日本側に意図的に誤爆させることで宣伝戦が行われる可能性が高くなってしまいます。

 以上の理由から、航空自衛隊内でも、RF-4E/EJを運用していた偵察航空隊が部隊廃止となったことを疑問視する人は多いようです。ですが、グローバルホークや新たに宇宙監視を行うことなども必要なため、予算や人員の余裕がなく、どうしようもない状況のようです。

 しかしながら、いったん能力をなくしてしまえば、再度構築するためには非常に大きな努力が必要となります。今ならまだ間に合います。F-35に独自の戦術偵察能力を付与することが難しいのであれば、F-2に付与を検討するか、研究していた「無人機研究システム」を実用化するなどして、何らかの能力を維持することが必要でしょう。

[イージス・アショア+策源地攻撃のベストミックスが必要]

 隠されていたミサイルランチャーが移動した後、発射準備中に発見するためには、北朝鮮の戦闘機と地対空ミサイルのほとんどを破壊し、絶対的航空優勢を確保して、グローバルホークを常時北朝鮮の上空に滞空させなければなりません。それも、相当の機数が必要です。滞空が10機以上、発進・帰投・整備などを行う機体を含めれば20機以上が必要になると思われます。

 それはどう考えても予算的に不可能ですし、そもそも、弾道ミサイル攻撃が紛争開始直後から行われる可能性が高いことを考えれば、その時点で絶対的航空優勢を確保しておくこと自体が不可能です。

 それを考慮すれば、策源地攻撃は、ミサイルのランチャー隠匿施設・予備ミサイル集積施設・製造工場などの“候補”を高い精度で分析し、ランチャーを個別に叩くのではなく、それらが隠されている時点で予備のミサイルや、以後の製造能力も含めて一気に叩くことで、発射されるミサイルなどの総数を減らす方向しかあり得ないということになります。移動するランチャーを個別に叩くことは極めて困難であり、実現性に乏しいと言わざるを得ません。

 イージス・アショアの配備中止によって「策源地攻撃に舵を切るべき」というような主張もありますが、策源地攻撃では発射される総数を減らすことしか効果がない以上、やはり「イージス・アショア+策源地攻撃」のベストミックスが必要です。

 また、参議院議員の佐藤正久氏は、7月1日、「発射機のTEL(輸送起立発射機)を数機破壊しても抑止力とはなりにくい。自衛権の範囲内で、敵の指揮所等も視野に入れた議論が必要」とツイッターで発言し、指揮所や上記で述べた隠匿施設等を攻撃することを念頭に、「敵基地攻撃能力」から「自衛反撃能力」と用語を変更することを提案しました。

 河野防衛大臣によるイージス・アショアの配備計画中断を、安倍首相があっさり受け入れたことからも、従来の政府見解を越えた方向性となることもありそうです。

 なお、余談ですが、ここで書いたような偵察機での偵察を知る良い素材として、1962年のキューバ危機を描いた映画「13デイズ」(2000年のアメリカ映画)は必見です。RF-4E/EJと同じ任務を負ったF-8での戦術偵察やU-2での偵察は、参考になるでしょう。

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