乱流観測データがガウス分布からははるかにずれることは指摘されてひさしい。 乱流の運動エネルギーeと平均の流速の空間的勾配Yとレイノルズ応力R=αeの観測データから経験法則 ∂t( e ) = e ∇・U を導き、右辺の∇Uは大規模平均流速の勾配とみなして d( e ) = ( e − A) d U と書き、これをeとUに関する完全微分型の微分方程式と思って解くと運動エネルギーとUは Log (e −A) = U + Const. になる。ここで大規模平均流速Uの分布がガウス分布にしたがう場合には乱流の運動エネルギーはガウス分布にならないでその対数がガウス分布になることがわかる(Landahl and Mollo-Christensen,1986)。また海洋表装の植物プランクトンと栄養塩分布もこのような正規分布にしたがう(Landahl and Mollo-Christensen,1986)。
実際に湖の表面に生じる波の乱流観測データはこのような対数ガウス分布になることが示された(Dorman and Mollo-Christensen、1973)。しかし対数ガウス分布もやはりその変数の逆数がガウス分布に依存することを仮定して導き出したものである。自然は本当にガウス分布を保証しているのだろうか?
参考文献: Dorman and Mollo-Christensen、1973:Observation of the structure of moving gust pattern over a water surface "Cat's paws". J. Phys. Oceanogr., 73, 120-413.
角谷典彦: 連続体力学、共立出版、1973
Kiiedreich, Feng, Negel,200:Nature, 403, 524.
Metzer, Klafer, Sokolov,1998::Phys. Rev., E., 58, 1621.
ガウス分布から大きくずれた確率分布:
乱流観測データがガウス分布からははるかにずれることは指摘されてひさしい。
乱流の運動エネルギーeと平均の流速の空間的勾配Uとレイノルズ応力R=αeの観測データから得られた経験法則
∂t( e ) = e ∇・U
を導き、ここで右辺の∇Uを平均流速の勾配とみなして、等価な微分方程式
d( e ) = ( e − A) d U
に変換し、これをeとUに関する完全微分型の微分方程式と思って解くと乱流の運動エネルギーeと平均流速Uが満足する関係式
Log (e −A) = U + Const.
が得られる。ここで平均流速Uの分布がガウス分布にしたがう場合には乱流の運動エネルギーはガウス分布にならないでその対数がガウス分布になることがわかる(Landahl and Mollo-Christensen,1986)。また海洋表装の植物プランクトンと栄養塩分布もこのような正規分布にしたがう(Landahl and Mollo-Christensen,1986)。実際に湖の表面に生じる波の乱流観測データはこのような対数ガウス分布になることが示された(Dorman and Mollo-Christensen、1973)。しかし対数ガウス分布もやはりその変数の逆数がガウス分布に依存することを仮定して導き出したものである。自然は本当にガウス分布を保証しているのだろうか?
参考文献:
Chawin, P., 2003:The Probability density function of concentration in atmospheric diffusion, 6th Internatinal Congress on Industrial and Applied Mathematics, Sydney, Australia, 7-11 July, 2003.
Dorman and Mollo-Christensen、1973:Observation of the structure of moving gust pattern over a water surface "Cat's paws". J. Phys. Oceanogr., 73, 120-413.
角谷典彦: 連続体力学、共立出版、1973
大久保明、1996:生物と流体、雑誌海洋と生物、37. Vol.7, No.3,123−125.
シュテインマン(水戸巌訳)、1973:時間と空間の物理学、東京出版
バッチェラー(橋本英典、松信八十男共訳)、1972:流体力学入門、東京電機大学出版
Kiiedreich, Feng, Negel,200:Nature, 403, 524.
Metzer, Klafer, Sokolov,1998::Phys. Rev., E., 58, 1621.