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2022年06月19日05:27

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探査機「はやぶさ2」の持ち帰った小惑星「リュウグウ」の砂から23種のアミノ酸検出、生命誕生までの道のりは遠し

 JAXAの探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」(下の写真の上)から持ち帰った試料の砂(下の写真の中央と下)から23種類のアミノ酸が見つかった。10日、日本学士院紀要に掲載された。

◎小惑星=太陽系草創期にも作られていたアミノ酸
 これまで地球に降ってきた隕石や彗星のちりからほんのわずかだが、アミノ酸は見つかっていた。ただ検出例の比較的多い隕石の場合は、そのアミノ酸が地球落下後に地球起源のアミノ酸に「汚染」された可能性が排除できず、確実に隕石、すなわち母天体だった小惑星起源とは言い切れなかった。
 今回は、直接、小惑星「リュウグウ」で採取した物で、その後も地球起源のアミノ酸で「汚染」された懸念のない環境での発見だけに、見つかった23種が小惑星起源であるのは疑う余地はない。
 地球の生物体を構成する蛋白質は、20種類のアミノ酸で出来ている(図)。つまりアミノ酸は、生物にとって不可欠な「部品」で、今回見つかったアミノ酸には、その約半数が含まれていた。

◎「パンスペルミア」説に有力傍証
 これまで地球の生命について、地球上で誕生したのか、それとも宇宙起源なのか、論争が繰り広げられている。
 宇宙起源説では、フレッド・ホイルとチャンドラ・ウィクラマシンジの提出した「パンスペルミア説」が有名だ。40億年以上前に地球に海が形成された後、宇宙の生命の「元」(微生物の芽胞やアミノ酸、DNAの部品など)が隕石などで地球に降下し、それらが海に溶け込んで生命が誕生したというものだ。
 今回の発見は、その可能性の大きいことを示したと言えるかもしれない。
 あらためて分かったのは、生命の「元」になり得る素材=複雑な有機物は、宇宙のどこにでもあるということだ。

◎原始の海で生命合成が進んだか
 素材さえあれば、条件が整えさえすれば化学変化はどこででも起こる。それが、やがてRNAや核酸の合成にいたり、最初の原初生命が生まれたとも想像できる。
 とすれば、生命は地球だけでなく、地球に似た惑星・衛星のどこでも発生した可能性がある。今回の発見は、生命は普遍的に存在し得る可能性を大きくしたと言えるだろう。
 ただ地球の水と違って(地球の水の約3分の2は、地球形成の頃に小惑星や彗星の衝突で宇宙からもたらされたという説がある)、生命の「元」は脆弱であり、しかも地球にもたらされたとしても、複雑な生命へと合成が進むほど、海に満ちていたかは疑わしい。「大海に一滴」では、化学合成が進む前に、紫外線などで分解されてしまうだろう。
 生命起源の謎の解明は、まだ道通し、である。ひょっとすると探査機が、地球外の星の上で非地球的な生命を見つけるまで、解決しないかもしれない。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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