「想定超す放射線量」って、そもそも想定自体甘くないですか

　9月15日。敬老の日じゃなかった（笑）？　国民の3分の1が老人という人口構造のいびつさは、容易にシミュレート出来たはずだ。
　朝、コーヒーを飲みながら新聞を読んでいると、ぞっとした。社会面の片隅に「福島第一　格納容器上部　想定超す放射線量」という見出しの記事が載っている。こんな重大なニュースがネットの、少なくとも私のスマホではまったく出てもいなかった。
　2号機の原子炉の真上にあるふたの内側で線量が毎時10シーベルト、人が1時間ほど近くにいれば死に至る線量だという。ふたは建屋上部にあり、解体して取り出すのは簡単でなく、廃炉作業でどう扱うのか決まっていないとある。
　この記事を読んだあと、あらためて東京電力のHPで「工程表」を見てみた。
「中長期ロードマップの目標行程（マイルストーン）」が簡潔に示されていて、2013年11月に4号機の燃料取り出し開始とある。もう取り出しは終わったっけ？　燃料取り出しは2021年12月に終了だと書かれているのだが、この夏はTOKYOこそ2020年だが、日本全体で共有されているのは2021年だから、あと2カ月で取り出すことになっている。
　500円のタラコを盜んでもテレビニュースになるくらい厳しい目を持つニッポンなのに、なぜか原発を必要悪だと見なして容認する国民が多数を占めている。臭い物に蓋、という先送り政策は必ずや不幸な結末を見る。人口が増えるのがいいと思えないものの、結婚して子どもを育てるだけの経済力がない若者が多く占める貧困に対して見て見ぬふりをし続けて20年。で、いびつな社会構造になった。また、恋愛不全の時代風潮を煽ったのも、「分断」を好む政府方針の影響が多少ともある。
　廃炉が終わるのはいつ？　デブリをどこに保管し、誰がそれを10万年管理するのか答えられる人は、残念ながら日本のみならず世界中を探し回ったって一人もいないだろう。人類が誕生して20万年だ。10万年という単位は無限大であろうよ。
　今日は「朝の原発」で味噌をつけたように、不機嫌な時を過ごした。校正しようにも（詩人のノートには）どうにも読めない字は今回も読み解けなくて、ネットで調べまくり、国語辞典と漢和辞典を駆使しても、やっぱりわからない。そういう箇所が一日に5つ6つあると、落ち込む。自分の能力のなさを嘆き、詩人に対しても当たり散らしたくなるから困ったもんだ。
　漢和辞典だけで一体、何度、漢字探し、熟語探しをしたことだろう。時間だけがいたずらに過ぎて行く。